雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のエッセイ「除菌、除菌、除菌ですよ」

2014-06-27 | エッセイ
 除菌とは、猫爺なりに考えてみた。似た言葉に、滅菌、殺菌、消毒、抗菌などがある。その辺から自分なりの解釈をしてみた。

  滅菌…、文字から考えると、菌を滅ぼすこと、即ち皆殺しだ。

  殺菌…、菌を殺すこと。決められた範囲の中の菌を、有効数殺すことだろう。

  消毒…、菌を殺すだけではなく、菌が出した毒性の排泄物を消すこと。

  抗菌…、菌が取り付き難い物質。

 では、除菌とは菌をどの様にするのだろう。

  除菌…、殺そうと殺すまいと、取り除くこと。


 紫外線の多い、青色蛍光灯(4w程度)を掃除機につけて、四、五回なでるだけでは有効数の菌は殺せない。かなり強力なブラックライトでも、何時間か照射し続けなければ意味がない。

 布団掃除機の場合、吸い込んだゴミに付いた菌を、薬品を染み込ませたフィルター紙で除菌するのだろう。
 
 除菌は、水で濯いだだけでも出来る。「何%以上を取り除けば除菌とする」みたいな定義は無いようだから。

 この曖昧な言葉が、CMの逃げ道になっているように思えてならない。滅菌や殺菌と言えないから、除菌と言うのだ。それを聞いた消費者は、勝手に「菌を殺してくれる」と、解釈してしまう人も居るだろう。酷い誤解は、UV蛍光灯で、ダニも殺してくれると思い込む人も居ないとは断言ではない。

 台所で使うスポンジタワシをを一晩置いた顕微鏡動画を見せて、ギャラを貰って演技をする素人もしくわタレントに「ギャー、菌が泳いでる」とか言わせるCMを視たような気がするが、私はこのようなCMを「脅迫的CM」と言っている。菌はどこにでも「うようよ」いるものだ。このタワシを水で濯ぎ、洗剤をつけて食器を洗っても、後の濯ぎでしっかり洗剤を落とせば、何の不都合もないと思っている。もう何十年も以前から、病弱な妻に代わってそうしてきたが、寝冷えや傷んだ物を食べないかぎり、そう頻繁に腹をこわしたことはない。

 曖昧なCMに、「消臭剤で洗おう」というCMを見たことがあるような気がする。洗うとは、汚れを落とすことである。消臭剤で汚れが落ちるのだろうか。これは、「洗濯=除菌」の発想によるものかも知れない。 が、汚れは無視されているのではないだろうか。