千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

六十里越

2013年10月24日 | 日記

 六十里越雪わり街道と呼ばれている。
日本の百名峠のひとつ。

5:30  出発。
浦佐近辺の朝霧が幻想的だった。
夫が、友人の携帯に電話。
9:00  「大内宿」到着の予定。

6:00  日の出前の朝焼けの色が美しかった。旧守門村辺り。
朝霧は、六十里越までつづく。


7:19  田子倉ダム湖



9:00  大内宿着。予定通りだった。
 夫は東京時代の友人と再会。15年ぶりらしい。夫人も一緒だった。
私は初めてだ。挨拶を交わす。やさしく、あったかなお二人だった。

9:45  大内宿を見渡すことができる高台で。
 江戸時代からつづいた、半農、半宿の宿場。藁葺き屋根を維持するのは大変だと思う。交替で屋根の葺き替えをやるらしい。



10:04 布工芸の店。こんな土産物、物産店がつづく。



10:23 よろづや。名のごとく、なんでもありの店?



10:06 大内宿といえば「ねぎそば」。箸の代わりに、ねぎでそばを食べる風習。



10:20 三澤屋。



 ほとんどの客が「ねぎそば」を注文。
私は、麺類はあまり食べない。味が濃い麺類を避けるようになったせいもあるが。他は「けんちんそば」があるというので・・・
薄味で麺も小さく切ってあった。お椀も大きく熱かったが、ゆっくり食べた。おいしかった。



 福島の人々の現実も聞いた。
お客が増えて来たので、声高に語れないものもあったが、近況を知ることができた。明日に向かって、負けないで生きる姿勢と、明るさが素敵だった。
病気、腰痛、みんないろいろあるのだな、とも。

塔のへつり へつりとは、川に迫った険しい断崖のこと。



吊り橋    下を流れるのは大川。阿賀野川源流域のようだ。



国天然記念物 塔のへつり




 今年の春は、観光バスが来なかった。東日本大震災、原発事故以来、観光客の足はばったり途絶えた。
秋が来て、土日、祭日でもないのに、観光バスも車もやってくる。
喜ばしいのに、少し複雑な心境。
置き去りにされて、忘れられて、思い出したようにやってくる。

 うつろう季節のように、
きびしい冬のあとも、平和で、美しい春が必ずやってくると願って・・・

14:20  田子倉ダム湖



 湖面はやわらかな陽を浴びて、キラキラと美しかった。
来年の再会を約束。いい一日だった。

 夕方前に帰宅。

 往復313キロ走行。 運転ご苦労様。






ポ・ポーの実

2013年10月19日 | 日記

 朝、仕事場に行くと、
テーブルの上に、珍しい実があった。
 あけび?
 違う・・

「お母さんに似たポウ・ポウだって」と、夫。

 スタッフ2人がクスクス笑った。

 正確には、「ポ・ポー」、という名称らしい。
 形状は、あけびに似て、腰のように両脇がへこんでいる。
 最近の私みたいな形。

 お昼に、夫と半分ずつ食べた。
 美味だった。
 こんなおいしい物食べた事ない、そんな気さえする。
 マンゴーにも似た食感。タネの大きさも気にならない。

 秋だな~。 つくづく思う。

 おかげで、毎日いろんなものに出会えるんだから。
 なつめ、かりん、つっつらごに効くという木の実。
 夕方は夫の大好物、柿が届く。すでに渋抜き済み。

 明日は?
 などと欲張るのはやめて、寝ようかな。

 ポ・ポーって私みたいかな。天然ぼけとも言われるから・・・

              2007・10・24 (日記)

 つっつらごとは、帯状疱疹のこと。方言も、未だ分からないことがある。
 つっつらごに効く実も忘れた。





 絵画教室に入ったら、何となくただよう甘い香り。
 先回いただいた野菜の中の小さな丸いピーマン、初めての食感で美味しかったので、先輩(年齢ではなく、技術の上での)に名称を聞いた。「その名のごとく、子供ピーマン」だそうだ。
 今日も違うのを持って来た、とのこと。
 拡大した新聞記事と、甘い香りの正体を知ることとなった。かごに盛られたあけびのような実。
 新聞記事には、「ポ・ポー」と書かれてあった。カリウム、ビタミンA・C、鉄分等々が含まれていて栄養価が高いとも。
 完熟した実は3日くらいしか持たず、あとは落下してしまう、と先輩は言った。
 私も、他の人たちもいただいた。
 匂いがきつくて敬遠した女性もいた。



