リッスン・トゥ・ハー

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桜の美しさ当たり前じゃない

2011-04-11 | リッスン・トゥ・ハー
「当たり前よ」

「説明してください」

「つまり、みんな美しいと思い込んでいるの」

「思い込んでいる?」

「思い込みはすごく大きい」

「だから美しいに決まっている、と」

「そのとおり」

「なるほど、一理ありますな」

「納得してないような顔ね」

「思い込みとやらはたしかに大きな要素ではあります」

「そうよ」

「しかしそれだけではない」

「言い切れるの?」

「言い切れますよ、それだけではない」

「たいした自信ね」

「説明しましょうか?」

「ぜひともお願いします」

「桜側の立場に立ってみればすぐにわかりますよ」

「桜側の立場?」

「そう、桜から見れば自分が注目されるのはほんの一瞬でしょう?」

「桜が注目されるのは年に数日ね」

「ですから、当然、その数日のために思い切りおめかしをするわけです」

「おめかし」

「パウダーをはたいて、口紅を塗って、アイシャドウ、つけまつげ」

「女?」

「ゴルフクラブを持って、キャディさんと相談し」

「横峰じゃないよ」

「男の場合も靴を磨きます」

「桜が靴履いているの?」

「タキシードも着ますし」

「タキシード着て靴はいている桜見たことないけど」

「気づいてないだけです」

「いやいや気づくでしょ」

「そんなに熱心に桜見てないでしょ?」

「見てないけど」

「いろんな桜がおめかししてみんなをむかえてます」

「それは感謝しなきゃだ」

「そうですね」

「ありがとう、さくら」

「ありがとう、さくら」