久々にR子さんからメールが届いた
私がデビューしたお店の先輩だった彼女は
現在ニューハーフから足を洗って美容師をやっている
たまにメールをやりとりして不景気を嘆く
“そう言えばMさんから久々に連絡があって
いま千葉の方で働いてるらしいけど
かなり暇だってこぼしてたわ”
MさんはR子さんが六本木時代に仲良くなったニューハーフで
数年前まで新宿のお店に在籍していたが
いつの間にか辞めて音信不通になっていたのだ
Mさんは既に全盛期を過ぎている
往時はかなりの虚栄ガマだった
でも今はそんな事を言ってる場合ではない
六本木の店を最後に追われた後は
新宿へと流れたが何処も面接で落とされた
キャリアのある人には即戦力を求められる
要は客を持っているかどうかなのだ
「六本木で長くやってたんだから
お客様はたくさん持ってるんでしょう?」
ママは辛辣な事を彼女に問うただろう
ある店では電話で歳を聞かれ
「ウチは若い子しか要らないわ」と
けんもほろろに断わられた事もあるだろう
或いは既に六本木から流れてきているかつての同僚が
「あの人はやめた方が良いわよ」と
ママに余計な耳打ちをしたかもしれない
そんな悔しい思いをしながらやっと見つけたのが
Tと言う店だった
かつて私の同僚だったAちゃんもこの店に勤めた
「ネエサンもたまには遊びに来てよ」と頼まれ
一度だけお邪魔した事がある
夜の9時過ぎに行ったのだが
お客は私の他に若い女性の2人連れだけだった
キャストはママさんとMさん、そしてAちゃんの3人
既にR子さんを通して私の事を聞いていたMさんは
「あらァ、R子からよく聞いてるわ
あなたがエドナさんね
よろしくね~」
そう言いながらMさんは
ワイングラスに入ったグレープジュースを飲んでいた
往年のニューハーフらしく
説得力のある顔立ちだった
黙っていれば気品のある欧米の女優系なのに
意味もなくドレスの裾をまくって
モッコリしたビキニを見せるのである
何か笑いを取らなくてはいけないと思って
そんな痛々しい事をしているのだろうか
Mさんとチェンジしてママさんが席に着いてくれた
さすがに熟練したトークと穏やかなスマイルは
お客に威圧感を与えない上に
とても居心地の良さを与えてくれる
もっとゆっくりとママさんの話芸を盗みたかったが
ショータイムが始まると言うので
カーテンの向こうに消えてしまった
もう一組ぐらい来店してからの方が
盛り上がるだろうに
何故そんなに焦ってショーをするのだろうかと思ったが
女性客の滞在時間を配慮したのかもしれない
オープニングの音楽と共にライトが落とされた
大掛かりなショーパブと違って
こじんまりしたオカマバーのショーは
また昔ながらの味わいがあるのだ
ママさんもMさんもきっと芸達者だろう
何だかワクワクしてきた
続きは明日…
私がデビューしたお店の先輩だった彼女は
現在ニューハーフから足を洗って美容師をやっている
たまにメールをやりとりして不景気を嘆く
“そう言えばMさんから久々に連絡があって
いま千葉の方で働いてるらしいけど
かなり暇だってこぼしてたわ”
MさんはR子さんが六本木時代に仲良くなったニューハーフで
数年前まで新宿のお店に在籍していたが
いつの間にか辞めて音信不通になっていたのだ
Mさんは既に全盛期を過ぎている
往時はかなりの虚栄ガマだった
でも今はそんな事を言ってる場合ではない
六本木の店を最後に追われた後は
新宿へと流れたが何処も面接で落とされた
キャリアのある人には即戦力を求められる
要は客を持っているかどうかなのだ
「六本木で長くやってたんだから
お客様はたくさん持ってるんでしょう?」
ママは辛辣な事を彼女に問うただろう
ある店では電話で歳を聞かれ
「ウチは若い子しか要らないわ」と
けんもほろろに断わられた事もあるだろう
或いは既に六本木から流れてきているかつての同僚が
「あの人はやめた方が良いわよ」と
ママに余計な耳打ちをしたかもしれない
そんな悔しい思いをしながらやっと見つけたのが
Tと言う店だった
かつて私の同僚だったAちゃんもこの店に勤めた
「ネエサンもたまには遊びに来てよ」と頼まれ
一度だけお邪魔した事がある
夜の9時過ぎに行ったのだが
お客は私の他に若い女性の2人連れだけだった
キャストはママさんとMさん、そしてAちゃんの3人
既にR子さんを通して私の事を聞いていたMさんは
「あらァ、R子からよく聞いてるわ
あなたがエドナさんね
よろしくね~」
そう言いながらMさんは
ワイングラスに入ったグレープジュースを飲んでいた
往年のニューハーフらしく
説得力のある顔立ちだった
黙っていれば気品のある欧米の女優系なのに
意味もなくドレスの裾をまくって
モッコリしたビキニを見せるのである
何か笑いを取らなくてはいけないと思って
そんな痛々しい事をしているのだろうか
Mさんとチェンジしてママさんが席に着いてくれた
さすがに熟練したトークと穏やかなスマイルは
お客に威圧感を与えない上に
とても居心地の良さを与えてくれる
もっとゆっくりとママさんの話芸を盗みたかったが
ショータイムが始まると言うので
カーテンの向こうに消えてしまった
もう一組ぐらい来店してからの方が
盛り上がるだろうに
何故そんなに焦ってショーをするのだろうかと思ったが
女性客の滞在時間を配慮したのかもしれない
オープニングの音楽と共にライトが落とされた
大掛かりなショーパブと違って
こじんまりしたオカマバーのショーは
また昔ながらの味わいがあるのだ
ママさんもMさんもきっと芸達者だろう
何だかワクワクしてきた
続きは明日…