雑文の旅

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猫爺の掌編小説「わが娘を恋した幽霊」   (原稿用紙24枚)

2015-07-24 | 掌編小説
   「お母様、昨夜、私の夢枕に男の子の幽霊が立ちました」
 
 江戸北町奉行所同心、榊枝織之助(さかき しおりのすけ)の長女沙織は、今年の正月で十歳になった。
   「そうなの?」
 母親多絵は縫い物の手を止めずに、気のない返事をした。
   「その子ねぇ、私のことが好きですって、私もその子が好きなの」
 母親は、一瞬手を止め、またすぐに縫い始めたとき、「痛い」と、縫いかけの着物を投げ出した。針で指先を突いたので、着物に血を付けてはならないと、咄嗟に思ったからだ。
 多絵は、突いた指を舐めている。
   「お母様、傷を舐めてはいけません、綺麗な水で洗って、富山の傷薬をお塗りあそばせ」
 沙織は井戸端へ行き、汲み立ての水を手盥(てだらい)に入れて母親の元へ持ってくると、富山の薬売りの置き薬を取りに立った。
   「沙織、針で指を突いたくらいで、大袈裟にしてはいけません」
   「でも、お父様がおっしゃいました、小さな傷でも侮ってはいけない、そこから毒が入ることもあるのだと」
   「そんなことより、あなたが見た夢の男の子って誰なの?」
   「熊吉さんという、男の子の幽霊です」
 沙織がこんなことを言うのは、珍しいことではなかった。時折、怖がることもなく、さらっと幽霊を見た話をするのであった。多絵は、「またか」と思って気にも留めなかったが、我が娘に「好き」だと言ったその幽霊が少しばかり気がかりだった。ただの夢ではなく、沙織の心に本人も気付かぬ恋が芽生えているのではないかと思ったからだ。
   「その子、本当に幽霊なの?」
 多絵は、探りを入れてみた。
   「そうなの、今夜、町外れの無人の荒れ寺に来て欲しいと手を合わせて言うの」
   「だめよ、女の子が夜中にそんなところへ行っては」
   「わたしは平気なのですが、お父様やお母様が許してくれないでしょうと、その子に伝えました」
   「それで、諦めてくれたのですか?」
 多絵は、すっかり沙織の話に巻き込まれていた。
   「いいえ、今夜、お父様とお母様にお願いに来るそうです」
   「まっ、私達の夢枕に立つと言うのですか」
   「そうみたいです」
 多絵は、笑って聞き流そうとしたのだが、どうも気になる。沙織が夜中にこっそりと抜け出しそうに思えたからだ。

 家族揃って夕餉のとき、多絵は真顔で沙織の話を夫にしてみた。案の定、夫の枝織之助は大笑いをした。
   「たかが夢の話じゃないか」

 その深夜、枝織之助は高鼾をかいて寝ていたが、多絵は沙織のことが気になって眠れなかった。やがて睡魔に襲われトロトロっと微睡んだとき、見たことのない少年が枕元に立った。    
 多絵は叫ぼうとしたが声が出ない。隣で寝ていた枝織之助の鼾が止まった。枕元の少年は、済まなさそうに黙ったまま頭を下げた。
 多絵は、夫の眠りを覚まさせようとするが、体を動かせなかった。年格好は沙織と同じ位であろうか、多絵はその少年に懸命に話かけようとするが、声にはならない。
   「どうぞ沙織をあの世に連れて行かないでください」
 多絵は、そう叫んでいるのだが、ただ息が喉と口内を素通りするばかりであった。同じ金縛りに遭っているのか、夫も「うーんうーん」と、唸りながらもがいている。
   「あなたが熊吉さんなの、沙織のことが好きなの?」
 その時、夫枝織之助が一際大きく「うーっ」と唸りを上げると、金縛りを破った。
   「おのれ、妖怪!」
 枕元の刀掛けの太刀を左手で掴むと、右手で真横に鞘を払い、切っ先を少年に向けた。そのとたんに少年の姿は掻き消え、多絵も金縛りから解き放たれた。
   「あなた、熊吉さんは沙織に危害を加えようとは言っていません、落ち着いて刀を鞘に収めてください」
 枝織之助は女房の声に気付いて、正気に戻ったた。
   「俺は、夢を見ていたようだ」
   「私も同じ夢を見ていたように思います」
 夫枝織之助は、一瞬顔色が青冷めた。沙織が気掛かりになったからだ。

