夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

AIGの大赤字と保険の胡散臭さ

2009年03月09日 | Weblog
 AIGの大赤字について3日に述べた。不安と隣り合わせの保険を商売にしている会社を助けなければならないと言う経済の仕組みがまるで分からない、と書いた。その疑問に答えてくれるような記事が8日のメルマガ「頂門の一針」1467号に「山堂コラム 日本から吸いとれ」として載っているので、そのごく一部を御紹介したい。郵政民営化への私の疑問にも答えてくれている。以下は所々、省略してある。

 AIG、去年の10~12月の四半期で5兆9800億円の欠損(史上最大)。その欠損どこに行ったのか? ハゲタカどもがみんなで山分けして食っちまったんだろう。
 それでも新しいオバマ政権はAIGにまだジャブジャブ公的資金を注入するのだという。その金は日本から吸い上げる。クリントン(新国務長官)のおばさんが作り笑いしながらやって来たのも一番の目的はそれ。
 「日米構造協議」乃至「年次改革要望書」ですでに枠組みができている。「構造協議」で米国が日本に圧力をかけ始めたのはブッシュの親父の時代。急速に推し進めたのがブッシュの息子。それと組んで郵政民営化や規制緩和に狂奔した小泉・竹中のグロバリ改革路線―――武部や秀直らがいくら擁護しようとも、「猫騙し・小泉劇場」から覚めた有権者にはもう分かっている。
 ハゲタカの狙いは日本の郵貯と健保年金のカネであること。分かったら止めればいいのに官僚は懲りない。まだやっている。厚労省からの天下り役人ども(年金積立独法)。
 オラたちのカネ(厚生年金積立金)を株などに賭けてすった額、去年の10~12月は5・7兆円。AIGの欠損と時期・赤字額ともあまりに符丁が合い過ぎる。
 厚生年金の積立金。回り回ってAIGへ注入の米国公的資金に化けちゃってる―――としか思えない。

 ね、分かり易いでしょう。AIGはそれでもまだ足りず、アリコ、アリコと我々を攻め立てている。アメリカンホームダイレクトも同じだ。地井さんもいい加減にCM出演やめればいいのにねえ。せっかく「ちい散歩」などで首都圏では人気を取っているけど、自分で墓穴を掘っている。
 私は常々「邪推でいい」と思っている。我々にはわずかな情報しか与えられていない。そこから真実を見抜く事など無理な話。だから様々な情報を組み立てて、邪推でもいいから、自分なりの結論を追究しようではないか。テレビ・新聞の情報だってどこまで信用出来るか。毎日新聞が調査をして小沢氏は党首をやめるべきだ、との声が圧倒的に高い、との報告をしているが、その調査の正確さを我々は検証する事が出来ない。言うならば、どんな事だって可能なのである。

 テレビでは相変わらず小沢問題で番組を組んで意気盛んだし、新聞は政府の高官の「国策捜査ではない」との発言が問題だ、と言っている。私はこの「政府高官」との言い方が気に入らない。まるでものすごく立派で偉い人のようじゃないか。はっきりとどこの誰だ、と言えよ。
 それは別としても、結局は誰も彼も「同じ穴のむじな」なのである。上記のコラムのように小泉が我々を騙した事は明白になっているが、現在の内閣は違うのだ、とは言えないし、野党だって、政権を取ったらどうなるか分かったもんじゃない。政治資金規正法を作ったって、抜け穴ばかりではないか。支出では1円でも領収書が必要だ、などと言っていたが、何だ、収入は取り放題じゃないか。よくも我々選良を騙してくれたもんだ。もっとも、選良を騙しても怖くない、騙されても騙されても懲りない我々の欠陥もあるんだけど。でも、よく恥ずかしげも無く、テレビに顔を出せるよなあ。まあ、それくらい面の皮が厚くなければ、とうてい政治家は務まらないのだとは思うが。

 共同通信の調査では、民主党の人気が少し落ちて、自民党の人気が少し上がったらしいが、それでもどちらも決して高いとは言えない。つまり、それが今の国民の意識なのだ。誰も彼も信用ならないと。きのう、田中真紀子氏が繰り返し言っていた。騙されていてはいけない、真実を見よう、と。


