なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

四季彩の丘の花を楽しむ~京都府立植物園2024/7中旬(6)

2024-07-27 06:05:30 | 植物

京都府立植物園は東京ドーム5つ以上の広さを誇る、京都で一番大きな植物園。
初めて行った人は、どこから回ったらいいのか悩むこと間違いなしです。
私はいつも北山門から、植物生態園、もみじ林、桜林またはなからぎの森経由で四季彩の丘に向かいます。
(生態園でトラップされることが多いですが・・・)
ご参考までに、マップのリンクを貼っておきますね~→ こちら

今日ははす池から四季彩の丘で見た花たちを中心にお届けします。
もみじ林を抜けると、左手にはす池が見えてきます。



思い返せば、花の時期に来るのは本当に久しぶり。
こんなに沢山生えていたのですね!
しかも花はほとんど純白か少しだけピンクを帯びた花。


全体的には蕾の方が目立ったのと、前日までの雨で傷んでいる花が多い印象です。


京都府立植物園にはこの池の他、アジサイ園の隣にも小さい蓮池があります。
そちらで見た開きかけの蕾がとても綺麗だったので、場所は違いますが特別出演です。


はす池の横を通りしばらく歩くと、四季彩の丘が見えてきます。
それにしても暑い!こんなに暑かったら鳥もお昼寝中かと思いきや・・・


久しぶりにヒヨドリちゃんに出会いました。
右手の赤い実をくわえたかと思うと、あっという間にパクリ。
赤い実は樹名板にもありますがブルーベリーです。
まだ全然熟していないので酸っぱかったでしょうね。


四季彩の丘もザ・夏。


オオケタデが満開でしたね~


アガパンサスもほんの少しですが残っていました。
お洒落な色合いの品種ですね。


こちらは薬草ゾーンに咲いていたギンバイカ(フトモモ科)です。
葉に芳香があり、マートルと言うハーブとしても利用されています。


ハーブ園には見慣れたこの草も。


バジル(シソ科メボウキ属)ですね。おや、ウラナミシジミが蜜を吸っているようです。


近くにこんな花が沢山。


クマツヅラ(クマツヅラ科クマツヅラ属)です。
見慣れたアレチハナガサやヤナギハナガサと同属で、これらをうんと華奢にした感じ。
ヨーロッパや日本全土に分布するそうです。
(その割に、野生のクマツヅラはみたことがありません。)
ハーブ園に咲いているのが不思議と思いましたが、葉は馬鞭草という生薬に利用されるそうです。


ところでクマツヅラの花の辺りをウロウロしていた小さい虫。
名前をGL先生に聞いてみると、「クチナガハリバエ」と言う名前がヒット。
ハエなのに長い口吻で蜜を吸うそうです。

ここらで薬草を離れ、青い花が沢山咲いていたところに移動。
思った通り・・・


こちらはツユクサを豪華にしたような花、オオボウシバナです。
ツユクサの改良品種で、滋賀県草津市で京友禅に下絵用の染料として栽培されていました。
通称青花です。

和風の花はというとこちらも・・・


カワラナデシコですね。自生に花を見ることがなくなってしまいました。
昔は結構咲いていたものです。

最後は何度かご紹介したこちらの花。


チユウキンレン(バショウ科)です。
見ての通りバナナの仲間で、黄色い花弁のように見える部分は苞です。
実際の花はと言うと・・・


ちっちゃ!でも蜜が出ているのかアリさんが沢山集まっていました。

ということで、四季彩の丘に咲いていた花たち、これくらいにしておきますね~
細かく見たら色々と咲いていましたが、暑さに負けました・・・

【撮影:2024/7/13, 15  京都府立植物園】

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生態園の木々の花を楽しむ~京都府立植物園2024/7中旬(5)

2024-07-26 05:26:53 | 植物

今日は植物生態園で咲いていた木々の花です。
例によって、名前後載せ方式ですので、名前当てクイズもお楽しみくださいませ。
(その割には、特徴の分かる写真ないやんけ~と言う声がどこからか・・スミマセン!)

1つ目です。
今の時期に花が咲いているんですね~
実は有名なのですが、花はついつい見逃してしまいます。


そばかすがチャームポイント。
全体を見たら分かりますよね!


お馴染みのマンリョウ(サクラソウ科ヤブコウジ属)です。
植物生態園ではあちこちに点在しています。

2つ目です。
海辺の植物などが見られるゾーンで咲いていたこちらの花。



青紫の花が爽やかです。
全体はこんな感じ。


海辺で見たことがある方も多いのでは。
ハマゴウ(シソ科ハマゴウ属)です。
昔日本海沿いの海辺で一度だけ群生しているのを見たことがありました。
その時はとても丈が低かったですが、生態園のハマゴウは結構背が高いです。
で、こちらをご覧ください。



え、ハマゴウでしょ?
いえいえ、こちらは桜ゾーンで咲いていたミツバハマゴウです。
どうみてもハマゴウそっくりですが、こちらは南西諸島の内陸部に生え、低木状になります。
書いていて疑問が・・・植物生態園のハマゴウは「ハマゴウ」の樹名板がありますが、どうみても木。

3つ目です。
植物生態園のハマゴウのすぐ隣で咲いていたこちらの花。


見ての通り、アオイ科フヨウ属、ハマボウです。
海辺に生える低木で、塩水に強く、満潮時潮に浸かっても大丈夫なんだそうです。
それにしても、ハマゴウにハマボウ。ハマゴウの別名にハマボウというのもあり、混乱しそうです。

4つ目です。
同じエリアで咲いていました。


星型?太陽型?の花はとても小さいです。
中央が黄色い花には蜜があるらしく、もれなくアリさんが集まっていました。
ちょっと引いて見てみるとこんな感じです。


葉がツヤツヤですね。こちらはハマナツメ(クロウメモドキ科ハマナツメ属)。
その名の通り海岸沿いに生育します。
花はナツメによく似ていますが、属は別で、実も全然違います。
実も特徴的ですが、探しても分かりやすい写真なし。今度実ったころに撮ってきます。

5つ目です。
ここからは海辺を離れます。みんな知ってるこの花は・・・


コムラサキ(シソ科ムラサキシキブ属)です。
普段里山などで見かけるのはムラサキシキブがほとんどで、野生のコムラサキは絶滅危惧。
一方で庭木として植えられるのは実付きのよいコムラサキの方が断然多いです。

6つ目、本日最終です。


ハンゲショウやマタタビなどでは、一部の葉が白くなりますが、この白いのは葉ではありません。
小さい黄色い花が集散花序を作っていますが、その外側の花の萼がこのように白くなるそうです。
おそらく虫を呼ぶための目印なんでしょう。
次の写真でみるとよく分かりますね。


こちらはヒロハコンロンカ(アカネ科コンロンカ属)。
低山の渓流沿いなどに自生していたそうですが、今では絶滅危惧なんだそうです。

今回はこれだけ。
ほんの少しハギも咲いていましたが、品種が分からず掲載を断念しました。
次に行った時には、もっといろいろ咲いていることでしょう。

明日は場所を四季彩の丘とその付近に移し、そこで咲いていた花をご紹介しますね~

【撮影:2024/7/13, 15  京都府立植物園】

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生態園で見た橙・桃・黄色の花たち~京都府立植物園2024/7中旬(4)

2024-07-25 05:30:10 | 植物

植物生態園で見た花の後編は、青・紫以外の色の花をお届けします。
青系以外ということで、オレンジやピンク、赤紫、黄色やクリーム色など何でもありになってしまいました。
それでは、名前後載せ方式、名前当てっこしてくださいね!

お、向こうの方にオレンジ色の花が見えてきました。


あれ、ユリは昨日だったのでは・・・


いえいえ、こちらはススキノキ科ワスレグサ属のヤブカンゾウです。
(もっとも、分類が変わる前はユリ科だったようですが)
見ての通りこちらのヤブカンゾウはとても美形。これまで見た中で一番美しい花です。


花弁にとまったクモは、ササグモでしょうか。

それでは2つ目です。
こちらは分かりますよね。まだ咲いているとは・・・


こちら、萼片の間が反り返っていないので、ヤマホタルブクロでしょうか。
名札がなかったので自信がありません。
淡い赤紫色がいいですね。

3つ目はこちらです。


こちらはイセハナビ(キツネノマゴ科イセハナビ属)。
見たことのある形の花ですが、それもそのはず昨日載せたユキミバナと同じ属です。
もう少ししたらスズムシバナも咲き始めます。
今回イセハナビの花がパラパラと咲いていました。


4つ目は少し場所を移します。
一番沢山生えている場所ではまだ蕾。こちらは別の場所で一輪咲いていました。


マメ科ですね。
花もですが、花に迫っている青虫が気になります。
アップにしてみました。


この花の形見たことありますよね。そう、アレチヌスビトハギの花によく似ています。
今回写し損ねましたが、葉の形が全然違います。
こちらはフジカンゾウ(マメ科ヌスビトハギ属)。似ているのも当然、同じ属でした。

湿地ゾーンに移動します。


花がないですね~
途中見たのは、以前は宇治川畔でも咲いていたこちらの花。
5つ目です。


イヌゴマ(シソ科イヌゴマ属)です。
全国の河畔、湖畔、田んぼなどの湿地に生えます。

6つ目は、えーっと、これ何だっけ?


最近はGL先生に聞いたら大抵の花の名前は分かるので高をくくっていたのですが。
後ろに写っているツリフネソウの葉が邪魔して、名前がなかなか分からない~
おそらくチゴザサ(イネ科チゴザサ属)だと思います。

木道を渡り切った向こうに色々な花が咲いていました。
7つ目はこちら。


これは簡単!キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)ですね。

8つ目です。
葉がほとんど写っておらずスミマセン。でも花が結構特徴的なので分かります・・・よね?


こちらはアキカラマツ(キンポウゲ科カラマツソウ属)です。
花がカラマツの葉に似ていることから名付けられたそう。
長野県高遠でこの草の茎を煎じて健胃薬にしたことからタカトグサとも呼ばれているそうです。
ものすごく苦いので、消化液の分泌を促して健胃に役立つのだとか。

9つ目です。
この花、可愛くて好きです~


こちらはマキエハギ(マメ科ハギ属)。
ちょっとネコハギにも似た雰囲気の花ですが、ずっと繊細。茎の細さを見てください。
毛も生えていません。
全体の雰囲気が蒔絵のようなので、マキエハギと名付けられたという由来が分かります。

10個目、ラストです。
たった一輪、生態園に残っていました。


ヒオウギ(アヤメ科ヒオウギ属)です。
祇園祭で飾られる花として有名です。
実は真っ黒でツヤツヤで、射干玉(ぬばたま)と呼ばれます。
四季彩の丘にも沢山咲いていますが、色が少し薄いオレンジ色なので種類が違うのかも。

ということで、植物生態園の花はこれでおしまい。
沢山咲いていました!

【撮影:2024/7/13, 15  京都府立植物園】

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生態園で見た青・紫・白の花たち~京都府立植物園2024/7中旬(3)

2024-07-24 05:24:19 | 植物

今日と明日は植物生態園で見た花をお届けします。
前半の今日はこの時期目立つ青系・紫系の花と白い花です。
例によって、名前後載せ方式にしますので、名前当てっこしてくださいませ。

1つ目は、あるところにはあるこちらの花。


こちらはユキミバナ(キツネノマゴ科イセハナビ属)。
1993年に発見された新種で、福井県・滋賀県の限られた場所に分布します。
希少種ですが、一度定着するとどんどん増えてくる印象です。
ここ京都府立植物園でも、こんな感じの群生地が何か所もあります。


2つ目はこちらです。


サルビアっぽい?それ、正解です。後ろ姿になりますが、こんな感じで。


こちらはナツノタムラソウ(シソ科アキギリ属)。
サルビアっぽいのは当然、同じ属でした。
アキノタムラソウに比べるとずいぶん色が濃いです。何と京都府では準絶滅危惧種。

3つ目はこちら。


淡い紫色が綺麗です。アップで見ると毛深い!


こちらはアキノタムラソウ(シソ科アキギリ属)ですね。こちらはどこでも見られる花。

4つ目です。こちらも結構増えてきていますね。


次の写真は答え付き。スズカケソウですね。
鈴懸とは、修験者の法衣のことなんだそうですけど、調べてみると結袈裟の方に似ているようです。

5つ目です。
もう咲いてるの!と驚きました。地元の自生地では8月末頃に咲きます。


この特徴的な花、ご記憶でしょうか。とても嫌な匂いがします。
上の写真、花の左手にはもう四個一の実ができていますね!


カリガネソウ(シソ科カリガネソウ属)です。
こちらも絶滅危惧種です。

6つ目です。簡単そうに見えますが・・・


こちらはたった一輪咲いていたアポイキキョウ(キキョウ科キキョウ属)です。
キキョウとの一番の違いは草丈でしょうか。背が低いです。

7つ目はこちら。背が高いです。


こちらはキキョウ。雄性先熟なので、上の花はまだ開きたてのようですね。
そして、下の写真は雌蕊の先が開いているので、雌性期です。


8つ目も白い花で。
湿地ゾーンに咲いていました。


こちらはヌマトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)
オカトラノオのお仲間ですが、直立していて湿地に生えます。
花はオカトラノオとほとんど同じですね。


9つ目は、たまたま見つけた花。
一輪だけ咲いていました。


メガネツユクサ(ツユクサ科ツユクサ属)です。
結構育てやすいとのウワサですが、近場ではあまり見かけません。
京都府立植物園にあったとは!

