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2014年7月14日

2014-07-19 23:24:00 | 癌の治療法

腫瘍の増殖と転移を制御する新しい配合剤



カリフォルニア大学デイビス、マサチューセッツ大学、そしてハーバード医科大学院の研究者は、腫瘍増殖と転移を制御する配合剤を開発した。

セレブレックスのようなCOX-2阻害剤と、可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase; sEH)阻害剤、その2つを組み合わせた薬は、血管形成を制御する。

「我々は数年間、COX-2阻害剤とsEH阻害剤の影響をそれぞれ単独または組合わせた形で研究していた」、UCデイビスのブルース・ハンモック教授は言う。

「我々が驚いたのは、COX-2とsEHを二重に阻害する薬剤は、それぞれの阻害剤を多く投与した場合よりも活性が強かったことだ。それは、それぞれ単独、またそれらの組み合わせよりもである。

2つの分子を1つに組み合わせることは、いくつかの疾患に対して非常に大きな効力があった。そして、腫瘍増殖と転移を妨害する作用に関してはまったく類がない。」



COXとsEH酵素は脂質シグナル伝達を制御する。そして炎症、細胞移動、増殖、高血圧など多くのプロセスと関連づけられてきた。

COX阻害剤は、炎症性脂質、および痛み誘導脂質の産生を妨害する一方で、sEH阻害剤は抗高血圧、抗炎症、および鎮痛性の化合物であった。

そしてCOX阻害剤とsEH阻害剤は以前、炎症と神経障害性疼痛の低下において協力することが発見されていた。

研究チームはそれぞれを単独でテストした後、複合COX-2/sEH阻害剤(PTUTB)を合成することに初めて成功した。

彼らはヒトの肺癌と乳癌に対して、インヴィトロとマウスで二重阻害剤をテストした。

PTUTBは血管形成を妨害し、血管形成に重要である内皮細胞の増殖を阻害した。

PTUTBは腫瘍増殖と転移も制限し、肺癌と乳癌の成長を70から83パーセント低下させた。



UCデイビスの腎臓病学教授Robert Weissは、この配合剤が最小の副作用で結果を達成し、心血管または胃腸への影響もないと付け加えた。

「COX-2阻害薬を投与する際に、このことは特に重要である。この阻害剤には心血管リスクがあることで有名だ」、彼は言った。

「しかし、sEH阻害剤の追加は、COX-2阻害剤の副作用を妨害するようだ。」

学術誌参照:
1.シクロオキシゲナーゼ-2と可溶性エポキシド加水分解酵素の二重阻害は、初期腫瘍の増殖と転移を相乗作用で抑制する。

PNAS 2014年7月;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140714213658.htm

<コメント>
シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase; COX)-2と可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase; sEH)の二重阻害剤PTUTBは、血管の形成を阻害して癌の増殖と転移を抑制するという記事です。

Abstractを見ると、COX-2阻害剤はプロスタグランジン(Prostaglandin; PG)を抑制し、sEH阻害剤はエポキシエイコサトリエン酸(epoxyeicosatrienoic acid; EET)を増加させるとあります。



ところで、ブルース・ハンモック教授のかかわった研究に次のようなものがあります。

http://www.pnas.org/content/111/22/8167.abstract

>Protection from hypertension in mice by the Mediterranean diet is mediated by nitro fatty acid inhibition of soluble epoxide hydrolase

これによると、可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)は10-ニトロ-オレイン酸(10-nitro-oleic acid; NO2-OA)のような親電子的脂質(electrophilic lipid)によって阻害され、高血圧を抑制します。
このことが、亜硝酸塩と不飽和脂肪酸の豊富な地中海食が健康に良いとされる理由の1つかもしれないと推測しているようです。




そしてWikipediaを見ると、オリーブオイルのオレオカンタールという成分はCOXを阻害するそうです。