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コレステロールとヒスタミンから自然に作られる抗癌剤

2016-01-24 06:06:16 | 癌の治療法
From tamoxifen to dendrogenin A: Discovery of a mammalian tumor suppressor metabolite

First comprehensive review on dendrogenin A

January 16, 2016

http://www.sciencedaily.com/releases/2016/01/160116214912.htm


(デンドロジェニンAは腫瘍抑制性の代謝産物である)

トゥールーズがん研究センターの研究者はデンドロジェニンA/dendrogenin A(DDA)についての包括的なレビューを初めて実施した
デンドロジェニンAはコレステロールとヒスタミンが代謝され結合cross-metabolizationしたステロイド系アルカロイド/steroidal alkaloidであり、重要なことにデンドロジェニンAは腫瘍を抑制する代謝産物である
デンドロジェニンAの発見は広範囲の基礎研究や臨床開発にとって有望なものとなるが、そのような例はヒトの代謝産物としてはまれであり、100年前のオールトランスレチノイン酸の発見以来である

査読者を招待して査読される(invited, peer-reviewed)Current Medicinal Chemistry誌で最近発表された「自然に生じる新たな抗がん剤/Novel anticancer drugs from nature」という論文で
トゥールーズのSandrine Silvente-Poirotたちは論理的根拠rationalを元に計画を考え出してデザインし、デンドロジェニンAを発見してその薬理学的な性質を説明した


彼らは最近、コレステロール代謝に関与する酵素の『コレステロール-5,6-エポキシドヒドロラーゼ/cholesterol-5,6-epoxide hydrolase』が、抗腫瘍剤タモキシフェンtamoxifenの標的であることを明らかにした

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20615952
"Identification and pharmacological characterization of cholesterol-5,6-epoxide hydrolase as a target for tamoxifen and AEBS ligands."


彼らは、コレステロールが酸化されて自然に生じる『5,6α-エポキシコレステロール/5,6α-epoxycholesterol (5,6α-EC) 』が代謝によって変換される新たな代謝経路が存在する可能性を仮定した

5,6α-ECとヒスタミンの結合の産物が合成されてデンドロジェニンA(DDA)が生じ、デンドロジェニンAは低用量で細胞の分化を誘導する能力を強く示した
低用量で作用するということは内因性の代謝産物として存在しうる可能性を示唆する


さらに、腫瘍ではデンドロジェニンAのレベルが非常に低下していることが明らかになり、癌ではデンドロジェニンAの代謝の調節が失われていることが示唆された
マウスに異種移植された腫瘍におけるデンドロジェニンAの欠乏を補うと、低用量で強力な抗癌作用を誘導した
これは細胞の完全性の分化と維持においてデンドロジェニンAが生理的な機能を果たしていることを示唆する

デンドロジェニンAは今までのところ哺乳類で発見された初めてのステロイド系アルカロイドである
この発見により、コレステロールとヒスタミン代謝の交わる場所にある哺乳類の新たな代謝経路の存在が明らかにされた
この経路は代謝により生じる腫瘍抑制因子の産生につながる


http://dx.doi.org/10.2174/0929867322666150716114912
Dendrogenin A: A Mammalian Metabolite of Cholesterol with Tumor Suppressor and Neurostimulating Properties.

Abstract
哺乳類の『コレステロール-5,6-エポキシドヒドロラーゼ/cholesterol-5,6-epoxide hydrolase(ChEH)』は、
発達プログラムを制御する2つのコレステロール産生酵素cholesterogenic enzymeのヘテロ重合複合体/heterooligomeric complexである

この複合体を同定した後、
5,6α-エポキシコレステロール/5,6α-epoxycholesterol (5,6α-EC) を中心とする新たな代謝経路の存在が仮定された

ChEHと相互作用することが知られている生体アミンbiogenic amineと、5,6-ECとが結合した産物が合成された

※生体アミン: アミノ酸が脱炭酸されて生じるアミン。例として「チロシン→アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン」「ヒスチジン→ヒスタミン」「トリプトファン→セロトニン」など

その構造に従ってaccording to their structures、
これらのステロイド系アルカロイドは低用量で細胞分化を誘導するという特殊な効能specific potencyを示した
このことはそれらが代謝産物として存在する可能性を示唆している


これらの化合物の一つであるデンドロジェニンA/dendrogenin A(DDA)は、最近哺乳類の組織中に発見された

デンドロジェニンAは酵素による立体選択的stereoselectiveな 5,6α-エポキシコレステロールとヒスタミンの結合conjugationから生じるが、
その酵素は今までのところ同定されていないas-yet-unidentified


デンドロジェニンAは複数の正常な臓器の組織から検出されたが癌細胞からは検出されず、
そのレベルは乳癌患者の腫瘍で低下していた
これは発癌におけるデンドロジェニンA代謝の調節異常を証明する

また、デンドロジェニンAはマウスにインプラントされた腫瘍細胞の増殖を制御し、その生存を改善することが可能である
加えて、デンドロジェニンAは難聴deafnessの前臨床モデルにおいて聴覚を回復した
デンドロジェニンAのこれらの生物学的な性質とその腫瘍でのレベル低下は、デンドロジェニンAが細胞の完全性と分化の維持において生理的機能を果たすことを示唆する


デンドロジェニンAはこれまでのところ哺乳類で見つかった初めてのステロイド系アルカロイドである
この発見は、コレステロールとヒスタミン代謝の交わるところに存在する新たな哺乳類の代謝経路の存在を明らかにする
その経路から腫瘍抑制因子や神経保護薬が代謝的に作られる


関連論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23673625
Dendrogenin A arises from cholesterol and histamine metabolism and shows cell differentiation and anti-tumour properties.
デンドロジェニンAはコレステロールとヒスタミンの代謝から生じ、細胞分化と抗腫瘍性を示す

Abstract
我々は以前デンドロジェニンAを合成し、それが哺乳類において自然に生じる代謝産物でありうると仮定した
デンドロジェニンAはコレステロールエポキシドヒドロラーゼ/cholesterol epoxide hydrolaseを選択的に阻害する
デンドロジェニンAは腫瘍の再分化を引き起こしてマウスの腫瘍増殖を制御し、マウスの生存を改善した


<コメント>
アレルギーとがんの関連



関連サイト
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=43833&-lay=lay&-Find
ヒスタミンは骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の活性化・生存・増殖を誘導し、免疫系を抑制して腫瘍の増殖を促進する。
また、MDSCは肥満細胞に向かって移動する傾向があるため、肝臓や腫瘍などの炎症部位にMDSCが移動する助けとなる。