リッスン・トゥ・ハー

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着替える感覚で眼鏡を、

2011-04-05 | リッスン・トゥ・ハー
メガネを変える。くろぶちにしてみました。けっこう、枠の太いやつです。似合うのかどうなのかわかりません。だけども、変えるってことが大事です。何よりも大事です。あたしはそう思います。悲しみも隠してしまいそうなふといやつです。顔の輪郭がちょっと見えなくなってしまったんじゃないかと思うぐらい太いやつです。たまにはそういう眼鏡をつけてみたくなる気分。春ですし。しっかりと春はやってきました。待てど暮らせどやってこない春だったなら、あたしはそんなもん必要ないと怒鳴りつけてやりますわ。怒鳴りつけてやれば春は縮みあがってぶるぶる震え、あっちに病気の人がいたら頭を撫でてやり、ですよ。

眼鏡をかえてみて初めて、今までの眼鏡がいかに傷ついていたかに気づきます。ぼんやりとしてて、はっきりと見えていない。よくこんなに汚れたと言うか、傷ついた眼鏡をつけていたものだと思います。人間って怖い。慣れって怖い。習慣って怖い。このままずっとその眼鏡をつけていたなら、あたしはもっと目が悪くなっていたことでしょう。ぶるぶるとふるえなければなりませんよこれは。

スプリングコート押し入れから出せば、文明開化の音が聞こえる。

封印の苦闘

2011-04-05 | リッスン・トゥ・ハー
「全然封印できん」

「そんなに封印したいんですか?」

「したいねえ、なによりもまずしたいねえ」

「どうして?」

「だって健康に被害があるじゃない」

「そうなんですか?」

「そりゃもう、かなりのもんよ」

「封印したら大丈夫?」

「大丈夫」

「ではどうやって封印を?」

「ずばりガムテープを使います」

「ずばり?」

「ずばり、と古い言い回しを使ってしまいましたが、ガムテープです」

「ずばり、とは?」

「そこ気になる?」

「とは?」

「まさしく、ってとこかな」

「まさしくガムテープ」

「まさしく」

「しかしガムテープで封印できますか?」

「できるんじゃないの」

「希望?」

「たぶんできる」

「楽観?」

「できないかなあ」

「悲観?」

「OLのお尻を触っていったん落ち着こう」

「痴漢?」

「あかん」