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2014年6月10日

2014-06-20 05:23:27 | 

炭水化物を制限することは、IGF1受容体が陽性の女性で乳癌再発を低下させる可能性がある



ダートマスの研究者は、腫瘍組織のIGF-1受容体が陽性である女性では炭水化物の摂取量の低下が乳癌リスク再発を低下させる可能性があることを発見した。

筆頭著者でダートマス大学ガイセル医学部のジェニファーA. Emondは言う。

「インシュリン/インスリン様成長因子という軸は血液でIGF1の有効性を増加させるが、その過剰な活性化は乳癌生存者の間で予後不良に関するものかもしれないことを、いくつかの証拠は示唆する」



本研究では、腫瘍成長に関係する2つの因子 - 炭水化物の摂取量とIGF1受容体ステータス - を組み合わせた関連を評価した。

炭水化物がIGF1の濃度を上昇させる可能性がある生物学的経路を促進するので、研究者は炭水化物の摂取量に焦点を合わせた。

彼らが調べた女性は、2001~2007年に行われたWomen's Healthy Eating and Living(WHEL)研究という大規模な介入試験の一部であった。



「我々は、原発性乳癌腫瘍のIGF1受容体が陽性だった女性は、乳癌の再発が増加するという関連を発見した。それは他の研究と一致している」、Emondは言う。

「我々は更に、炭水化物の摂取量の減少が、乳癌再発の減少と関連していることがわかった。」

彼女は次の点を強調する。

「アメリカ癌学会(AACR)とアメリカがん協会によって示唆されるように、乳癌生存者は植物ベースの食事構成に従い続けるべきである。

それは線維の豊富な多くの野菜とマメ科植物、そして果物を食べることを意味する; 全粒粉は消費するが、精製した穀物、澱粉質の野菜、添加糖は制限する。」

学術誌参照:
1.炭水化物の摂取量ならびにIGFI受容体の組織発現と関連する乳癌リスク再発。

癌疫学バイオマーカ及び予防(2014);

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140610122020.htm

<コメント>
WHEL(Women's Healthy Eating and Living Study)は、1995年から2000年までの食事介入と、その後2006年まで追跡した多施設前向き研究です。
約3000人の乳癌女性の半分に食事介入して、再発(浸潤、転移、新規の乳癌)がどうなるかを観察しました。

・野菜5サービング(350グラム)/日
・野菜ジュース16オンス(480ミリリットル)/日
・果物3サービング(300グラム)/日
・繊維30グラム
・総エネルギーの15%から20%を脂肪から

※サービング:小皿の1皿分。野菜の1サービングは70グラム、果物は1サービング100グラム

内容を見るとわかりますが、はっきり言ってかなりの量です(日本人の平均的な食物繊維の摂取量は14グラムなので、その2倍)。そして総カロリーやコレステロール、IGF-1の分泌に影響するアミノ酸、野菜や果物の種類は指定していません。

記事中では書かれていませんが、ここでいう炭水化物の変化とは、平均して約240グラム摂取していた最初の開始時点から1年後の変化です。
変化の量は、1日あたり26.9グラム以上の減少、22.3グラム以上の増加、またはその中間としています( <-26.8; -26.8-22.2; >22.2)。

閉経後女性の乳癌組織でIGF-1受容体が陰性の場合、炭水化物の変化は影響ありませんでした。逆にIGF-1受容体が陽性の場合、中間/増加グループの再発リスクは5.5倍でした。

http://cebp.aacrjournals.org/content/early/2014/04/22/1055-9965.EPI-13-1218

以前から過剰なタンパク質はIGF-1の分泌を高めて、癌のリスクになる可能性が指摘されてきました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/27eefc14c7c4d70aa32fd52615492f18

>肉とチーズは、喫煙と同程度、あなたにとって良くないかもしれない


今回の研究はIGF-1とタンパク質ではなく、IGF-1受容体と炭水化物との関連です。
炭水化物の摂取量は、IGF-1受容体が陽性の乳癌の再発リスクと関連するという結論です。
FoxOやIGFBP3、受容体の発現に影響したのかもしれません。

今回はタンパク質の増減は特に考慮していません。そしてその増減と炭水化物の増減との相関もわかりません。

興味深いのは、参加者の半分が「野菜や果物を毎日多く食べましょう」と炭水化物の増量を指示されたのに、むしろトータルの摂取量は減った人がそれなりにいたということです。
摂取量が減った人が介入群と非介入群のどちらに多かったかは分かりませんが、介入群で総量が減った人たちは、野菜や果物を多く食べる代わりに、精製した穀物や砂糖などを減らしたのでしょう。
そして、そのような状況(野菜は概して咀嚼による満腹感を刺激する)で、タンパク質の摂取だけが増えるとは考えにくいのではないでしょうか。
もし炭水化物の総量が減少して、脂質と、そしてタンパク質も減少していたのなら、これは実質的にカロリー制限だったのかなと。

ところで野菜の種類を見た場合ですが、WHELの別の研究ではタモキシフェンを使用していた患者の野菜摂取(特にアブラナ科)と再発は逆相関でした。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20607600

大豆のイソフラボンの摂取は有意ではないが死亡リスクの低下と関連していたという研究もあります。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21357380