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肥満と結腸癌リスクの関連が明らかにされる

2016-01-21 06:09:46 | 
Link between obesity, increased risk of colorectal cancer revealed

January 15, 2016

http://www.sciencedaily.com/releases/2016/01/160115084806.htm

これまで肥満は結腸癌リスクの増大と関連付けられてきたが、その関係の意味はよくわかっていない
トマスジェファーソン大学を中心とする研究チームはその生物学的な関連を明らかにした上で、
既に承認されている薬剤が癌の発症を防ぐことを研究の過程で突き止めた

Cancer Research誌で発表された研究では、マウスに高カロリーの食事を与えると腸で重要なホルモンの発現が低下し、腫瘍を抑制する経路の活性が失われることが明らかになった
そのホルモンを遺伝子操作により元に戻すと腫瘍抑制経路も再び活性化して、マウスが過剰にカロリーを取り続けた時でさえ癌の発症は防がれた

トマスジェファーソン大学シドニーキンメル医学部/Sidney Kimmel Medical Collegeで薬理学部と実験治療学の教授Chairであり論文の首席著者であるScott Waldman, M.D. Ph.D.によると、
これらの発見はリナクロチド/linaclotide (Linzess)という薬を肥満の患者の結腸直腸癌を予防する治療アプローチとして利用可能にするという
リナクロチドはこの高カロリー食で失われるホルモンと構造的に関連があるからである

※リナクロチド/linaclotide: C型グアニル酸シクラーゼ/guanylate cyclase type-C(GC-C)のアゴニスト

※グアニル酸シクラーゼ: GTPからcGMPとピロリン酸を生成する。細胞外のシグナルや細胞内の一酸化窒素によって活性化される

2012年、アメリカFDAはリナクロチドを便秘を伴う過敏腸症候群/irritable bowel syndrome(IBS)ならびに慢性特発性の(慢性的かつ原因不明の)便秘の治療薬として承認している

「我々の研究は肥満の人々の結腸直腸癌がホルモンの置き換え療法により阻止できることを示唆する
それはホルモン喪失と関連する他の疾患、例えば糖尿病がインスリンで治療可能であるのと同様である」
Waldman博士は言う


「今回の発見は意外なものだった
我々も含めて世界中の研究者は『肥満と結腸直腸癌の発症とのもつれた関連』を解きほぐそうとしてきた/trying to disentangle」

「カロリーは肥満と結腸直腸癌という病態の中心に位置しているが、
では具体的にカロリーが何をしているのかという疑問は癌の研究において最も複雑かつ刺激的な問いだった」

「我々は今や肥満の人々の(おそらくそうでない人々でも)結腸直腸癌の源についての大きな手がかりを得た」
サミュエルMVハミルトン教授職/Samuel MV Hamilton ProfessorでもあるWaldman博士は言う

肥満の人々の結腸直腸癌リスクは、痩せている人々と比較して約50%高い
これまでの科学者たちの考えでは、問題は脂肪組織の量とそれに関連する未知の代謝プロセスが根底にあり、過剰なカロリーが細胞にエネルギーを供給して増殖を刺激するthat fuel cell energy and growthことだとされていた
しかし今回の研究でそれは事実ではないことが明らかになったとWaldman博士は言う

Waldman博士は既に複数施設での臨床試験に参加involvedし、健康なボランティアでリナクロチドの用量と副作用をテストしている
この試験には国立癌研究所、メイヨークリニック、フォックスチェイスがんセンターの研究者が参加participateしている

ハーバードとデュークメディカルスクールの研究者もチームに参加した今回の研究では、遺伝子工学で操作したマウスを使い、様々な食餌を与えて実験を実施した
研究の結果、マウスの肥満はグアニリン/guanylinという腸上皮で作られるホルモンの喪失と関連することが明らかにされた
グアニリンは、受容体のグアニリルシクラーゼC/guanylyl cyclase C (GUCY2C)=グアニル酸シクラーゼ結合C型受容体を活性化して、腸上皮の再生の根底にあるプロセスを調節する

