リッスン・トゥ・ハー

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石炭は核よりも危ない

2011-04-18 | リッスン・トゥ・ハー
「いったいどういう意味ですか?」

「危険なんだよ、石炭は」

「しかし、核の危険性は相当のものだと思いますが」

「それをはるかに凌駕しているんだ」

「説明してください」

「いいだろう、聞き終わったあと恐怖に戦きいてもたってもいられなくなるが、いいかね?」

「いいです」

「では説明しよう」

「お願いします」

「石炭の」

「はい」

「あの」

「はい」

「黒光り」

「はい」

「黒く光っている」

「そうですね」

「それがすべてを物語っている」

「は?」

「つまり、黒光りだ」

「黒光り」

「諸悪の根源だよ」

「黒光りが?」

「黒光りのおかげで石炭は危険なのだ」

「ちょっとよく意味が分かりませんが」

「世の中にあんなに黒光りするものはない」

「いや、あるんじゃないですかね」

「ちょっとやちょっとではない」

「はあ」

「それだけ危険だということに他ならん」

「そうでしょうか?」

「対して核は、黒光りしてない」

「はあ」

「だから安全」

「ではないでしょう」

「そういうことだよ」

「もっと納得できるような根拠はありませんか?」

「黒光り」

「それだけですか?」

「黒光りだよ?」

「はあ」

「じゃ、俺、バイトあるから」

「バイトしているんですか?」

「うん、石炭を磨いて黒く光らせる仕事」

「諸悪の根源!」