なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

ガガつながり

2020-09-17 05:40:51 | 植物

ガガといえば、レディーガガを思い浮かべる人も多いと思いますが・・・
ここに来られる人はどんなガガが頭に浮かぶでしょうか。

昨日まで続けた京都府立植物園特集、最初は水生植物特集も予定していました。
ところが、期待していたあの花が去年あった場所になく、遠いところにしか咲いていません。
その花とは・・・そう、ガガブタ(ミツガシワ科アサザ属)です。


語感から、「がが豚」と思われがちなのですが、鏡蓋(かがみぶた)が転じてガガブタになった・・・
という説明は去年投稿したときにも書きました。
葉が鏡のように艶々して、水に蓋をしているからだそうで・・・
この写真ではどうしようもないので、少し前に行った宇治市植物公園で見た花を・・・


この毛むくじゃらの花が実にキュート♡
結構沢山咲いていました!でもよく見たら、こちらの鉢には「ヒメシロアサザ」の名札が・・・
あれれ?


こちらが以前大阪市大理学部附属植物園で見たヒメシロアサザご本人(ご本花)。
上の写真はやはりガガブタのようです。乗っ取っちゃったのかな。

(2019/10 大阪市大理学部附属植物園)

もうひとつ、この季節になると見たくなるガガ、それはガガイモ(キョウチクトウ科ガガイモ属)です。
数年前には宇治川沿いで大繁殖していたガガイモ・・・
その場所は、昨年の大浚渫でなくなってしまいました。
今年も見られるでしょうか。
ということで、9月初め、宇治駅から下流域を歩いてみました。
すると、ありました!
前に大繁殖していたあたり、少しだけですが残っていました。


少し遠い場所に白花も! 白花のマメアサガオと仲良く並んで咲いています。


 

ちょっと花付きが物足りなかったので、1週間後に再訪。


ガガイモの花はいっぺんに咲くのではなく、徐々に咲くようです。
期待していた花束状態は全然見られず、先に咲いた花は折からの雨で濡れた毛皮状態・・・


こちらはもっとみじめな感じに・・・(笑)


ガガイモというのは変わった名前ですよね。そこで、名前の由来を調べてみました。
ガガイモの「ガガ」は古名のカガミに由来するという説明をあちこちで見ましたが、そもそもそのカガミはどこから?
唯一なるほどと思ったのが、京都園芸倶楽部のブログに書かれていた説明です。
「古語で他のものにまとわりつくカズラ(蔓)のようなつる性の植物に冠せられる名前で、分解すると「カガ」=「蛇」と「ミ」=「身」になる」そうで、漢字では「蘿摩」と書きます。
古事記では少彦名命がガガイモの実を2つに割った天之蘿摩船(あまのかがみのふね)に乗ってきたという伝説があるそうです。
その実ですが、宇治川左岸で冬に見かけた写真がたった一枚ありました。
こんなちっちゃい舟に乗って大国主命の前に現れ、国造りを手伝ったというのですからすごい!


ちなみに、ガガイモのイモは地下にある芋ではなくて、この実が芋みたいだから・・・
という説が有力だそうです。

他にも、旧ガガイモ科の葉には毒があるのでアサギマダラの食草になります。
そのおかげで、アサギマダラの幼虫にも成虫にも毒が蓄積し、捕食者に狙われないのだとか。
どうりでふわりふわりと優雅に飛ぶはずですね。
でも、ガガイモは日当たり良すぎる場所によく生えているので、普通はイケマなどに産卵するようです。

最後に、一昨年見かけた宇治川の群落の写真を。またこんなに増えるでしょうか・・・




最後の最後に・・・
ガガイモの葉はつやつやして葉脈が良く目立ち、一度見たら記憶に残ります。
結構その辺に生えていることも多いので、探してみてくださいね~

【撮影:2020/9上旬他 京都府立植物園、宇治川畔】

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする