雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のエッセイ「CM気触れ」

2014-06-15 | エッセイ
 あるクイズ番組で出題されたものである。

 瑞々しいぷるぷるのお肌にするには、次の最も有効なのはどれか?

   1、コラーゲンを食べる。
   2、血行を良くする。
   3、保湿クリームを塗る。

 回答者の中には、コラーゲン鍋を食べた翌朝、肌がプルンプルンになっていると主張していた。しかし、考えてみよう。食べたコラーゲンは、体に入ると蛋白質として吸収される。肉、魚、豆を食べたのと同じことなのだ。

 コラーゲンって何だろう。これは誰でも知っていること。動物の細胞と細胞を繋いでいる物質だ。その食べたコラーゲンが、そのまま直行で人間のコラーゲンになる訳ではない、

 ある婦人が、健康診断で肝臓が悪くなりかかっていると指摘された。婦人はその日から鳥や豚や牛のレバーを毎日食べ続けたそうだ。ある日、病院へ行ったとき、医者に自分の努力を伝えたところ、「そんなことをしていたら死ぬぞ」こっ酷く叱られたと言う。

 イメージによる素人療法である。レバーを食べると、それがそのまま自分の肝臓になるのだと言うのと同じレベルの思い込みが、コラーゲン鍋をたべると、翌朝にはもうわが身のコラーゲンになっていると言うイメージだ。

 コラーゲン鍋を食べた翌朝、お肌がプルンプルンになっていたと主張する人は、そのままずっとプルンなのだろうか。せめて、その日の夕方になっても維持しているだろうか。もし、昼ごろにはプルンプルンでなくなっていたら、それは塩分の摂り過ぎによる単なる浮腫みかも知れない。

 クイズの答えは、二番の血行をよくする であった。血行を良くすれば、新陳代謝も良くなるから、有効なのであろう。

 序に、三番の保湿クリームは、皮膚の表面の角質層に留まって一時的には瑞々しくなるが、生きた細胞に染込んでコラーゲンの代役をする訳ではない。コラーゲン入り化粧品を塗るのも同じことだ。