4 コメント

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Unknown (kojitan)
2009-03-10 00:53:01
こんばんは。
夏木さんのブログはやっぱり面白い。語り口とかも含めて読みやすいのです。だからこうしてコメントを書くのが楽しいのでもあります。
新聞のいっていることなんて、必ず主義主張が含まれていて、どうしても邪推しなきゃ読む事なんて出来ません。本当に新聞にお金を払う価値なんか無いんだと思います。
私たち日本人はもっと自分なりに真実を見抜く力を身につけなければならないと思いませんか。そして、メディアや政治家、役所はもっと謙虚に国益なるものを考えるべきではないでしょうか。企業においては、雇用のこともそうだけれども、社会に有為か無為か、常に考えるべきです。

唐突かもしれませんが、昭和12年頃の書籍で敗戦後GHQに焚書されてしまった書籍に「武藤貞一:日支事変と次に来るもの」と言うのがあるそうです。その中で、著者は「戦争の兇悪性はいふに及ばぬ、たヾしかし、「平和」が世界の不均衡を是正する力のないこともまた戦争と同様に兇悪である」と書いてあるそうです。
 要するに平和な世の中も不条理を解決することの無い意味において、それは兇悪だというのです。安定や平和というのはそういう罪作りな部分があるのかも知れません。本文とは話が随分とそれてしまいましたが、そんなことを感じながら、コメントさせてもらいました。
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光栄、身に余ります (夏木広介)
2009-03-10 10:29:04
 「語り口とかも含めて読みやすい」とは嬉しい事を言ってくれるものです。実は私、ある著名出版社から「切り口が上手くない、これでは読者は付いて来ないよ」と言われていて、原稿はなかなか本になりません。それで色々と工夫を凝らし、修練も積んでいるつもりなのですが、それが少しは実って来たのかな、と自信が少し湧いて来ました。
 「平和な世の中も不条理を解決することの無い意味において、それは兇悪だ」とは深い言葉だと思います。我々は「平和」と言う言葉に騙されてしまいます。上っ面だけを見て、中身を見ようとしない。だからいつも簡単に騙されている。
 「邪推でいい、自分の頭で考えよう」と題する原稿を今、ある出版社に送ってあります。新聞や書籍、辞書などに訳の分からない事が書かれている事があり、それには何らかの理由がある。その理由を、少ない材料を基にして自分の頭で考えよう、そうすると何かが見えて来る。材料が少ないのだから、それは邪推かも知れない。でも邪推でいいじゃないか、なによりも、自分自身で考える事に意味があります。
 邪推、とは言っていますが、本心は「邪推した事は真実に近い」と思っています。売り込みが失敗したら、「語り口」を改めて出直すつもりです。
 勇気を与えてくれるブログって、ホントいいもんですね。
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Unknown (qw)
2009-03-10 20:48:37
[田中真紀子氏が繰り返し言っていた。騙されていてはいけない、真実を見よう、と。]>

真紀子は偉そうな事言えないでしょう。
その資産全部が、角栄が国民から騙し取った金じゃないですか。
恥を知る人間なら表に出てこないでしょう。
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qwさんへ (夏木広介)
2009-03-11 12:14:25
 おっしゃる通りだと思います。田中角栄氏がどのように財産を築いたのか、よく知らないのですが、アメリカが日本を食い物にしているのは事実なので、結局は国民から巻き上げた事になるのでしょうね。それに建設業界とつるんで、大儲けをした事も間違いないでしょう。
 ただ、私は娘の真紀子氏は、はっきりと物を言う所が好きなんです。目白の自邸は半分は相続税で物納したから、かなりの物は国民に返した事になるのでは、などと脳天気に考えていますが。そうか、地元にはまだたくさんの財産が残っているか。
 ロッキードでは真紀子氏は色々な事を知っているはずです。証人としてはっきり物を言えば、裏で誰が暗躍していたか更に明白になると期待しているのですが。まあ、親の恥は恥として、贖罪のためにも、隠された事を明らかにする責任もまたあると思っています。小泉内閣の事にしても、余人なら言わない事も、彼女ならずけずけと言うでしょうから。彼女を出場停止処分にしたら、喜ぶ人々が居るのではないでしょうか。 
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