「特捜検察物語(上下)」山本祐司 1998講談社
山本さん、保守とか内閣寄りが嫌いだよね。
まあね、擦り寄ることで不正や腐敗の原因となりやすいからね。実際、なっているからね。政治家なんて汚いやつらだからね。まあ、それは結局、裁判官や検察官も同じことだってことだよ。そして、不完全な制度がそれに拍車をかける。制度を直そうとすると、それを直す奴ら(政治家)にとって不利になるからやらないよね。そのことを指摘して多くの人に知ってもらおうとするのだろうけれど、愚民たちは日々の生活に忙しく、マスコミが激しく攻撃でもしない限り問題点に気づきもしないのです。
だから、この本が出た後も検察は腐り続けます。政治家はきっともっと腐っています。
国民が全員司法試験を受けるような時代にならなければ、きっとこれは変わらないんじゃないかしらん。
田中角栄のロッキード事件が中心となってページを取っているが、そこに至るまでのいくつかの重要な疑獄と、その後のリクルート・東京佐川・ゼネコン汚職などなど。
特捜検察の停滞とクーデター的仕事。これは映画化してもいいような物語となってくる。
結局ね、人事でトップが堕落していく、派閥が組織を硬直化させていくというところは、「最高裁物語」と同じだったりする。
国を腐らせる[国家有用論]
(政治家の代わりなどいくらでもいる(出てくる)よね)
保守最高裁までが特捜の足を引っ張る(法律解釈)
特捜検察の中でさえも
(特捜)検察の中でも権力闘争
マスコミを使った策謀(偽情報リーク)
国民の批判さえかわせれば(批判されても我慢できれば)
いつでも使える権力者の「指揮権発動」
現在の自民党1党支配(公明党と連立はおまけ)の状況と、東京都議における自民党議員のセクハラヤジの意識などを合わせて考えれば、あらゆるところから陳情が寄せられ、違法とならない形での賄賂がどんどん自民党に流れ込んでいることは容易に想像できる。
これが2020年(東京オリンピック)後の反動不景気の中で、再び政権交代となった時に表面化することは(特捜検察が現在準備しているだろう)自然な流れとして予想できる。
とくに、憲法9条改正とそのきっかけとなる集団的自衛権行使容認は、武器メーカーや商社からの大きなバックアップが臭うゝ。将来、特捜検察は安倍さんを逮捕できるだろうか。
天網恢恢疎にして漏らさずとなることを期待する。
この本を読んでいる最中、テレビでアンパンマンを数秒目にする。
ああ、汚職政治家はバイキンマンだ。そして、アンパンマンは特捜検察になるのだろうが、どうもアニメのようにはいかない。現実のアンパンマンはジャムおじさんの人事という事情があるのだ。ジャムおじさんに能力を限定され、それどころか裏切られたりする。
上巻P43、15行目 山県がここだけ山形になっている