機械翻訳2

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無痛症を再現する調合レシピを発見

2015-12-07 06:09:39 | 
Genetically modified mice reveal the secret to a painless life

Researchers have discovered the pharmaceutical recipe for painlessness

December 4, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151204090034.htm

生まれながらに痛みを感じることができない人が存在する
彼らはまれな遺伝子変異を持つが、この変異による影響を薬剤により再現しようとした試みは驚くほど成功していない

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン/University College Londonの研究者は
医学研究会議/Medical Research Council (MRC) とウェルカム・トラストの資金提供を受けて
ヒトと同じ変異を持つように修飾modifiedしたマウスで研究を行い、無痛painlessnessの処方/レシピrecipeを発見した


神経細胞の細胞膜にシグナルを伝えさせる『チャネル』は、神経系における電気的なシグナル伝達にとってきわめて重要である
2006年、ナトリウムチャネルのNav1.7が痛みを伝える経路において特に重要であり、Nav1.7が生まれつき機能しない人々は痛みを感じないことが示された
その発見以降Nav1.7の阻害剤が開発されてきたが、その効果は弱く、失望させるものだった

Nature Communicationsで発表された今回の研究で、
Nav1.7を持たないヒトとマウスは自然に生じるオピオイドペプチドレベルの産生も通常より高いことが明らかにされた

オピオイドが無痛に重要かどうかを調べるために研究者がNav1.7を持たないマウスにオピオイド拮抗薬のナロキソンを与えたところ、そのマウスは痛みを感じることが可能になった
研究者が次にNav1.7のまれな変異を持つ39歳の女性にナロキソンを投与すると、彼女は人生で初めて痛みを感じたという


「これまで10年間の薬の試験はかなり失望させるものだったが、
我々はついに、Nav1.7が本当にヒトの痛みに重要な要素であることを確認した」
首席著者のJohn Wood教授 (UCL Medicine)は言う

「これまで秘密だった成分ingredientは、昔からあるold-fashionedオピオイドペプチドであると判明した
我々は現在、低用量のオピオイドをNav1.7阻害剤と組み合わせる方法の特許を提出しているfiled a patent
これはまれな変異を持つ人々が経験するような無痛を再現するはずであり、
我々は既に遺伝子を修飾しないunmodifiedマウスでこのアプローチをテストして成功している」


広域broad-spectrumのナトリウムチャネル阻害剤が局部麻酔local anaestheticsとして使われているが、
それらは完全なしびれ感/麻痺numbnessを引き起こし、やがてover time深刻な副作用が生じうるために痛みの長期の管理には適さない
対照的に、機能するナトリウムチャネルNav1.7を生まれつき持たない人は、
副次的作用side-effectとしてまだなお痛みのない触覚を正常に感じ、匂いを感じることができないことが知られるのみである

モルヒネのようなオピオイド鎮痛剤は痛みの抑制には非常に効果的だが、長期の使用は依存性と耐性toleranceにつながる
体が薬に慣れるusedにつれて効果が弱くなり、同じ効果を得るために高用量が必要になる
副作用はより強くなり、最終的にまったく作用しなくなる

「Nav1.7阻害剤と組み合わせて使うことで、痛みを抑えるために必要とされるオピオイドの用量は非常に少なくなる」
Wood教授は言う
「Nav1.7が機能しない人々は低レベルのオピオイドを生涯作り続け、耐性を生じたり不快な副作用を経験することはない
我々はこのアプローチを2017年までにヒトでの臨床試験で調べたいと考えている」


今回の発見は『トランスジェニック』なマウスを使うことで可能になった
つまり、他の生物の遺伝子要素を持つように修飾したということであり、
この場合はヒトが痛みを感じるのを妨げる変異である

正確な生理学的実験により、トランスジェニックマウスの神経系には
同腹litterの仔で遺伝子が修飾されていないマウスと比べて、自然に生じるオピオイドが約2倍含まれていることが示された


http://dx.doi.org/10.1038/ncomms9967
Endogenous opioids contribute to insensitivity to pain in humans and mice lacking sodium channel Nav1.7.

Nav1.7の消去は遺伝子発現に深い影響を与え、
結果としてエンケファリンの前駆体であるPenkのmRNAならびにメチオニンエンケファリン(Met-enkephalin)が上方調節された

※エンケファリン/enkephalin: 5つのアミノ酸からなるペンタペプチドのメチオニンエンケファリン、ロイシンエンケファリンを含む4種類がある

関連サイト
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB
侵害受容に関わる一次知覚ニューロンに発現しているNav1.7の変異は、先天性無痛症(congenital insensitivity to pain, CIP)などに関わっている。
これまで知られているCIPを引き起こす変異はすべてNav1.7をコードする遺伝子の途中に終止コドンが挿入され、チャネルとしての機能を喪失することが分かっている[22]。

[22] "Sodium channelopathies and pain."


関連サイト
http://www.nanbyou.or.jp/entry/2351
先天性無痛症は遺伝性感覚・自律神経ニューロパチー(HSAN)に属する疾患で、このうち
4型(先天性無痛無汗症:Congenital Insensitivity to Pain with Anhidrosis:CIPA)と
5型(先天性無痛症:Congenital Insensitivity to Pain:CIP)
が相当する。全身の温痛覚消失を主徴とする。CIPAでは全身の発汗低下を合併し、種々の程度の知能低下を合併することがある。