※グアニリン: 15のアミノ酸(SHTCEICAFAACAGC)からなるペプチドホルモン

「腸の上皮は非常に動的で、絶え間なく置き換えられている
GUCY2Cはこの上皮再生に必要とされる重要なプロセスの振り付け/演出構成choreographyに寄与する」


グアニリン遺伝子の不活化はヒトの結腸癌でも動物モデルでも一般的であり、病的morbidlyに肥満の患者は痩せている人と比較してグアニリン遺伝子発現が80%の低下を示すという

研究では喪失の結果として何が起きるのかも明らかになった
グアニリンの受容体は増殖を制御する腫瘍抑制因子として働いており、グアニリンが失われるとその受容体も沈黙した

「これは癌の発症で極めて早くに起きる」
Waldman博士は言う
「受容体が沈黙すると、腸の上皮は機能しなくなり、癌が発症できる状態にする」

彼らはグアニリン遺伝子が阻害されないようにした導入遺伝子transgeneを持つマウスを作成して研究結果をチェックした

「カロリー過剰な状況でさえ、食餌の源が何であれ、腫瘍は発症しなかった」


実験では、肥満のマウスは痩せたマウスと比較してホルモン(グアニリン)とその受容体(グアニル酸シクラーゼ結合C型受容体)を沈黙silenceさせる可能性が高いことが実証された

「結腸直腸癌が発症しようとする時、この沈黙メカニズム/silencing mechanismを通して生じるのだろうと我々は考えている
そしてこれは肥満の人ではより頻繁に起きるだろう」

そのようにWaldmanは言うが、たとえそうでもeven so、ホルモン産生を停止させる正確な分子メカニズムはいまだ不明である

「我々の研究結果の利点は、肥満のマウスではグアニリンホルモンが失われる一方で、その受容体はスイッチを入れられるのをそこでただ待っているということである
加えて、もしホルモンの喪失を阻止できれば腫瘍の発症も防げることを研究は実証する
これらの結果が示唆するのは、リナクロチドのような薬剤がグアニリンのように働いて腫瘍抑制受容体のGUCY2Cを活性化し、
肥満患者の癌を予防するということである」


また、研究者は過剰なカロリー消費の影響がカロリー制限によって無効化reversedされ、それは肥満マウスでさえ同様であることを示した

「ライフスタイルを修正しようという挑戦がされてきたが、やはりnotwithstanding、
カロリー制限がグアニリン発現を復元reconstituteできることを我々の観察は示唆する
これは肥満の人の結腸癌を防ぐための効果的な戦略になるかもしれない」


http://dx.doi.org/10.1158/0008-5472.CAN-15-1467-T
Obesity-Induced Colorectal Cancer Is Driven by Caloric Silencing of the Guanylin-GUCY2C Paracrine Signaling Axis.
肥満により誘発される結腸直腸癌は、グアニリン-GUCY2Cパラクラインシグナル伝達軸のカロリー的なサイレンシングによって駆動される

Abstract
機構的な調査により、肥満は腸上皮細胞において可逆的にカロリー依存的なERストレスならびに小胞体ストレス応答/Unfolded Protein Response(UPR)を誘導して
グアニリン発現をサイレンシングすることが明らかになった

 高カロリー食─(ERストレス/UPR)─┤グアニリン/リナクロチド→グアニル酸シクラーゼ─┤腫瘍



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http://www.sciencedaily.com/releases/2014/10/141010083733.htm
研究者が結腸癌のそれぞれの腫瘍細胞に含まれるグアニリンのmRNAの数を計測したところ、その85%以上で100倍から1000倍低下していた
この結果を確認すべく組織サンプルのスライスでグアニリンを着色したところ、癌のサンプルからはグアニリンはまったく検出されなかった

グアニリンの受容体はGUCY2C(発音は/pronounced "goosy toosy")で、GUCY2Cシグナルは腸管の上皮のターンオーバー(3日で入れ替わる)に重要
結腸癌の多くはグアニリンの消失に応じて受容体のGUCY2Cを過剰発現している
50歳を過ぎると、正常な人でもグアニリンの産生は減少する