 私は匂いに敏感だ。
 好きな甘い香りだったし、何よりも思い出が甦ってきた。
 PC教室に通っても覚えられずにいた「ポ・ポー」の私が、レールの上をヨチヨチ歩きし始めた頃に書いた日記である。
 簡潔に短文であること・・・
 いつのまにか短文からはみだしてしまう私になった・・・



 翌日食べた。
 なつかしい匂いと味。
 大きい実は10センチあった。さすがに落下寸前。さつまいものように黄色かったが、やわらかすぎて味わいにも欠けた。種は、5、6個入っている。
 中くらい。8・5センチ。小は7センチ。
 2007年をなつかしんで、味わい深く食べた。





 今朝も寒く、霧が立ちこめていた。
 校庭の桜の木の向こうは何も見えない。




 散歩は、周囲の風景を楽しみながら歩くのが1番。
 寒くて、足の動きが鈍い。




 帰り道、校庭の一隅にあるビオトープのミゾソバ(タデ科)を撮る。
 浮き草で水面が覆われている。メダカや小魚たちを保護するためにあるのだろう。




 今まで気がつかなかった校庭のマユミ(ニシキギ科)
 秋なのだ。
 実は赤く色づき、葉も紅葉がはじまって、一歩、一歩、秋が深まっていく。

 災害がつづくが、
おだやかに、あたたかく、私たちを包み、守ってくれる秋であってほしいものだ。



秋まつり

2013年10月14日 | 日記
 八色の森 市民まつり
 10/13(日) 南魚沼市八色の森公園


 公園の随所にある秋桜畑。
 まだ咲いていた。
 前日から気温が下がったまま上がらない。
 厚着をして出かける。




 やっぱり秋桜は秋の花。
 青空と調和して心をはずませる秋の花。




 階段を上って公園に入ると、ステージでは、にぎやかな音響とよさこいソーランが始まるところだった。
 横手から入ったので踊り子の顔は見えない・・・
 PCに挿入して、はじめて気づく。
かつては素敵な美女たちだったのだろう。全神経を集中させてエネルギッシュに踊る。
 凄いな~。中年女性のパワ~。




 この寒空でも、子供たちは元気。金魚が掬えなくて悔しいね。


 テントの下に、空いているテーブルと椅子があった。
 生ビールを飲み、娘夫婦が買い求めてくるものを食べる。だんだん身体があたたまってきた。




 椅子に腰かけたままで、視線を人の群れに。おしゃれリュックというものなのだろうか、母親らしき女性と歩く女の子を発見。腰の下までぶらさがるようなリュック姿。朝のドラマで観たようなスタイル。「あまちゃん」だったかな。





 知人のブースがあった。
 ステージの音楽に合わせて踊っていた。寒いから身体を動かしているのだそうだ。あちこちのイベントに出没。明るい人だ。





 寒空も、太陽が顔をだして暑くなった。勿論、厚着などしていられなくなった。
 会場の人出も多かった。晴れあがったのが幸いしたのだ。





 夜は、地域のはなび大会があった。
 秋はなびは初めての試み。
 夜は寒くなった。冬ものを羽織っても寒い。
 娘は同級生たちと。
 娘婿と小3の孫は私たちと。
 小1の孫は、ガールスカウトのキャンプに参加・・・


 秋の夜空にあがるはなび、空気が澄んでいて素晴らしかった。
 デジカメは持たずに出たが、
 秋はなびの感動は心に焼きついた。

 秋の一品 芋の手のキンピラ

 さつまいもの収穫が始まると、茎の部分の皮を剥いて、キンピラを作る。好みで、コンニャクや厚揚げなどを加える。故郷を離れると懐かしくなるふるさとの味覚。




 ずいき(八つ頭の茎)の酢の物

 真っ赤に、色よく、味よく出来た。
 茎の皮を剥く。アクが出るので、水に浸け、塩を加えてさっと茹でる。アクの出た湯を捨て、水洗いせず熱いまま、すし酢、醤油、好みによっては砂糖を加える。次第に真っ赤になっていく。さっぱりと美味しい秋の味覚。


