 沙織の部屋は、蛻(もぬけ)の殻だった。沙織は屋敷の何処にも見当たらない。何時の間にか身支度を整えて、雨戸を開けて外へ出て行ったようである。
   「荒れ寺へ呼び出されたのだな」
 枝織之助は着物を着替え、大小の刀を腰帯に差すと駈け出して行った。あの荒れ寺は時には無宿者などの塒(ねぐら)になるところ、そこへ小娘が独りで出掛けて行っては、悪戯されるだけでは済まない。捕らえられて岡場所へ売り飛ばされかねないのだ。
 沙織は、一体何時ごろ屋敷を出たのであろうか。屋敷から荒れ寺までは半里以上の道程がある。枝織之助が息を切らして走り続けたが、沙織に追いつかなかったのだ。

 荒れ寺に到着すると、枝織之助は大声で娘の名を呼び続けた。
   「沙織、沙織はどこだ!」
 枝織之助の声を聞きつけて、本堂の扉が「ギィーッ」と、開いた。出てきたのは浮浪人と見られる無精髭の男が四人だった。
   「拙者は北町奉行所同心、榊枝織之助だが、ここへ十歳の娘が独りで来なかったか?」
 男達は、ニヤニヤ嘲笑って答えた。
   「こんな夜更けに、娘さんが独りで来なかったか、ですかい」
   「そうだ、見かけなかったか」
   「旦那、俺達をからかっていなさるのですかい?」
   「いいや、本心で尋ねておる」
   「まさかでしょう」
   「それが、幽霊に連れて来られたのだ」
   「お上の旦那の口から幽霊とは、旦那、どうかしていますぜ」
   「十歳くらいの、男の子の幽霊だ」
 男達は、爆笑した。
   「わし等は、一昨日の夜からここを塒(ねぐら)にしていますが、そんなものは一度も出てきませんぜ」
   「そうか、邪魔をしたな」
 と、言いながらも、枝織之助は本堂に立ち入り、沙織が隠されているのではないかと探しまわった。
   「旦那、疑っていなさるが、本当に此処へはきていませんぜ」
   「そうか、済まなかった」
 枝織之助は外へ飛び出し、本堂の裏へ回った。
   「沙織、沙織はどこに居る!」
 換気穴から床下を覗いたが、人の居る気配はなかった。この寺の裏は、草が茫々と茂り、境外の森に続いている。
   「この奥には、沙織にはとても踏み入れないだろう」
 枝織之助がそう思ったとき、灌木の枝が折れている箇所が目に付いた。獣道かと思ったが、人が踏み入った形跡とも見える。枝織之助は、ここから森に向かって呼んでみた。
   「沙織、沙織は居ないか!」
 月明かりは降り注いでいるものの、ときおり群雲が邪魔をする。しかし、躊躇しているときではない。枝織之助は、生茂る笹と灌木を分け入り、尚も沙織の名を呼び続けた。

   「居たぞ、沙織、そこに居るのは沙織だな」
 返事がない。生憎、月も群雲に隠れて様子が分からない。
   「沙織、大丈夫か!」
 枝織之助が立っているところを通って、沙織はあの場所まで行った筈なのに、枝織之助はどうしても進めない。灌木の枝に捕まってしまったようだ。
   「沙織どうした、俺の声が聞こえないのか」
 沙織と思しき影は、微動だにしない。
   「殺されたのか」
 枝織之助の胸に不吉な陰が射し込んだ。仏に祈りを捧げ、唾を飲み込んだそのとき、月が雲間から顔を出した。自分が沙織だと思っていたものは、沙織の着物であった。沙織もまた、ここで灌木の枝に阻まれて動きがとれなくなり、着物を脱ぎ捨てたようだ。
 枝織之助は、少し冷静さを取り戻した。枝に引っ掛かった羽織を脱ぐと、行く手の邪魔になる枝を、脇差しを抜いて一本ずつ切っていった。

 更に森を奥に進むと、ようやく沙織の返事が聞こえた。
   「お父様、沙織はここに居ます」
   「ここに居ますではないわ、何故このような場所に来たのだ」
   「熊吉さんを助ける為です」
   「助ける? 熊吉とはお前が見たという幽霊だったな」
   「そうです、熊吉さんは殺されて、この森に捨てられました」
   「それなら、どうしてお前のような小娘でなく、奉行所の役人の夢枕に立たなかったのだ」
   「熊吉さんの言葉がわかるのは、私しか居なかったのです」
   「霊媒師が居るではないか」
   「霊媒師は皆、詐欺師だそうで、人を騙してお金をせしめているだけです」
   「お前にはわかるのか?」
   「はい、はっきりと言葉が通じ合います」
   「お前は、霊能者なのか?」
   「いいえ、二人が惚れあっているがために、仏様から授かった能力です」
 枝織之助は、自分たちが今何処に居るのかさえも忘れて、娘の話に聞き入った。沙織は、熊吉から訊いたことを、具(つぶさ)に父枝織之助に話した。

