オカマ不足で女子が代打

昨日は夕方にヒデミから

「風邪で休むから…」とメールが届き

急いで代打をお願いできる誰かを探した

マヤは新宿の店へ出勤のため出られない

ユウスケも夜勤の別のバイトがある

サナエさんは銀座の店と八方塞がりだ

こんな時に同業者で頼りになるのはサコ姐だが

当日の夕方ではきっと難しいだろう

なるべく店の近所に住んでいて

人当たりの良い女性を何人か思い浮かべる

しかし皆昼間働いているので

平日の夜にお願いするのは気が引ける

「手が足りない時はいつでもメール頂戴」

週に２～３回は遊びに来てくれるタカコに甘える事にする

メールを入れたらすぐに返信があった

「いいよ、何時に店に入れば良い？」

ダメ元と思っていたが一発で代打が見つかった

「ありがとう、ホント助かる～」

開店時間の９時に来てくれる事に


「おはよ～、今日はよろしくお願いします」

普段はすっぴんのタカコだが

さすがに接客ともなると気合が入っている

元々目鼻立ちがはっきりしている彼女なので

軽くメイクしただけでも化粧映えする

「髪の毛も巻いてきたわ～」

「あら～見違えるわ～

　男性のお客様が喜ぶわよ～」

簡単に段取りを教えてスタンバイしてたら

隣町のママがお客様と一番乗り

飲みっぷりの良いタカコは気に入られて

「今度ウチの店にも遊びにおいで」と誘われていた

その後もコンスタントにお客様に恵まれて

ラストまでタカコと２人で乗り切った

「ホント助かったわ～

　また何かあったらお願いしても良い？」

「うん、大丈夫だよ～」

今月と来月は平日も人手が足りない時があって

ピンチヒッターに助けてもらう事があるが

お客様も概ね好意的なのだ

今夜はヒデミが病み上がりで出勤するが

風邪をこじらせなければ良いが…