毎度!ねずみだ。
お陰様で母親は少しずつ回復し、以前のようにとは行かないまでもそこそこ元気になった。ひと安心である。
さて、母親が入院中に実家の台所を掃除することにする。数日間ほったらかしにしていたので、かなり酷いことになっていた。乾ききっていないシンクには、図鑑に載っていないようなウニウニした虫のようなものが大量に発生していた。
以前の私であればとても手を出せないような状態だったが、結婚後奥さんの調教のおかげでこのような事態に対しても冷静に対処できるように。
皿やシンク、水回りを一通りやっつけ終わったところでシンクの前の棚に小さな古い手鏡を見つけた。ところどころ汚れており、不自然な角度で置いてある。しばし考えてふと気づいた。私よりかなり背が低い母が台所に向かって仕事をしている常態でその鏡を見ると、ちょうど自分の顔が映るような角度で置いてあるのだ。
あまり友人と外出することもなく(ほとんどは友人たちが家を訪れているのだ。)、一日のうち多くの時間を家族(今は親父のためだけだが)の食事作りに割いている母親。訪問者があった際に手を拭きながら、その小さな鏡をのぞき込んで髪のほつれなどを直してから玄関に向かっていたようだ。
時間があってもあまり休むことはなく、常に台所で仕事をしている母であった。(なんだか過去形で書くと母親が死んでしまったように思えるがまだ死んではいない念のため。)私が物心ついた頃からそうであった。常に働いていた。外から戻ると母は大概台所で仕事をしていたような記憶がある。私の「ただいま。」という声が聞こえると手を休め、その小さな古い手鏡をちょっと覗きこんでから振り返り「お帰り。」と振り返っていたのかも知れない。
台所の掃除を終えてしみじみと見回す。子供の頃は気づかなかったがこの台所はずいぶん小さく、そして照度の低い(あまり明るくない)空間である。
近所の家電量販店に行き卓上用のライトを購入。持ち帰ってシンク前の棚に設置する。ライトを点けるとかなり手元が明るくなった。ついでに同じく近所の日曜大工センターに行き水回りの用品を物色。包丁立てや洗い終わった皿を置くカゴなど一通り買いそろえる。
二週間ほどで母親は退院できた。台所のプチリノベーションを見て驚き、そしてたいそう喜んだ。体力が落ちていたせいもあり、退院して暫くはほとんど布団の上で過ごしている。何はともあれ養生してもらいたい。
さらに二週間ほどあと。実家に行き玄関をあけ「来たよ。」と声をかけると台所から「いらっしゃい。」と母親の声。おそらくあの小さな手鏡をのぞき込み、髪のほつれを直してから私を出迎えるのだろう。
じゃ、また。
お陰様で母親は少しずつ回復し、以前のようにとは行かないまでもそこそこ元気になった。ひと安心である。
さて、母親が入院中に実家の台所を掃除することにする。数日間ほったらかしにしていたので、かなり酷いことになっていた。乾ききっていないシンクには、図鑑に載っていないようなウニウニした虫のようなものが大量に発生していた。
以前の私であればとても手を出せないような状態だったが、結婚後奥さんの調教のおかげでこのような事態に対しても冷静に対処できるように。
皿やシンク、水回りを一通りやっつけ終わったところでシンクの前の棚に小さな古い手鏡を見つけた。ところどころ汚れており、不自然な角度で置いてある。しばし考えてふと気づいた。私よりかなり背が低い母が台所に向かって仕事をしている常態でその鏡を見ると、ちょうど自分の顔が映るような角度で置いてあるのだ。
あまり友人と外出することもなく(ほとんどは友人たちが家を訪れているのだ。)、一日のうち多くの時間を家族(今は親父のためだけだが)の食事作りに割いている母親。訪問者があった際に手を拭きながら、その小さな鏡をのぞき込んで髪のほつれなどを直してから玄関に向かっていたようだ。
時間があってもあまり休むことはなく、常に台所で仕事をしている母であった。(なんだか過去形で書くと母親が死んでしまったように思えるがまだ死んではいない念のため。)私が物心ついた頃からそうであった。常に働いていた。外から戻ると母は大概台所で仕事をしていたような記憶がある。私の「ただいま。」という声が聞こえると手を休め、その小さな古い手鏡をちょっと覗きこんでから振り返り「お帰り。」と振り返っていたのかも知れない。
台所の掃除を終えてしみじみと見回す。子供の頃は気づかなかったがこの台所はずいぶん小さく、そして照度の低い(あまり明るくない)空間である。
近所の家電量販店に行き卓上用のライトを購入。持ち帰ってシンク前の棚に設置する。ライトを点けるとかなり手元が明るくなった。ついでに同じく近所の日曜大工センターに行き水回りの用品を物色。包丁立てや洗い終わった皿を置くカゴなど一通り買いそろえる。
二週間ほどで母親は退院できた。台所のプチリノベーションを見て驚き、そしてたいそう喜んだ。体力が落ちていたせいもあり、退院して暫くはほとんど布団の上で過ごしている。何はともあれ養生してもらいたい。
さらに二週間ほどあと。実家に行き玄関をあけ「来たよ。」と声をかけると台所から「いらっしゃい。」と母親の声。おそらくあの小さな手鏡をのぞき込み、髪のほつれを直してから私を出迎えるのだろう。
じゃ、また。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます