乗り過ごし

出勤電車内にて更新している

ロマンスカーでの出来事

私好みのイケメンに目を奪われて

指定の席とは違う車両に乗り込んだ

しかし彼の近くの席は埋まっていて

仕方なく２車両も離れた自分の席へ向かったら

途中で３０代くらいのサラリーマンが

慌てて出口へ向かっていた

ところが無情にもドアは閉まったばかり

ガラス窓に手をやるが

ドアは再び開く事はなかった

スマホに夢中になっていたのか

それとも仕事終わりの安堵感から

爆睡していていたのだろうか

次は終点の新宿まで停まらない

折り返して戻って来たとしても

１時間のロスタイムになるだろう

万一、彼が仕事中で

クライアント先へ向かう途中だとしたら

とても生きた心地はしないだろう


私もロマンスカーでの乗り過ごしは

何度かあるのだ

先述の彼と同じく目が覚めたら下車駅

大急ぎで下りようと出口に向かったら

ドアが閉まった後

次の停車駅は終点の小田原だ

ロマンスカーは完全指定席だ

私が下りるはずだった駅から

私がさっきまで腰かけた座席は

次の乗客の指定になっている

空席に腰かけたとしても

車掌の検札があり追加料金を徴収されるのだ

料金は仕方ないとして

これが出勤中だとしたらゾッとする

途方に暮れていたら車掌が通りかかった

事情を説明すると「○号車の空席にお掛けください」

しかも乗り越し料金は徴収されなかったのだ

言われた通りの車両に移動すると

同じ様に乗り過ごした老夫婦が居て

御主人の方が奥さんに

「オマエがモタモタしているからだ…」と

叱責していた

時間は朝の８時～９時の間だったかもしれない

私は店で珍しく飲み過ぎて酔いが回っていた

ボーッと車窓の景色を眺めながら

小田原に着いたらカマボコでも買って帰ろうか

などと呑気な事を考えていた


自分の失敗を思い出し

さっきのサラリーマンに同情するのだった