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昔の牛乳の殺虫剤はパーキンソン病の徴候と関連

2016-01-04 06:06:40 | 
Pesticide found in milk decades ago may be associated with signs of Parkinson’s

December 9, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151209183729.htm

1980年台前半より前に使われていた殺虫剤のヘプタクロルエポキシドは当時の牛乳にも含まれ、それがパーキンソン病の徴候と関連するかもしれないという研究が医学雑誌Neurology誌のオンライン版で12月9日に発表された
Neurology誌は米国神経学アカデミーの学会誌である

「先行研究で乳製品とパーキンソン病との関連が発見されている」
筆頭著者で滋賀県大津市にある滋賀医科大学のR. D. Abbott, PhDは言う

「我々は特に牛乳とパーキンソン病の脳の徴候との関連を調べた」


今回の研究ではホノルル-アジア加齢研究に参加した平均年齢53歳の日系アメリカ人Japanese-Americanの男性449人を死ぬまで30年以上追跡し、死後に病理解剖autopsyを実施した
このテストで参加者の脳の黒質substantia nigra領域で脳細胞が失われているかどうかを調べた
そのような喪失はパーキンソン病の症状が現れる数十年前から始まる可能性がある

また、研究者は116の脳でヘプタクロルエポキシドheptachlor epoxideという殺虫剤の残留量を計測した
この殺虫剤は1980年台前半のハワイではパイナップル工業で害虫を殺すために用いられていたが、アメリカではこの頃に禁止されて使われなくなった
この殺虫剤は当時の牛乳中に高レベルで見られ、井戸水からも見つかる可能性もある

研究の結果、非喫煙者で1日2杯より多く牛乳を飲んでいた人は、2杯未満しか飲まなかった人よりも黒質の脳細胞が40%少なかった
どの時点であれ喫煙者だった人に関しては、牛乳摂取と脳細胞喪失との関連は見られなかった
以前の研究で喫煙者はパーキンソン病を発症するリスクが低下することが示されている

ヘプタクロルエポキシドの残留は最も多く牛乳を飲んでいた人たちの90%で見つかり、
対照的に牛乳をまったく飲まない人では63%だった

Abbottは参加者が飲んでいた牛乳にヘプタクロルエポキシドが含まれていたという証拠がないことに言及する
また、彼は今回の研究が殺虫剤や牛乳摂取によりパーキンソン病が引き起こされることを示すものではなく、関連を示しているだけであるとも述べている

「この関連に関していくつかの説明が考えられる。単なる偶然chanceもありうる」
米国神経学アカデミーのメンバーであり編集委員長記を書いた国立環境衛生科学研究所/National Institute of Environmental Health Sciences(NIEHS)のHonglei Chen, MD, PhDは言う

「また、牛乳の消費は研究の開始時に一度だけ計測されたのみである
この計測が、時が経っても参加者の食習慣を表していると推量するしかない」

この論文は疫学研究がどのようにしてパーキンソン病の原因調査に寄与しうるのかという優れた例であるとChenは述べた

今回の研究は、国立老化研究所/National Institute on Aging(NIA)、国立心肺血液研究所、国立神経疾患・脳卒中研究所、陸軍省/Department of the Army、退役軍人省/Department of Veterans Affairs、クアキニ・メディカル・センター/Kuakini Medical Centerのサポートによるものである


http://dx.doi.org/10.1212/WNL.0000000000002254
Midlife milk consumption and substantia nigra neuron density at death.

有機塩素系殺虫剤/organochlorine pesticide



関連サイト
http://www.shiga-med.ac.jp/education/newresearch/main.html
滋賀医科大学の『最新研究論文の紹介』



関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/02/110214115442.htm
殺虫剤のロテノンとパラコートがパーキンソン病と関連



関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/11/121112171050.htm
5分以上の意識消失loss of consciousnessを伴う頭部損傷と殺虫剤のパラコートはパーキンソン病リスクにつながる
 

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