10個目、本日ラストです。
これが見たくて、2日間も足を運びました。
最初に行った時はこんな感じ。


今にも咲くかと思いましたが、さすがに見ている間に開くことはなく・・・
そして、その2日後に行った時にこんな感じ。



これぞ一番見たかった花、レンゲショウマ(キンポウゲ科レンゲショウマ属)です。
私だけではなく、この花目当ての「カメラマン」が入れ代わり立ち代わり続々と現れます。
下を向いて咲くので、皆さんかがみこんで立派なカメラで長時間の撮影。
全然順番が回ってこず、結局望遠で撮影しました。
まあ、これから次々と咲いてくるでしょう。

【撮影:2024/7/13,15  京都府立植物園】

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日本のユリの花たち~京都府立植物園2024/7中旬(2)

2024-07-23 05:20:50 | 植物

昨日はプロローグということで、華やかな園芸種のユリの花やその他の花をご覧いただきました。
今日は植物生態園や希少植物エリアに咲く国産のユリの花を一挙大公開!
・・・と言うほど沢山見たわけではありませんが、やっぱり植物園といえばこれですよね~

球根ガーデン横から植物生態園に入ると・・・お~咲いています!
この距離感でもすごく濃い芳香!


緑濃い生態園の園路脇に少し重たげに頭を下げて咲いているこちらは、ヤマユリ(紅筋)。
ヤマユリの突然変異なんだそうです。


ヤマユリも豪華ですが、赤い筋が入ることでさらに華やか!
でもこの紅筋という漢字と赤い筋を見ると、ついつい筋肉もりもりを思い浮かべてしまう私です。



ちなみに、最近よくブロ友さん方の投稿でもよく見かけるヤマユリは、京都府では絶滅種。
つまり野生では全く見られなくなりました。
60年ほど前までは「エイザンユリ」というヤマユリが自生していたそうです。
今は、大切に栽培されて残っています。

そのヤマユリは、植物園会館前の鉢に植えられて咲いていました。


植物生態園にもう一種類咲いていたこちらのユリ。
たった1本、名札もありません。




ひょっとして、こちらはサクユリでしょうか。
ヤマユリのそばかすのない突然変異とのことで、伊豆諸島にのみ自生しているそうです。

もう一種類、貴重なユリが咲いています。
植物生態園ではなく、絶滅危惧種園の近くで咲いています。


見ての通り、カノコユリによく似ていますが、柱頭が少し小さくて真っ直ぐっぽいところが違うそう。
徳島、高知、長崎の山中の崖っぷちに下垂して咲くことから、崖百合と名付けられました。
でも崖がなぜタキ?
私はてっきり滝のあるような場所で垂れ下がって咲くので滝ユリかと思っていました。
調べてみると、四国では崖のことを「タキ」というそうです。



京都府立植物園では崖はありませんが、小さい水路に垂れ下がるようにゴチャゴチャと咲いていました。
今年は花付きがいいようです。


植物生態園にはもう1種類、ユリ科ユリ属の花が沢山咲いていました。
こちらだけは、あちこちで繁栄しています。


こちらはオニユリです。
日本では全国で普通に見られ、なんと今年は道草散歩でも花を見つけました。
三倍体なので種はできませんが、葉腋に付くむかごで増えます。
写真には写っていませんが、こちらのオニユリにもちゃんと沢山黒いむかごが付いていました。


なお、山地の草原や、低地の湿原で見られる同じような花は、コオニユリです。
こちらはむかごが付かず、ちゃんと種子を作ります。
近場では見かけることがありません。

生態園には、もう一種類、黄色いオニユリが咲くのですが、タイミングが遅く萎みかけでした。
温室の高山植物室に1本綺麗に咲いていたので、こちらをご覧ください。


こちらはその名もオウゴンオニユリ。
オニユリの変種で、対馬にのみ自生するそうです。

最後は、「私も入れて~」のユリ科さん。ただし、ユリ属ではありません。


こちらはご存知ウバユリ、ウバユリ属です。
花が満開になるころ葉が枯れるので、「葉がない」=「歯がない」=「姥」と言う名前が付いたそう。
でも私が見るウバユリ、どれも立派な葉が残っています。


横から花を見ると、まるで歯のように蕊が見えるのも特徴的。


ふぅ、いかがでしたでしょうか?
案外沢山咲いていましたよ~

【撮影:2024/7/13, 15  京都府立植物園】





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