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20170102

2017年01月02日 19時33分33秒 | ニュース7

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カフカ小説全集2「審判」

2017年01月02日 11時11分11秒 | 読書とか

「カフカ小説全集2 審判」フランツ・カフカ 2001白水社

ある日突然、被告になっていた?
公式でない裁判所?見えてこない組織。
最初から最後まで私にはその組織の理解ができなかった。
どう見てもやくざ。裏権力。被告になれば障害人生を吸い尽くされるシステム?それすらもはっきりしない。
誰も彼の罪を知らない。何を責められているのかを知らない。
一番利益を得ているのは弁護士か。

「私たちの裁判機関は、あまり一般的には知られていない」
そしてその組織に誰がどう係わっているのかも。
でも、意外とみんな知っている。その存在だけは。

空気が悪いという場面が2つほど出てくるが、あまりに酷過ぎるので、もしかしたら相手は宇宙人なのではないかと疑ってしまったわ。その可能性は最後まで否定されるものじゃなかったかもね。わけのわからない力という意味では同じようなものだ。

「ウシジマくん」的な裏金や詐欺師の世界、ああ、一度被害者になるとしゃぶりつくされるという。カモ情報が業界内で巡回し、生涯(死後も)狙われるという形がまさにこれか。
または一般人に見えない権力の世界。そのまま「本当の裁判」も期待するほどの正義じゃないし、弁護士や税理士なんかは権力と法を盾にした詐欺師集団にも見えることがある。借金返済払い過ぎ還付は毎日ラジオでコマーシャルをやっているし、相続税の払い過ぎも取り返せるとかもあるらしい。相続税なんか、素人にはわからないから税理士がグルになれば、払い過ぎ状態をわざと作り出して仲間がそれを修正するだけで楽に報酬倍増だな。(本来、これは国がタダで、サービスで見てくれなきゃダメだろ)

コメディーに見える部分は、カフカが自分の上司への意趣返しではないかと思える。嫌いな上司がいたんだろうねえ。

主人公のKは、スピード出世した銀行の支配人。
出るものは打たれる的な話なのか。
確かに目立つし、煙たがる人間は多いだろう。

しかし、「ペンキ屋」と間違えられたらしい(P56、予審審理)というところで、冤罪の可能性が高くなる。または下っ端のミスか。
だからその組織の権威を損なわない方法で、下手に出ていれば今回の厄災は回避できたのではないか。それを威張り腐ってあいてのメンツをつぶしてしまったのでは、逆に冤罪を作ってやろうという動機になってしまうだろう。まあ、銀行での出世競争において弱みを見せたら負けだという考え方に縛られていたのだろう。また金と銀行の地位におごっていたのだろう。周りの人間を見下す態度にもそれは表れている。そしてよくわからないことに対して迂闊であった。相手を甘く見て自己過信、重要な人物をおざなりにして女に現をぬかす。
まあ、遅かれ早かれ、捕まってしまう運命にあっただろうことは想像に難くない。それにしてもなんだ、この裁判って。

素人が初めて目にする、初めてかかわった(公式の)裁判はこのように感じられるかもしれない。また、社会の暗黙のルールという奴はこういった面があるのを否めない。常識ってやつとかマナーとかさ。知らなければそれは罪なのか。そして黙って殺されるしかないのか。

宗教の臭いがし始める。
信じる者は救われる、認めるものは救われるってか?そういえば「認めるの、まずは認めるの」っていうことを女が言っていたよね。

さらに、これは最初から臨死体験、もしくは「地獄の『審判』」なのではないかと。
周りにいるのはすべて鬼が化けているのではないか。
なるほど、Kは試されているんだな。なんて思ってしまった。

 

なんか、安部公房のいくつかの作品はカフカを真似しようとしているみたいに見える。しかし、より普遍的なカフカに対し、安部公房は現実と欲に近すぎたと思う。そうすると、たとえ長生きをしてもノーベル文学賞は取れなかっただろうと思える。カフカと読み比べすれば、明らかだ。

 

※『審判』は『訴訟』というタイトルにした訳(光文社)もある。

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