機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年6月18日

2014-06-21 11:47:24 | 生命

血管の成長に関与する分子の『陰陽(yin-yang)』が明らかにされる


スクリップス研究所(The Scripps Research Institute; TSRI)の生物学者は、血管の発達を調節する重要なプロセスを発見した。

「我々が本質的に示したのは、タンパク質のSerRSが、どのように血管新生に対する歯止めとして作用するか、そして腫瘍を促進する転写因子c-Mycと対になって適切な血管の発達をもたらすかである」、TSRI教授のXiang-レイ Yangは言う。

「彼らは、転写調節の陰陽として作用する。」



SerRS(セリルtRNAシンテターゼ)は、細胞のタンパク質合成に関わるだけでなく、血管新生にも関与する。

SerRS遺伝子の特定の部分に突然変異をもつゼブラフィッシュは、異常な血管系を発達させた。同時に、重要な血管成長因子VEGFAの過剰なレベルが見られた。

SerRSはこの特定の部分、つまり『ホーミング配列』により、細胞質のタンパク質製造機械から離れて細胞核へと輸送される。SerRSは核内で、その血管形成を調節する機能を実行する。



科学者たちは、SerRSのノックダウンがVEGFA産生の大きい上昇につながることをまず確認した。

次に彼らは、VEGFA遺伝子の「プロモーター領域」にそのSerRSが結合することを確かめた。

その領域は、通常は転写因子c-Mycが結合する部位で、c-MycとSerRSはプロモーター領域で競合した。



さらに、c-Mycはアセチル基をDNA構造に加えてVEGFA転写を促進するのに対して、SerRSは逆にアセチル基を取り除くことが判明した。

そしてSerRSは、パートナーとして脱アセチル化酵素酵素SIRT2をリクルートすることによって、VEGFA DNAを脱アセチル化する。

SIRT2の役割を確認するために、彼らはゼブラフィッシュでSIRT2をノックダウンした。すると、SerRSが核内へのホーミング配列を失っているときに見られるのと同じ、血管の過成長が見られた。

「VEGFA上でのSerRSとc-Mycの影響の均衡は、血管の発達にとって明らかに、重要である」、Shiは言う。

新しい知見は、最終的には抗腫瘍戦略に最も関連することになるかもしれない。

SIRT2は腫瘍サプレッサとすでに考えられており、そしてc-Mycは腫瘍を促進する「癌遺伝子」として長く知られていた。

学術誌参照:
1.tRNAシンテターゼは、機能的な血管の構造を発達させるために、c-Mycと反対に作用する。

eLife、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140618135831.htm

<コメント>
SerRS(セリルtRNA合成酵素)は核内に移動するとSIRT2をリクルートして、VEGFAプロモーター上でc-Mycと拮抗するという内容です。

関連記事として、LRG1というタンパク質はTGF-βを介して血管新生を促進するというものがあります。
TGF-βは癌の悪性化にも関与していますね。

http://www.sciencedaily.com/releases/2013/07/130717132328.htm

2014年6月17日

2014-06-21 09:40:24 | 癌の治療法

潜在的コレステロール低下薬には、乳癌と戦う能力がある



ミズーリ大学の研究者は、最初はコレステロールと戦う分子として開発された合成物が、乳癌の進行を停止させるだけでなく、癌細胞を殺す可能性もあるということを証明した。

ダルトン心血管研究センター教授のサルマン・ハイダーは言う。

「腫瘍細胞は急速に成長するので、彼らはより多くのコレステロールを合成する必要がある。

我々は癌細胞のコレステロール産生を標的にしていたが、それが乳癌細胞の死につながった。」



腫瘍細胞はタモキシフェンのようなアンチホルモン療法に最初は反応するかもしれないが、ほとんどは最終的に治療抵抗性を獲得する。

コレステロールもアンチホルモン抵抗性の発症に寄与する可能性がある。なぜなら、コレステロールが腫瘍細胞でホルモンに変わるからである。

従って、これらのコレステロール形成経路は魅力的な治療目標である。



ハイダーと彼のチームは、スタチンとは異なる機序でコレステロールを低下させる合成物をヒトの乳癌細胞に投与した。

彼らはその合成物がヒトの乳癌細胞の成長を効果的に低下させ、しばしば癌の細胞死を引き起こすとわかった。

最も興味深いことに、そのコレステロール低下薬はエストロゲン受容体を破壊した。



ハイダーとチームはさらに、乳癌のモデルマウスでこの結果をテストした。

合成物の注入の後、ハイダーは分子が腫瘍細胞でエストロゲン受容体の存在を低下させることによって乳癌細胞を効果的に殺すとわかった。

学術誌参照:
1.強力な新しい抗癌剤としてのコレステロール生合成阻害因子:
オキシドスクアレン・シクラーゼ阻害因子RO 48-8071によるホルモン依存的な乳癌の抑制。

Breast Cancer Researchと治療(2014);

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140617112228.htm

<コメント>
コレステロールが癌の進行に関与するというのは最近よく言われてますね。

もちろん、少なければいいということではありません