鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<765> 世話になった叔父が亡くなったので

2021-10-12 19:07:42 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 世話になった叔父が亡くなった。82歳だったそうだ。親父が亡くなって2年も経っていない。急な知らせを聞いた翌日、告別式に参加してきた。

 親父の兄弟は5男1女だった。
 長兄が亡くなったのはかなり前だったが、長女が亡くなったのは4年前、次いで3男が3年前に亡くなっている。3か月後に次男の親父が亡くなり、それから1年と8ヵ月で4男が亡くなった。

 もともと皆長野県の生まれだったが、次男、3男、4男、5男が東京に移り住んでいる。仲の良い兄弟でしょっちゅう4人で新宿で飲んでいた。親父が亡くなる直前までパソコンでメールを交換し合っていたようだ。親父のパソコンデータを消そうとして気がついた。
 親父が死ぬ直前に「つうしんしたい」と何度も繰り返していた。弟にメールを打ちたかったようだ。もちろん病室にはパソコンや携帯電話は持ち込めなかったので、「親父、良くなればいくらでもメール打てるぞ。早く元気になろうな。」と気休めを言うと、親父も残念そうに弱々しく笑って頷いた。
 仲の良かった次男・3男・4男・5男だから先に亡くなった3男が次男の親父を呼び、それでも足りずに今回4男を呼んだのか。告別式で残された最後の5男である叔父にこんな事を言うと「次はいよいよ俺の番だな。」と5男の叔父が寂しそうに笑う。76歳の5男はまだまだ元気そうだったが。
 
 告別の翌日の土曜日に親父の墓に報告に行く。
「親父、叔父さんがそっちに行ったけど、もう合流したか?長男・長女・次男・3男・4男で再開を祝して飲み始めているんだろうな。」
 亡くなった人が寂しくなって呼びよせる、などという事をよく聞く。非科学的だが、今回のように立て続けに兄弟が亡くなるのを見るとそんな事もあるのかもしれないと思う。奥さんに死なれた夫が後を追うようにして亡くなる、という話もよく聞く。「とりあえずお袋さんには知らせないでおくよ。」と親父には告げておいた。ただでさえ弱っているお袋にそんな事を話したとしても何の得にもならない。そもそも叔父の事を憶えているかどうかも怪しい。
 
 私は無宗教で神様や天国の存在も信じない。それでもこういった事を目の当たりにすると「死んだ兄弟が呼んだのかな。」と考えてしまう。人は心が弱いので、こんな他愛もない事を考えて自分を慰めるのだ。
 親父よ、お袋は体のあちこちを骨折したり痴呆が進んだりしているが、どうも心臓や内臓は丈夫のようだ。もうしばらく待っていてくれ。お袋の得意な天ぷらを兄弟に食べさせられなくて残念かもしれないが、今はまだその時ではないよ。 


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