山室湿原、見所の紹介を急ぎすぎて、全体をご覧いただいていませんでした。
山室湿原は面積約1,5ヘクタールの小規模な中間湿原で、米原市の天然記念物に指定されています。
湿原内は木道や説明版が整備され、実際の動植物を観察しながら学べる優れた場所です。
さて、改めて入り口から入ってみましょう。
湿原には低層湿原、高層湿原とその中間である中間湿原があり、山室湿原は中間湿原です。
(ちなみに、京都市内にある深泥池は泥炭やミズゴケが沢山堆積した高層湿原です)
この湿原が成立したのは約2万5000年前。
その頃地球は氷期で、今でもここでは寒冷期の生き残りであるミカヅキグサが代表的な湿原の構成種となっているそうです。
特に第一湿原で多く見られました。
ミカヅキグサ(カヤツリグサ科ミカヅキグサ属)
氷河期の生き残りと聞くと、見る目が変わります。
もう一つ、近くにあった個の星型の植物は、シロイヌノヒゲ(ホシクサ科ホシクサ属)。
こちらは深泥池でも見たことがあります。湿地に生育する植物です。
木道を進むと、木々が点在しています。
サクラの木に似たハンノキの仲間、サクラバハンノキ(カバノキ科ハンノキ属)
遠くからでも目立つ赤い実は何でしょう。
ちゃんとミヤマウメモドキ(モチノキ科モチノキ属)と説明板がありました。
ウメモドキに似ていますが、寒冷期の生き残りで、ここ山室湿原が南限なんだそうです。
説明がありがたいです。
さらに進んで第二湿原方面へ。この辺りから辺りはミズゴケがいっぱい。
木道まで登ってきています。ミズゴケはふわふわして、ミズゴケの層は結構厚みがあります。
茶色いのや(左)、美しい緑のミズゴケ(右)
赤いキノコがミズゴケからにょっきり。
さらに進むと、両側がシダのエリアに入ります。ちょっと普通の湿原のイメージと違いますね。
先に進むと、両側に昨日ご紹介したサワシロギクが登場。
こちらが第3湿原。
木道に倒れ掛かるようにノギランの花後。
カキランもかなり沢山ありました。咲いているときは綺麗だったでしょうね~
ほどなく終点の第五湿原です。サワアザミが沢山あったところ。
終点近くに出口があり、そこから湿原外に出ることができます。
でも私たちは勿体ないので、同じ道を戻りました。
近くで見たシソ科の花(名前が分かりません)
いかがでしたか?
第一から第五まで湿原あると言いながら、まともに写真があったのは第三だけ。
小さい花ばかり見て歩いていたので、全体像が不足・・・
今度行ったら、広~い視野で、あちこち見てみたいと思います。
この湿原はハッチョウトンボの他にも、サギソウがとても美しいそうです。
8月に行ってみたいです。
【撮影:2020/9/21 滋賀県米原市】