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進行性の前立腺癌でYAP1-CXCL5-MDSCを標的にする

2015-12-27 06:06:55 | 
Immune suppressor cells identified for advanced prostate cancer

Study reveals MDSCs as likely target for therapy development

December 21, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151221133834.htm

免疫を抑制する細胞であるMDSC (骨髄由来免疫抑制細胞/myeloid-derived suppressor cells) は進行性前立腺癌の治療の開発で重要である可能性がテキサス大学アンダーソンがんセンターの研究で示された


過去の多くの研究でMDSCと腫瘍との間の直接のつながりが実証されてきたが、
腫瘍の進行、特に前立腺癌におけるMDSCの役割の理解は大部分が推論的なままである

WangとDePinhoの研究チームは前立腺癌患者の腫瘍サンプルと新しいマウスモデルとを用いて、
MDSCが枯渇すると腫瘍進行は抑制されることを示した

彼らはさらに、細胞のシグナル伝達経路であるHippo-Yap1がケモカインのCxcl5を調節することを明らかにした
Cxcl5は癌と関連するケモカインであることが同定され、これがCxcr2を発現するMDSCを呼び寄せてリクルートする

研究チームはCxcr2を小分子により阻害することで腫瘍進行を遅らせることが可能であることを示し、
腫瘍でYap1の発現をサイレンシングすることでMDSCの浸潤を減少させて腫瘍の増大を阻止できることを実証した

「薬理学的にMDSCを取り除くかCxcl5-Cxcr2シグナル伝達経路を阻害すると、in vivoで強い抗腫瘍応答が引き起こされて生存期間が延長する」
DePinhoは言う
「MDSCのリクルートか浸潤のどちらかを標的にすることは、進行性の前立腺癌の治療において有効validな治療の機会となりうるかもしれない」

WangはMDSCの不活化と免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法(抗CTLA4, PD1, PD-L1)とを組み合わせたさらなる研究が必要だと考えている



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/27b0095ed74dd85fbf10b1dabd646605
腫瘍のFAKはCCL5を転写させ、TregをリクルートしてCD8+Tを回避する



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/cbf111914ff2c4fd3ce03a5dfc6baf92
周皮細胞の減少により腫瘍のIL-6の発現が上昇し、MDSCがリクルートされてCD8+Tを回避する



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/04/150429132753.htm
化学療法は小さい前立腺腫瘍にはよく効くが、大きい前立腺癌は免疫応答を抑制し、化学療法にもかかわらず癌は増殖する
進行した前立腺癌に化学療法もチェックポイント阻害剤による免疫療法も効かない理由の一部は、免疫を抑制するB細胞による

http://dx.doi.org/10.1038/nature14395
Immunosuppressive plasma cells impede T-cell-dependent immunogenic chemotherapy
免疫抑制プラズマ細胞は、T細胞に依存的な免疫性の化学療法を阻害する

CXCL13で前立腺腫瘍にリクルートされたB細胞/プラズマ細胞はリンフォトキシンを産生して、癌幹細胞のIKKα-BMI1モジュールを活性化し、T細胞に依存的な免疫性の化学療法を阻害して去勢抵抗性前立腺癌の進行を促進する



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150316121925.htm
同じ癌細胞を浸潤的にもそうではないようにもできるが、それはこのHippo経路が活性化しているかどうかに依存的である
浸潤する癌細胞は浸潤しないがん細胞と遺伝子的には同じであり、違いはHippo経路が活性化しているかどうかである

http://dx.doi.org/10.1038/onc.2015.44
Cell growth density modulates cancer cell vascular invasion via Hippo pathway activity and CXCR2 signaling.
細胞増殖密度はHippo経路の活性ならびにCXCR2シグナル伝達を通じて癌細胞の血管浸潤を調整する

血管浸潤表現型は、YAP依存的なケモカインIL-6, IL-8, CXCL1, CXCL2, CXCL3の上方調節と関連があった