臭素はヒトと他の動物で生命にとって必須である
人間の生命にとって不可欠な元素は、27と考えられていた。
しかし今、28番目が存在する:
それは臭素である。
Cellで公開される論文においてヴァンダービルト大学の研究者は、臭素が宇宙で天然に存在する92の元素の中で、すべての動物における組織の発達に第28の元素が必要であると初めて確認する。
「臭素がなければ、動物は存在しない。それは発見である」、シニア著者のビリー・ハドソン博士は言う。
ファースト共著者スコット・マコールによって指導される研究者のクリストファー・カミングズ博士とGautam(ジェイ)バーヴェ医学博士は、臭素を食事から除くとミバエは死亡し、臭素を回復すると生き残ったことを彼らは示した。
この発見は人間の疾患に対する重要な意味を持つ。
「複数の患者群が、臭素の欠乏であることが示された」、スコット・マコール博士は言う。
1980年代の中頃、2つのまれな腎臓疾患についてのハドソンの好奇心は、トリプル・ヘリカル・コラーゲンIV分子(橋梁を支えているケーブルの様な)を形成するために各々にからみつく、2つの未知のタンパク質の発見につながった。
これらのケーブルが不完全であるか損傷を受けるとき、疾患は起こる。
2009年、Medicine准教授ロベルトVanacore博士によってリードされる同僚は、細胞のために足場を形成するコラーゲンIV分子を接続するために「ファスナー」のようなふりをする、硫黄原子と窒素原子間の新しいスルフィルイミン結合の発見をサイエンス誌で報告した。
不完全な結合は、まれな自己免疫疾患であるグッドパスチャー症候群を誘発する可能性がある。
その発見は、次の単純な質問につながった:
結合はどのように築かれるか?
2012年、バーヴェ、カミングズ、Vanacoreは、答えを見つけた ― 酵素peroxidasin(ペルオキシダシン)である。
peroxidasinは動物界全体で保存されており、この酵素も疾患で役割を果たす可能性がある。
過剰に活性化したperoxidasinは、コラーゲンIVの過剰な沈着と基底膜の肥厚に至る可能性がある。そして、それは腎臓機能を弱めることがNature Chemical Biologyで報告された。
本研究では、イオンの臭化物に関する「コファクター」としての固有かつ基本的な役割と、peroxidasinがスルフィルイミン結合を築くことを可能にすることが示された。
学術誌参照:
1.臭素は、組織の発達と構造におけるコラーゲンIV足場の組立てのために必須の微量元素である。
Cell、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140605140007.htm
<コメント>
臭素がperoxidasinによるコラーゲンIV形成の過程に必須だったという研究です。
コラーゲンIVは腎糸球体の基底膜などを支えるタンパク質です。