 幼くして父親に死なれた熊吉は、水茶屋で酌婦として働く母の手ひとつで育てられたが、まだ若い母親のお里は水茶屋に通ってくるやくざ者の男に惹かれていった。
 その男の素性を、近所に住むお寅婆さんから訊いた熊吉は、その男と再婚するという母を説得したが母は聞き入れず、尚も反抗する熊吉は、男に疎ましく思われるようになった。
 ある日、母親に暴言を吐く熊吉を見た男は、母親に内緒で熊吉を荒れ寺に連れていき、殴って気絶させ、首を絞めて殺してしまった。熊吉の遺体は境外の森の奥に隠し、何食わぬ顔でお里の元に戻ると、「熊吉は俺を嫌って、家出をしたようだ」と、伝えた。
   「済まん、みんな俺の所為だ」と、項垂れる男のしおらしさに、何の疑いもせずにお里は男を慰めた。
   「いいえ、あなたの所為ではありません、熊吉が我儘過ぎるのですよ」
 お里は、きっといつか熊吉は帰ってくると信じて、今日か明日かと熊吉の帰りを待ちながら、男に尽くして二年が過ぎた。

 最近、男に若い女が出来たらしく、お里が疎ましくなってきたようである。男は、岡場所の女将と話をつけて、お里を売り飛ばす約束を交わしていた。
   「お前の使い古しじゃないか、そんな女に五十両も出せないよ」
   「女将、何言っているのだ、俺が男を喜ばせるあの手この手を仕込んでおいたのだ、評判の遊女になりますぜ」
   「そうかねぇ、じゃあ、四十両ではどうだい」
   「四十五両で手を打ちましょう」
   「あの草臥れた女が四十五両とはねぇ」
   「不服なら、余所を当たるまでだ」
   「分かったよ、四十五両だね」

 熊吉の幽霊は、男に付いてきて、こんな遣り取りを聞いてしまった。

   「この世の中で、おいらの言うことが分かるのは、沙織さんだけなのだ」
 熊吉の幽霊は、沙織に両掌を合わせて頼んだ。
   「おっ母に、このことを話して、あの男とは手を切るように言ってやってほしい」
 岡場所に売られてしまえば、おっ母はボロボロになるまで男をとらされて、病に倒れると放り出され、死ねば大川へ投げ捨てられるのだ。
   「おっ母を助けてください」

 熊吉に頼まれたが、子供の沙織は父に打ち明けるしかない。沙織は熊吉の言うことをただの夢ではないと確かめて、父に相談する積りでここへ来たのだった。
   「お父様、来てくださって有難う御座いました」
 ここからそう遠くない森の奥に、熊吉の屍が捨てられているのだ。死んで二年の月日が経っている。着物は朽ちていても、骸骨だけは残っているだろう。もしかしたら、帯や草履が残っていて、それを見せたら母親は息子のものだと気付くかも知れない。沙織は父を促して、奥へ入っていった。

 それは有った。夢ではなかったのだ。着物は雨に晒され、風に千切られて殆ど無くなっていたが、肋骨に切れ端が引っ掛かっていた。帯はほぼ原型のまま残っていたが、草履は朽ち果てて土と同化していた。

   「熊吉さん、二年もの間、このお寺に留まっていたのですね」
   「死ぬと、今生の二年なんかあっと言う間です」
   「そうなの」
 沙織と熊吉が話している間に、枝織之助は後戻りをして自分の羽織と、沙織の着物を回収してきた。羽織をパッと広げると、熊吉の遺骨や遺品を丁寧に拾い集めて左手で持てるようにすると脇差しを拔き、小枝を切り落としながらゆっくりと寺の境内へと戻っていった。
   「沙織、気を付けなさいよ」

 空が濃紺から少ししらみかけてきたころ、親娘は寺の境内に戻り付いた。そこに四人の浮浪人が待ち受けていた。
   「旦那、少し銭を恵んでぐだせぇ」
   「慌てて飛び出して来たので、銭の持ち合わせはない」
   「では、その刀を頂戴したい」
   「有象無象ども、正体を現したな、旅人の身ぐるみを奪う山賊であったか」
 枝織之助は、脇差しを腰に挿すと、スッと太刀を抜いた。非番なので十手は持っていないのだ。
   「序(ついで)だ、お嬢さんも頂戴しようか、売れば二十両にはなりそうだ」
 男たちは、シャリッと、腰のものを抜いた。その音から判断すれば、手入れをしていない錆刀であろう。
   「北町奉行所同心、榊枝織之助を甘くみたものだ、下級武士とは言え北辰一刀流の手練、お前たちが束になってかかって来ても、拙者を倒すのは無理だろう」
   「ただ…」
 枝織之助は、後に言葉を付け加えた。
   「一人ずつであれば手心を加えることが出来るが、束になってかかってくれば手心を加えかねる、命の保証はないと思え」
   「寝言を言うな、殺ってしまえ」
 枝織之助の言葉を「空脅し」と、とったようだ。次の瞬間、一人の男の刀を掴んだ腕がスッ飛び、「グワーッ」と、悲鳴を上げて男は転がり悶えたた。
   「すぐに手当をすれば、命は助かる、放置すればコヤツは死ぬぞ」
 枝織之助は叫んだが、単なる烏合の衆、仲間のことなど眼中に無いようだ。残りの三人は、声も出せない様子で、崩れた山門に向かって逃げて行った。その後を追うように、腕を切り落とされた男も血を流しながら逃げていった。

