機械翻訳2

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2014年7月25日

2014-07-26 15:54:18 | 代謝

2型糖尿病と肥満を理解するための新しい脳経路



テキサス大学(UT)南西メディカル・センターの研究者は、脳がどのように体重とエネルギー消費、そして血糖値を調節するかについての理解につながる神経の伝達経路を特定した。

自律神経系を制御するニューロンは、メラノコルチン4受容体(MC4R)を発現することが明らかになった。このことはグルコース代謝とエネルギー消費の調節において重要である、とジョエルElmquist博士は言う。

「多くの先行研究は、MC4Rがエネルギー消費とブドウ糖ホメオスタシスの重要な調節因子であることを証明した。しかし、これらの反応の調整に必要とされる鍵ニューロンは不明だった」

「今回の研究で、我々はニューロンによるこれらの受容体の発現を発見した。このニューロンは交感神経系を制御し、代謝の重要な調節因子であるようだ。

特に、これらの細胞は血糖値を調整し、白色脂肪が『褐色またはベージュの』脂肪細胞になる能力にも関与する。」



研究チームは、マウスモデルで交感神経系を制御するニューロンのMC4Rを削除した。

この操作はエネルギー消費を低下させ、その後マウスは肥満と糖尿病になった。

この発見は、MC4Rがグルコース代謝、エネルギー消費、そして体重の調整に必要であることを示す。この調節には、食事と寒さへの曝露による熱発生反応が含まれる。



2006年、Elmquist博士はハーバード医科大学院のブラッド・ローウェル博士のチームと協力して、脳の他の領域のMC4Rがエネルギー消費でなく食物摂取を制御することを発見した。

Elmquist博士のチームは将来、メラノコルチン受容体がどのように白色脂肪組織の「ベージュ化(beiging)」につながる可能性があるかを研究する予定だ。

ベージュ化は、白色脂肪をエネルギー燃焼する褐色脂肪組織に変換するプロセスである。

学術誌参照:
1.自律神経ニューロンのメラノコルチン4受容体は、熱発生と血糖を調整する。

Nature Neuroscience、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140725163500.htm

<コメント>
Melanocortin 4 receptor(MC4R)のリガンドはPOMCの産物の1つα-MSHですが、そのMC4Rが自律神経を制御するニューロンに発現して血糖値や発熱を調節しているという記事です。

α-MSHの元となるPOMCは、レプチンによって刺激されFoxO1によって抑制されることが知られています

結腸直腸癌の遺伝子突然変異の『サイン』: 診断と治療を進歩させるかもしれない発見

2014-07-26 10:46:00 | 
'Signatures' of genetic mutations in colorectal cancer: Discovery may advance diagnosis, treatment

2014年7月22日

https://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140722091723.htm

ヴァンダービルト大学の研究チームは、結腸直腸癌を引き起こす遺伝子突然変異の『タンパク質のサイン』を特定した。

ヒトの癌に関する初めての統合的「プロテオゲノム」による特徴描写は、疾患を診断して治療する際に新しい前進を可能にする。



プロテオミクスはタンパク質についての研究である。癌と関連する多くの遺伝子の突然変異が特定されてきたが、癌の機能を実際に実行するタンパク質の構造と機能を分析することは、これまでは難しかった。

今回研究者は高度な質量分析の技術を使用してヒトの結腸直腸腫瘍の95のサンプルのプロテオミック・データを集めたが、そのサンプルは以前、がんゲノムアトラス/The Cancer Genome Atlas(TCGA)によって特徴を記述されたものである。

このアトラス(地図帳)は、癌の遺伝子異常を特定するために連邦によって資金助成された計画である。



「プロテオミクス・データを既存のゲノム・データの膨大な量と統合することは、気が重い作業である」、生物医学インフォマティックスの准教授、ビング・チャン博士は言う。

「しかしそれは、データを新しい洞察に変えるための鍵でもある。」



DNAはメッセンジャーRNAに「転写」され、そしてタンパク質に「翻訳」される。

にもかかわらず、遺伝子やRNAの異常は、必ずしも異常なタンパク質に翻訳されるというわけではない。

それはつまり、タンパク質の発現を調べるプロテオミクスによって、最も「インパクトの強い」遺伝子の異常を特定して優先順位を決定しやすくなるということが示唆されるということである。


研究者がタンパク質の量に基づいて大腸癌の5つのサブタイプを特定した結果、その1つは転帰不良と関連していた。

学術誌参照:
http://dx.doi.org/10.1038/nature13438
Proteogenomic characterization of human colon and rectal cancer
ヒト結腸直腸癌のプロテオゲノム特徴描写

Nature、2014;

<コメント>
どんな遺伝子の異常があっても、タンパク質に翻訳されなければ機能しません。今回プロテオミクスによりその実態の一端が明らかになったという記事です。

Abstractによれば、mRNAとタンパク質の両方の変化が見られたのは、HNF4ATOMM34SRCの3つでした。

HNF4Aはクローン病や潰瘍性大腸炎との関連が示されているようです。

http://www.nature.com/gene/journal/v13/n7/full/gene201237a.html