機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年7月3日

2014-07-08 23:42:07 | 癌の治療法

脳ガン手術を助けるツール



Purdue大学は、脳外科医が癌の組織をテストして正確に取り除くのを助けるためのツールを開発した。

このツールは荷電された溶媒の微視的な流れを組織面上に吹き付け、分子の構造に関する情報を集める。

そして色分けされた像を作り出し、腫瘍細胞の位置、性質、そして濃度を明らかにする。



「この技術はほんの数秒で分子の情報を提供する。それにより、普通なら残存するはずの腫瘍を感知することができる」、Purdue教授のR. Grahamコックは言う。

「測定器は比較的小さく、そして安価で、脳神経外科医を援助するために手術室に容易に取り付けることができる。」



現在の外科手術は、外科医の訓練された眼に依存している。彼らは事前に実施されるスキャン画像と、手術用の顕微鏡、そして画像診断の助けを借りて手術を行う。

「腫瘍の終わりと正常な組織の始まりを区別することは難しい。脳腫瘍は通常の組織ときわめて類似して見える。」



質量分析法ベースのツールは手術中に切除される組織中の脂質を評価することにより、癌のタイプとグレード、そして標本の腫瘍の縁を正確に決定できることが以前に示されていた。

今回の研究では脳ガンのバイオマーカーと考えられる分子(2-ヒドロキシグルタル酸; 2-hydroxyglutarate)を評価することによって1歩深い分析を実施した。

「質量分析法により、このバイオマーカーの情報の全てがほんの数分で、手術を中断することなく生検から得ることが可能である。」

このバイオマーカーは神経膠腫の70パーセント以上と関連していて、腫瘍を分類するのに用いることができるとコック教授は言う。



質量分析法では分子は帯電してイオンに変えられ、その質量によって物質を特定することができる。

コックと彼の同僚によって開発された新しいツールは、脱着エレクトロスプレーイオン化(desorption electrospray ionization; DESI)というアンビエント質量分析法(ambient mass spectrometry analysis technique)を利用する。

DESIはイオン化を質量分析計の外側で表面に直接生じさせ、サンプルの化学的操作の必要性と、イオン化のための真空チャンバーにおける封じ込めを排除する。

プロセスは非常に単純で高速であり、外科的装置に応用しやすい。

癌の異なるタイプに対するさらなる分類方法と代謝産物バイオマーカーがツールに加えられる可能性がある、とコックは述べた。

学術誌参照:
1.脳腫瘍手術を導くonco-代謝産物の手術時の質量分析法マッピング。

Proceedings of the National Academy of Sciences、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140703102959.htm

<コメント>
手術室でリアルタイムに質量分析を実施して、バイオマーカーとなる代謝産物により癌と正常な組織を区別することが可能になるという記事です。



2014年7月3日

2014-07-08 12:23:32 | 代謝

『好ましい』肥満についての説明



肥満であるとされる人の4分の1は、代謝的に健常で、2型糖尿病を発症する危険が高くない。

肥満は糖尿病の重大なリスク因子だが、2つの条件は必ずしも連鎖していない。

学術誌Cellで7月3日に発表される研究によれば、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)という分子のレベルが高い肥満の人は代謝性健康が劣っており、2型糖尿病のリスクの増加と関連がある。



肥満でインスリン抵抗性の高い人は、肥満でも代謝的に問題がない人と比較して、肝臓と脂肪組織の生検でHO-1のレベルが高いことを研究者は発見した。

研究者がマウスでマクロファージのHO-1遺伝子を削除すると、炎症の分子の徴候は減少した。このことはHO-1が炎症を促進することを示唆する。

さらに、肝臓またはマクロファージのHO-1遺伝子を欠失させたマウスは、高脂肪食を与えられても肝機能は良好で、インスリン感受性は増大した。

学術誌参照:
1.ヘム・オキシゲナーゼ-1は、マウスと人でMetaflammation(慢性的な代謝性炎症)とインスリン抵抗性を引き起こす。

Cell、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140703125528.htm

<コメント>
肥満の人でもHO-1が発現していない人はインスリン抵抗性や慢性的な炎症が起きず、代謝的には健康であるという研究です。

逆に言うと、痩せていてもHO-1が発現している人は不健康ということになるのかもしれません。




2014年7月3日

2014-07-08 11:48:21 | 代謝

骨髄の脂肪組織は、健康の維持を助けるホルモンを分泌する



ミシガン大学が主導の研究は、骨髄の脂肪組織がアディポネクチン・ホルモンの重要な供給源であることを示す。

アディポネクチンはインスリン感受性の維持を助け、脂肪の分解を促進する。

さらに心血管疾患と糖尿病ならびに肥満関連癌のリスクの減少と関連付けられてきた。


「骨髄の脂肪組織はポジティブで保護的な役割があり、骨以外の組織の適応機能に影響するかもしれない。

少なくとも、カロリーを制限している間は」、シニア著者のOrmond MacDougald, Ph.D.は言う。



アディポネクチンの高いレベルは、糖尿病と心血管疾患のリスクの減少と関連がある。

痩せている人と比較して、肥満の人々はアディポネクチンのレベルが最も低い。つまり、そのような疾患を発病するリスクが増大する可能性がある。

問題だったのは、アディポネクチンは脂肪組織で作られるのにも関わらず、体脂肪が減少するにつれてアディポネクチンが増加する理由であった。



以前の研究は末梢の白色脂肪組織に焦点を合わせていた。アディポネクチンの唯一の供給源であると考えられていたからである。

新しい研究は、骨髄の脂肪組織がカロリー制限の間のアディポネクチンの供給源であることを発見する。

そして骨髄の脂肪組織は、体重が減少するにつれて増加する。

学術誌参照:
1.骨髄脂肪組織は、カロリー制限中の循環血中アディポネクチン増加に寄与する内分泌器官である。

Cell Metabolism、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/03/140320173158.htm

<コメント>
カロリーを制限すると骨髄の脂肪組織は減るどころかむしろ増えて、アディポネクチンが増加するという研究です。

脂肪細胞が小さくなると有益なホルモンが分泌されるんだろうと思ってましたが、こういうこともあるんですね。