ケイコの夢は夜ひらく

最近よく遊びに来てくれるケイコちゃん

と言ってもノンケの男なのだが…

前回来た時にメイクしてあげたら

ハマッたらしくて

今回も「又やってちょうだい！」と

リクエストされた

忙しくなかったので

下地から丁寧に塗って

大人の女に変身させてあげた

鏡を渡したらウットリしている

「それで今日はどんなドレスを

　　　　　　　　　着させてくれるの？」

ウチの店はお客さんの女装用に

何着か楽屋に用意しているのだ

ケイコちゃんは短髪なので

ヅラも欲しがる

しかし楽屋にはドンキで買った

アフロしかなく

それを被るとかなりファンキーになる

「金髪のカワイイのが良いんだけど…」

結構ワガママだ

フル女装をした頃には

他のお客さんも帰っちゃって

彼一人だけになっていた

「誰かに見せたいわ～」

と聞かないので

近所の飲み屋にお披露目する事になった

女の子の店が良いと言うのだが

どこもヒマそうで

早めに店仕舞いしていた

仕方ないので

熟女２人が朝までやってる店にした


「あら～、豪華なお嬢さんたちの登場よ～」

とチーママが歓迎してくれる

お客さんは見事にオジサンばかりだ

ケイコちゃんが耳元で

「女の子居ないじゃないのよ」

とむくれる

「でもこんなに歓迎してくれてるんだから

　　　　　　　　　　　　　　　モノは考えようよ」

オジサン達も山岡久乃風のケイコちゃんに好意的だ

ビールをご馳走してくれた

お返しに美川サンの歌を披露する

何とチップをいただいた

「ケイコちゃん、良かったね～」

調子に乗ったケイコは

「今度は金髪のカツラ用意しといてね」

とうるさい


店で女装するお客さんは多いが

外に出る人は滅多に居ない

ケイコちゃん、

今度は自分で女装してらっしゃい！