暴風雨明けで

暴風雨明けの水曜日

仕事前に近隣のスーパーで買出しをしていると

車道に溢れんばかりの若い男性達

何処かの新入社員だろう

大型居酒屋チェーン店から吐き出されて来たようだ

幹事と思われる男性が点呼をしていた

この後は気の会った仲間で２次会へと流れるのかも…

そんな光景を見てしまったら

もしかしたら当店もその流れで忙しくなるのでは？と

甘い期待を抱いてしまった


店で支度を終えて営業開始早々

店の外でガヤガヤと賑やかな声がする

キャッチをしているヒデミがからかわれているのだろうか

カウンターの中をセッティングしていると

ドアが開いて若い男女が入店

同じ会社で働いていた２組のカップルだった

片方が辞めて名古屋へ行ってしまうらしいので

今夜は送別会だと言う

近所のスナックへ入ろうとしたら満席らしく

その店のチーフが当店を薦めてくれたとか

ありがたい


彼らはオカマバー初体験で

しばらくは我々の噛み合わないトークに爆笑していたが

その内カラオケ大会へと突入

中の１人が声がやたらと大きいので

マイクのボリュームを調整するのに骨を折った

途中でＴさんが来店されたが

カラオケの音が気になったらしく僅か５分で出て行った

彼はいつも静かに飲むのが好きなのだ

お席が盛り上がっているグループの傍だったので

少し離れた席へ移動してもらい

そのお席の近くのスピーカーを切れば

カラオケ盛り上がり組にもＴさんにも

不快にならず楽しんでもらえたのにと後悔する


その後もお客様が続き

ヒデミはいつもの様に酔っ払っている

胃に穴が開いていたのではなかったのか

こんな時はお客様にカラむのではないかとヒヤヒヤする

彼女と２人の日に忙しくなるとホント大変だ

お客様が帰った後のテーブルすら片付けない

勿論洗い物は全部私が済ませる

手が空いている時くらい手伝っても良いものだが

意地でもやらない

私はシンクの中の山盛りグラスと延々格闘

つい手に力が入りグラスを一個割ってしまった

ゴム手袋をしていたので手を切らなくて済んだが

あ～あ

ホント疲れるわァ