夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

無駄な仕事を無くせば、復興資金は税金を上げずに済む

2011年09月07日 | 社会問題
 原発が立地する周辺地域では電気料金の割引が行われているのを初めて知った。仕組みは国が地方自治体に給付金を交付する形である。つまりは税金である。自治体はその支払い業務(給付金の計算や住民達への現金振り込みなど)の実務を天下り法人に独占受注させていた。その団体は、財団法人電源地域振興センター。経済産業省OBが四代続けて理事長を務めていると言う。そしてこの団体は実務は実際にせずにすべて電力会社に丸投げしている。2010年度はそれで3800万円を得ている。しかしそれは決算額だから、あるいはもっとずっと多いのかも知れない。結局、実務は電力会社がすべてやるのだから、この団体は丸儲けである。そしてこれは氷山のほんの一角である。
  
 こうしたまさに無駄遣いの典型のような「装置」が一体全国にどれほどあるのだろうか。そうした物をすべて積算すれば、税金の値上げなどせずに復興資金は賄えるだろう。文句を言えない庶民にみんな押し付けて、知らん顔を決め込んでいるのは、常に一握りの連中なのである。
 そう言えば、国会議員の定数是正はどうなってしまったのか。事業仕分けもどこかに消えてしまった観がある。

 事業仕分けでは蓮舫氏の「世界一じゃなきゃ駄目なんですか」が有名になったが、あの言葉は一部だけを取り出されて誤解された、と同氏は語っていたが、一部だけ取り出したって十分に意義のある言葉である。ほんのわずかの違いで世界一は世界二になってしまうのである。一位と二位が桁違いに違うのであれば、世界一を目指すのは当然だが、ほんのわずかの差に追い付こうと必死になって、莫大なカネを掛けるのは愚の骨頂だろう。
 確かにスーパーコンピューターは素晴らしいが、それがあったからと言って、あの津波の被害が防げた訳でもないだろうし、今回の台風の大きな被害が防げた訳でもない。もっと地道にやるべき事がたくさんある。震災の復興だって、原発の被害の回復だって、一向に出来てはいない。

 上を見る事は大切だが、足元を見る事はもっと大切だ。向上心がいくらあっても、足元の穴に落ちたのでは元も子も無い。今の日本は自分の足元を見なさ過ぎる。