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ドーパミンポンプの障害が脳細胞を自滅させる

2016-01-07 06:07:21 | 
Hunting down trigger for Parkinson's: Failing dopamine pump damages brain cells

June 16, 2014

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140616082146.htm

ウィーン医科大学脳研究センターの研究グループは、パーキンソン病と健康な人の細胞内のドーパミンポンプの機能を調査した
研究の結果、パーキンソン病患者のポンプはドーパミンをくみ出してたくわえる効率が通常より低いことが判明した
ドーパミンが正しく貯蔵されないと、それは神経細胞の自滅を引き起こす


ドーパミンは脳内で異なるニューロン間の情報交換を仲介し、それを助けるために、通信する神経細胞間between the corresponding nerve cellsの接触する箇所で絶えず作り直されている
ドーパミンは小胞vesicleという構造の中に貯蔵されて必要な時に放出されるが、パーキンソン病ではこれらの神経細胞が死んでしまうためにドーパミンが欠乏し、動きの遅れ、筋肉の硬直、振戦のような動作の問題を引き起こす

50年以上も前、ウィーン大学の薬理学研究所(現在のウィーン医科大学)のHerbert EhringerとOleh Hornykiewiczはパーキンソン病が脳の一定の領域におけるドーパミンの欠乏によって引き起こされることを発見した
この発見によりHornykiewiczはドーパミンの代わりとしてアミノ酸のL-DOPAをパーキンソン病の治療に採り入れることが可能になり、この病態の症状を数年間管理できるmanageableようにした

パーキンソン病で神経細胞が死ぬ理由は完全には理解されておらず、それがいまだに疾患の発症を防ぐことができない理由である
しかしながら、ドーパミン自体が正しく小胞に貯蔵されないと、影響を受けた神経細胞に自滅self-destructionを引き起こす


そして今、疾患の原因究明に向けた研究が一歩前進する
ウィーン医科大学の脳研究センターのChristian Piflと現在87歳のOleh Hornykiewiczを中心とする研究チームは、亡くなったパーキンソン病患者の脳と神経学的に健康な対照となる死者の脳を比較した
研究チームはドーパミンを貯蔵する小胞を脳から取り出して調製prepareすることに初めて成功し、それによりVMAT2というポンプでくみ上げてドーパミンを貯蔵する能力を定量的に計測することが可能になった
計測の結果、パーキンソン病患者の小胞のポンプはドーパミンをくみ出す効率が低いless efficientlyことが判明した

Christian Piflが説明する
「パーキンソン病患者の小胞におけるポンプの欠陥とそれによるドーパミン貯蔵能力の低下は、神経細胞内のドーパミン蓄積collectingにつながり、有毒な効果を引き起こして神経細胞を破壊する」


http://dx.doi.org/10.1523/JNEUROSCI.5456-13.2014
Parkinson's Disease a Vesicular Dopamine Storage Disorder? Evidence from a Study in Isolated Synaptic Vesicles of Human and Nonhuman Primate Striatum.
パーキンソン病は小胞のドーパミン貯蔵の疾患か? ヒトとヒト以外の霊長類の線条体から単離したシナプス小胞における研究からのエビデンス

Abstract
ニューロン内でのドーパミンは大部分がlargelyシナプス小胞に閉じ込められ、小胞内では代謝による分解から保護される
しかしながら、細胞質に遊離したドーパミンは細胞毒のフリーラジカルの形成を生じさせる
通常、細胞質のドーパミン濃度はvesicular monoamine transporter 2/小胞モノアミントランスポーター2 (VMAT2) の継続的なポンプ活動により最小限at a minimumに保たれる
細胞質ドーパミンのVMAT2による制御の欠陥は、ドーパミンによって生成されるオキシラジカルoxy radicalsのレベルを増大させ、最終的にはドーパミン作動性ニューロンの変性という結果になる

今回我々は6人のパーキンソン病患者と4人の対照群の線条体からドーパミンを貯蔵する小胞を初めて単離し、小胞ドーパミン貯蔵メカニズムのいくつかの指標indexを計測した

我々の発見は次の通りである
(1) 小胞によるドーパミン取り込みと、VMAT2に選択的な標識labelである重水素標識ジヒドロテトラベナジン/[3H]dihydrotetrabenazine は、パーキンソン病で強く減少していた(それぞれ87–90%、71–80%の減少)

(2) ドーパミン神経末端の喪失を修正後、VMAT2のトランスポート箇所によるドーパミンの取り込みはパーキンソン病の線条体と被殻とで有意に減少していた(それぞれ53%、55%の減少)

(3) VMAT2によるトランスポートの欠陥はパーキンソン病に特異的であるように思われた
その理由は、『MPTPによる黒質から線条体への神経変性/nigrostriatal neurodegeneration』が同程度のカニクイザル/Macaca fascicularis(MPTP群7匹、対照群8匹)には、この欠陥が存在しなかったからである

※黒質線条体の/nigrostriatal: 黒質緻密部から線条体(尾状核と被殻)へ向かう線維結合

(4) 小胞の標本preparationにおけるドーパミンの外向き流束の研究efflux studiesと酸性化の計測measurements of acidificationにより、ドーパミン貯蔵の欠陥impairmentはVMAT2タンパク質それ自体に局在することが示唆される

以上から我々は、VMAT2の欠陥defectは、パーキンソン病における黒質線条体ドーパミンニューロンの細胞死につながるメカニズムを促進する早期異常である可能性を提案する



<コメント>
 ドーパミン─(VMAT2)→小胞取り込み

 ドーパミン─(ミトコンドリア外膜/MAO)→DOPAL─(細胞質/ALDH1A1)→DOPAC



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150302121504.htm
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/023441.php
脳のインスリン抵抗性状態では、ドーパミンを分解するMAOAとMAOBという2つの酵素の産生がミトコンドリアで増加してうつ病につながる

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25733901
Insulin resistance in brain alters dopamine turnover and causes behavioral disorders.
脳内でインスリン受容体をノックアウトすると、ミトコンドリアの酸化活性が低下、ROSが増加、線条体striatumと側坐核nucleus accumbensには酸化した脂質とタンパク質のレベルが増大し、MAOAとMAOBが増加してドーパミン代謝が増大した

 インスリン─(インスリン受容体)─┤MAOA,MAOB



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ドーパミンの代謝産物DOPALはドーパミンニューロンを殺す



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