 夜が明けると、枝織之助と沙織は、熊吉から訊いた家に行ってみた。熊吉の母親は、髪を結い、おめかしをして出かけるところであった。
   「お前は、熊吉のおっ母さんかい」
 枝織之助が声を掛けると、驚いた様子であった。
   「はい、お里と申します」
   「ちょっと話したいことがあるのだが…」
   「お役人さんですか?」
   「そうだ、北町奉行所同心、榊枝織之助と申す」
   「お役人には訴えないという約束でしたのに…」
 お里の言う意味が分からないので聞き質すと、内縁の夫が言うには、家出をした熊吉が岡場所で下働きをしているのが分かった。その熊吉が、店の金を盗んで逃走したらしい。その額、なんと四十五両、奉行所に訴えられて捕まれば、子供であろうとも首が飛ぶ額である。  
 そこで、内縁の夫が岡場所の主人に話を付け、四十五両を返済すれば奉行所には訴えないということだった。お里がそんな大金を持っている訳がない。そこで、お里が身を売れば四十五両で買おうというのである。
 出来過ぎた話では有るが、お里にはどうしようもない。熊吉の命を助けるためなら、何でこの身が、何でこの生命が惜しかろうと、お里はこの身売り話にのったのであった。

   「お里、この布切れと帯を見てくれ」
 枝織之助は、熊吉の屍に絡んでいた遺品を、お里に見せた。お里は暫く見つめていたが、思い出したようであった。
   「これは、熊吉に縫ってやった着物と帯です」
   「では、この遺骨を見てくれないか」
   「遺骨、誰の?」
 羽織に包んだ遺骨を広げて見せた。
   「子供のお骨のようですね」
   「お里、まだ気が付かないのか」
   「えっ」
 お里は、漸く気が付いたようであった。
   「そうだ、熊吉の遺骨だよ」
   「だって、熊吉はまだ生きていて、岡場所で下働き…」
   「お前は、男に騙されているのだ、熊吉はその男に殺されて、荒れ寺の森深くに捨てられていたのだ」
   「そんな…」
 お里は、急に狂ったように号泣した。
   「嘘です、そんな訳はない」
 泣きながらも、それが真実だと受け入れていった。

   「旦那、今から情夫(おっと)に会って、岡場所へ行ってきます」
 お里は気丈にも直に情夫を聞き質し、岡場所の主人にも会ってくると言うので、枝織之助父娘も付いて行くことにした。
   「旦那、それじゃあちょっと待ってください、仏壇に蝋燭をあげていたのを忘れとりました」
 家を出たとたんに思い出して、お里は再び家の中に入っていった。

 歩きながら、お里は泣いている。泣きながら、「熊吉ごめんね、母さんが馬鹿だった」と、何度も何度も呟いている。その声は、幽霊の熊吉にも届いていた。

 枝織之助父娘は、お里から離れて付けて行った。岡場所の近くまでくると、男がお里に近付いた。
   「おーい、お里、何を泣いている、岡場所で働くのが辛いのか?」
   「いいえ、熊吉の為です、辛くはありません」
   「そうだろ、そうだろ、きっと俺が熊吉を見付けて、お前に合わせてやる」
   「きっとですよ」
   「わかった、おいらが金を儲けて、お前も受け出してやるからな」
   「はい、それまで我慢しています」
 
 情夫は、岡場所の丁度中程のところにある私娼屋の暖簾を潜った。お里も続いて入った。
   「おーい、女将、女房を連れて来たぜ」
   「おや、この娘かい、結構若くて磨けば良い玉になりそうだね」
   「そうだろ」
 お里が情夫の左横に来て、女将に尋ねた。
   「女将さん、熊吉はどこへ行ったのでしょうねぇ」
   「熊吉、それは誰のことだい?」
   「お店から四十五両盗んで逃げた子供ですよ」
   「知らないねぇ、そんな子供」
 その時、情夫が「うわっ」と叫んだ。外で話を聞いていた枝織之助が気付いた。
   「し、しまった、拙者としたことが迂闊だった」
 唖然と佇む女将の前で、お里の情夫は左横腹を抑えてふらふらっと二歩三歩後退りすると、血を流してばったりと倒れた。その脇腹には、出刃包丁が深く刺さっていた。
   「おっ母ぁ、早まったことを…」
 熊吉の叫びは、沙織にだけ伝わった。  (終)


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