夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

たばこの必要性を主張するJTと愛煙家と政治家の欺瞞

2008年06月19日 | Weblog
 東京新聞の読者の投稿欄に愛煙家の投稿があった。1箱千円なんて、ふざけるな、と。その言い分がまことに筋が通っている。
 千円の根拠は増税と健康被害を少しでも少なくする事にある。それは医療費の削減にも繋がる。ただ、喫煙者が減れば目に見えての税収は減るから、意味が無い、などとそれこそふざけた発言をする政治家が居る。
 投稿者は次のように言う。

 「たばこがそれほど健康を害するものなら、“禁煙運動”でなく、麻薬並み扱いの「禁煙法」で禁止薬物にしたらいい。できるわけないよね。自民党の票田で何かと優遇してきた葉タバコ栽培農家や、たばこ店を失業させられないし、税金だけはがっぽり頂こうなんて虫がよすぎる。
 あなたたちの言う“害毒”を吐き続けるたばこという“麻薬”。それを民間企業とは名ばかりで、政府の意のままになる日本たばこ産業(JT)に独占的に扱わせて、原価の十倍もの値段で売りつけるのか。これは本物の麻薬を扱う闇社会の人たち以上の小汚い商いじゃないのか。
 ま、千円になったら、私はどんなに困難でもきっぱり禁煙する。が、それでもたばこを買う愛煙家がいたら、現在のように肩身の狭い思いをさせないで、「高額納税者」として、いろんな場所で優遇し、丁重に扱ってあげてくださいな」

 いちいちごもっともである。今だって、吸わない人間の健康を守ると言いながら、きちんと税収だけは確保している。嫌煙権があるなら愛煙権もある、などと公平に見せ掛けて、その実、目的は税金とたばこ産業に関わる人間からの支持だけが目的なのである。
 日本たばこ産業は、その正式名称は隠して、「JT」などと公称して、「たばこ」の名前を使わないようにしている。そしてあのギョーザ騒動で馬脚を現した。
 愛煙家と言うと、すぐに喫煙権を声高に主張する人間が登場する。そこでは常に人間としての基本的な権利の言い争いに終わり、たばこの税収としての価値には目もくれない。だが安心した。こうしたきちんと判断の出来る愛煙家も居る。単にそうした人々の出番を奪っていたに過ぎない。

 プールで毎日のように来ている人とたまたま話す機会があった。十年前にたばこをやめたら、食事が旨くてどんどん太ってしまった。それで今は増えた体重を泳いで減らしているのだと言う。咳も出なくなったし、たばこは良い事少しも無い、と言う。今では泳ぐのが仕事になってしまった、と笑っていたが、本当に健康その物に見えた。
 喫煙権と言う美名の下に税金だけが目当てで、人々の健康を損なって、何とも思わない。汚い政治家も日本たばこ産業のお偉方も、この先は長くはないから、それで良いが、未来のある若者を犠牲にする事は絶対に許せない。

 自分一人の寿命を縮めるだけなら、どうぞ御自由に。だが、他人の大切な命を損なう事は断じて許してはならない。そんな事ごくごく当たり前の事だ。だがその当たり前がなぜか通らない。それは金儲けにしっかりと裏打ちをされているからである。そこで筋が曲げられてしまうのだ。「喫煙権」を主張するのはそうした事なのである。
 たばこが許されるなら、マリファナだって許される道理である。麻薬と同じ作用があるのは同じである。全く同じとは言わないが、習慣性や健康への被害で言えば、同じである。だが、マリファナでは税金は取れない。だから禁止しているに過ぎないのである。
 ホント、たばこで汚い金儲けをしている人々よ、どんどんお吸いなさい。愛煙権を堂々と主張なさい。そしてどんどん御自分の寿命を縮めなさい。何をしようとあなたがたの自由なのですよ。ただし、言っておくが、それは自分一人の範囲内での事である。