機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年7月25日

2014-07-28 22:43:08 | 

夜の真っ暗闇は乳癌治療の成功の鍵




夜間に光に当たるとメラトニンホルモンの夜間の産生が妨げられ、乳癌はタモキシフェンに対して完全に抵抗するようになることが、チューレイン医科大学の研究者によって明らかになった。

チューレイン大学概日性癌生物学グループのスティーブン・ヒルたちはヒトの乳癌細胞をラットへと移植し、タモキシフェンの効果に与えるメラトニンの影響を調査した。

「研究のファースト・フェーズにおいて、我々はラットを数週間、毎日、明るい/暗いサイクルに保った。そのサイクルは12時間の光と、その後の12時間は真っ暗闇というものである(メラトニンは暗いフェーズの間に上昇する)」、ヒルは言う。

「次にラットを毎日、同じように明るい/暗いサイクルにさらしたが、12時間の暗いフェーズの間、夜にとても薄暗い光を浴びせた。薄暗い光でもメラトニン濃度は抑制され、この薄暗さはドアの下から来るかすかな光とほぼ等しい。」



メラトニンはそれ自体が腫瘍の形成を遅れさせ、著しく腫瘍の成長を遅らせた。

しかし、夜の完全な暗さによる高レベルのメラトニンと同時にタモキシフェンを投与すると、ラットの腫瘍は劇的に退行(regression)した。

夜間に薄暗い光に曝露させてメラトニンを与えたラットでも、同様に腫瘍は退行した。

「夜の高いメラトニン濃度は、乳癌細胞を『眠り』に至らせた。それは重要な成長メカニズムをオフにすることによる。これらの細胞はタモキシフェンに弱い。

しかし、ライトがついてメラトニンが抑制されると、乳癌細胞は『目覚めて』、タモキシフェンを無視する」、Blaskは言う。

学術誌参照:
1.夜の光への曝露による概日性およびメラトニン中断は、乳癌でタモキシフェン治療に内因的な抵抗性を引き起こす。

Cancer Research;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140725080408.htm

<コメント>
わずかな光でもメラトニンの産生が阻害されて、乳癌の成長につながるというものです。

関連記事には、夜のシフトワークが癌のリスクを上昇させるというものがあります。

http://www.sciencedaily.com/releases/2013/07/130701190203.htm

>Long term night shifts linked to doubling of breast cancer risk

http://www.sciencedaily.com/releases/2013/03/130315074722.htm

>Night shifts may be linked to increased ovarian cancer risk


メラトニンの効果についての関連記事もあります。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/01/140128103117.htm

>Melatonin shows potential to slow tumor growth in certain breast cancers

2014年7月23日

2014-07-28 21:16:13 | 

東アジアの女性で乳癌と関連する遺伝子が発見される



乳癌の遺伝子の危険因子に関するほとんどの研究は、ヨーロッパを祖先とする女性に焦点を合わせてきた。

今回Qiuyin Cai医学博士たちは、22,780人の乳癌の女性と24,181人のコントロール群でGWASを実施した。

女性たちは中国、日本、韓国、マレーシア、そしてシンガポールを含むアジア諸国の14の研究からリクルートされた。

「乳癌のリスクと関連するDNA塩基配列の変化は、PRC1とZC3H11Aという2つの遺伝子と、ARRDC3遺伝子の近くで見つかった」、Caiは言う。

「それらの配列変化の2つは、近くの遺伝子の発現を調整するゲノム位置である。」



以前の研究では、ARRDC3は乳癌の成長と、PRC1は低い生存率と関連していた。

乳癌におけるZC3H11Aの役割は知られていない。

学術誌参照:
1.東アジア人におけるゲノムワイド関連分析は、乳癌感受性の遺伝子座を1q32.1、5q14.3、15q26.1に特定する。

Nature Genetics、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140723111135.htm

<コメント>
ARRDC3インテグリンβ4を抑制し、PRC1(protein regulator of cytokinesis 1)は細胞質分裂(cytokinesis)に関与するタンパク質だということです。

ZC3H11Aは近視(myopia)や高血圧と関連しますが、乳癌との関連は不明です。


2014年7月23日

2014-07-28 05:01:38 | 

癌の遺伝的性質:
最終的にノンコーディングDNAはデコードされる




癌の遺伝的な原因が長い間検討されてきたが、研究者はこれまで、ゲノムのノンコーディング領域の役割を評価することができなかった。

ジュネーブ大学(University of Geneva; UNIGE)の遺伝学者は、結腸直腸癌の組織を研究することによって、この未踏だが重要なゲノムの部分をデコードすることに成功した。



これまで癌の遺伝子的な基礎は、ゲノムのコード化領域だけで調べられてきた。

しかしそれは全体の2%である。そして残りの98%は決して不活性ではない。

UNIGE医学部のEmmanouil Dermitzakis教授と彼の研究チームは103例の結腸直腸癌患者の健康な組織と腫瘍組織の間のRNAを比較し、癌の発症に影響を与えるような調節性の要素を、巨大なノンコーディング区分で探索した。

その目的は、癌組織だけに存在し、癌を誘発する後天的な突然変異の影響を特定することであった。

癌患者のノンコーディング・ゲノムを調べることは、このスケールでは最初の研究である。



その結果、研究チームは結腸直腸癌の発症に影響する2種類のノンコーディング突然変異を特定した。

その一方で、健康な組織では活性がないが、腫瘍では活性化されて癌の進行に寄与するように思われる遺伝調節性の異型を発見した。

これは我々のノンコーディング領域を含めたゲノム全体が、癌の発病のしやすさに影響を及ぼすだけでなく、その進行に対する影響も有することを示す。



Halit Ongenは説明する。

『ノンコーディング・ゲノムに位置する癌の発症と進行の原因となる要素は、ゲノムのコード化領域のそれと同程度重要である。

従って、全ゲノムで遺伝子の要素を分析することは、結腸直腸癌の背後にある遺伝的性質についてずっと総合的な知識を我々に与える』、

学術誌参照:
1.結腸直腸癌における推定上のシス調節性ドライバー。

Nature、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/07/140723131247.htm

<コメント>
シス(cis)は「こちら側」という意味で、調節される遺伝子と「同じ側」のノンコーディング領域です。