肝癌ワクチンは、マウスで効果的である
α‐フェトプロテイン（AFP）は通常、発生の間に発現し、そして肝癌細胞によっても発現される。
肉体はそれを「自己」として認識するのでワクチンの繰り返しの攻撃を逃れる、とジョージア・メディカル・カレッジとジョージア・リージェンツ大学（Georgia Regents University; GRU）癌センター免疫学者のユウカイHe博士は言う。
肝癌は3年生残率が17パーセントで、最も成長が早くそして米国で最も致命的な癌の一つである。
抗原エンジニアリングと呼ばれるプロセスで、彼は免疫系がそれを認識するようにするのにちょうど十分なAFPを微調整したが、それまで通り肝癌細胞の中心ではAFPが発現され続ける。
AFPは大部分の一般的な肝癌細胞の約80パーセントで発現されるが、典型的に健康な成人は発現していない。
癌がはびこるためには、細胞は『脱分化』という未発達の状態へと戻らなければならない。それが肝癌細胞が発達中のタンパク質を発現する理由であり、そして免疫系がAFPを「自己」と認めることができる理由でもある。
彼の修正したAFPは、細胞に入ることが証明されている媒体、レンチウイルスベクター（lentivector）で届けられた。
レンチウイルスベクターはヒト免疫不全ウイルス（HIV）の背骨であるが、HIVの遺伝子の大部分をなくしてある。
それは樹状細胞をうまく目標にして、免疫系に抗原を示し、T細胞を活性化して攻撃させる。
マウスが肝癌を誘発する化学物質にさらされるモデルにおいて、ワクチンは90パーセントの癌をブロックした。
ワクチンの投与を受けたマウスは概してより多くのT細胞を持ち、そしてそれは、よりAFPを目標にした。
学術誌参照：
1.エピトープを最適化されたα‐フェトプロテイン遺伝学的ワクチンは、発癌物質により誘発されるネズミ科の自発性の（autochthonous）肝細胞癌を予防する。
肝臓学、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140603092535.htm
<コメント>
大部分の肝臓癌が発現するAFPという抗原をレンチウイルスベクターに組み込んだワクチンで、マウスの肝細胞癌を予防できたというものです。
成人で通常は発現していない抗原なら免疫が攻撃しても副作用は少ないことが期待できますが、ヒトで確認するのはまだこれからのようです。