初めての胃腸マイクロバイオーム調整薬であるNM504は血糖を改善する
まだ名前が付けられていないNM504は、胃腸マイクロバイオーム調整薬(gastrointestinal microbiome modulator)という新しい分類の治療薬では最初のものである。
胃腸のマイクロバイオーム(消化器系における微生物とそれに関連する身体的・化学的ファクターの混合)は、人体の代謝を調節することにおいて重要な役割を果たすかもしれないと考える研究者がいる。
「我々は現代の西洋型の食事が2型糖尿病の発症に寄与すると考えているが、それは腸に住んでいる微生物を置き換えるからである」、MicroBiome Therapeutics主任研究員のマーク・ハイマン博士は言う。
ハイマンによると、NM504は胃腸の細菌と他の微生物(微生物叢と呼ばれる)、そしてその環境を置き換えて健康を改善することができるように設計されている。
NM504には生物活性のある食品成分(イヌリン、線維、ベータ-グルカン、そしてポリフェノールなどの抗酸化物質化合物)が濃縮されて含まれているという。
ハイマンと同僚は28人の糖尿病前症の成人で研究を行った。
ブドウ糖負荷テストでの120分後と180分後の血糖値は、プラセボ群よりもNM504群で著しく低かった。
NM504は試験中のインスリン感受性を増加させ、食欲も減少させた。
記事ソース:
上記の記事は、Endocrine Societyにより提供される材料に基づく。
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140623120414.htm
<コメント>
食物繊維や抗酸化物質を組み合わせた胃腸マイクロバイオーム調整薬(GI microbiome modulators)が糖尿病の治療薬として開発されているという内容です。
少し前にも、1型糖尿病の幼児の腸内細菌が健康な幼児とは異なるという記事がありました。
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/9511d3372d8ee41a0fbeb937fbf108e4
>腸にとっての理想的なシナリオは、発酵産物である酪酸塩を産生する細菌の適切なバランスを持つことであると著者は考察する。
>「我々は、果物と野菜で高い食事が最善であると思う。なぜならこれらは繊維/複合糖質が豊富であり、酪酸塩の産生種は繊維分解者(fibre degraders)との相互の栄養補給関係を経て、間接的にそれらに依存しているからである。」