芸術の秋

2013年10月10日 | 日記



ひたひたとしのびくる秋
はらはらと落ち葉舞う秋


ふわふわと白い雲浮かぶ秋
そよそよと風そよぐ秋


さらさらと清らかな水辺の秋
アカノマンマを茶碗に盛った秋


置き去りにされて頬杖をついた秋
遠い昔のことは忘れたようにやってくる秋


空はどこまでも青く澄みわたる秋
雲の梯子をするする登って
どこまでも行けそうな
秋の空
                          (azumi)





 妹から、秋の展示会出展作品が届いた。
 また一段と腕が上がっている。
 品位がある。
 お見事!


 葉紋大皿(33×33×85)




 葉紋壺(16×16×20)




 笹紋組皿(15×15×4)






 南魚展もあった。
 但し、撮影禁止。絵画教室の方々のみ一部撮らせていただいた。

 奨励賞 八海山初雪




 奨励賞 青いスカート




 新潟日報美術復興賞 窓辺で




 無鑑査 彫刻 春には





 芸術の秋・・・
 私には該当しない世界。
 お絵かきのほうが当てはまるようだ。





 ほうずきをパステルでデッサンしてみた。
 色は24色。使い方が分からないまま、教室を休むことになったので、改めて先生にご教示願った。描いている内に少し慣れてきた。
 24色では不足なのだそうだ。

 次の教室時に、絵の先輩がパステルと、「パステル」、「水彩」、2冊の本を持って来た。本はしばらく貸して下さるとのこと。何て親切な。絵の会の人はみんな親切だ。
 デッサン用に持ってきた野菜までいただくはめになった。重たそうに運んでいる私に、車まで何か運んであげるよ、と助け船が現れたり、だからこの会はずっと続けたいと思う。
 描きたいという意欲が消滅しないように・・・

 公民館まつりも近い。
 出展できる作品がない。
 さて・・・



足ならし登山

2013年10月02日 | 日記

 平標山に登って来ました。
 楽しかった~。
 10月は苗場山です!!

 その話しを聞いたとき、
堪えていたものが、プッツンと切れて落下した。

 よ~し、負けないぞ。
 私でも登れる山といえば、六万騎山か、坂戸山か。
 だが、坂戸山はまだ自信がない。

 お盆前、庭の草取りで膝を悪くして、正座が出来なくなった。
 腰椎すべり症のため、1年前からリハビリを受けていた。

 目標は、1時間のウォーキング、山歩きができるようになること、だった。

 朝散歩のコースを以前の川べりにしたら、Hさんに出会った。
「あっちゃん、どうしていたの」
 心配そうに尋ねる。
「農道をまっすぐ歩くトレーニングをしているんです」
「こっちも歩いてよ。見かけなくなって寂しかったわよ」
 四方山話をして、「あっちゃんたちは、私の子供みたいなものだから」と言われたときは嬉しくなった。私や妹たちのことを懐かしんでくれているのだ。
 Hさんが、毎朝息子さんのお墓参りに通うこの道も歩こう。
 足ならしに行こうと決意したのはその時だ。
 負けないぞ。登るんだ。

 娘夫婦から、母の日にプレゼントされたトレッキングポールを手に、今年3度目の六万騎山。

 時折、葉が落ちる音。
 関越道の車音。
 どこかの山での工事音がこだましてくる。
 ガサっと、栗の実が落ちる。
 枯葉の敷かれた山道。
 だが、まだ秋のたたずまいは感じない。
 野菊やミズヒキの花。

 あっ、あれは。
 同行の夫に言われて気がついた。
 もしかして、マユミ・・・
 マユミだ。嬉しくなった。
 だが、近づけない。
 ズームで撮ってみた。



 大きな木のそばにまたあった。




 マユミとは違うような気がする。
 季節が早すぎる。
 実ははぜていたが、葉が色づいていない。
 11月の湯沢トレッキングコースで、出会った感動を思い出す。実の外殻はピンクで種子は真っ赤だった。

 後で調べた。同じニシキギ科のツリバナらしい。

 六万騎山321M頂上。
 平和の鐘。
 やっと着いた、と鳴らしたくなる鐘だ。



 六万騎城趾。




 上田長尾氏の武将福島大炊督正為の居城があった。本丸・出丸・詰丸の配置や全山の様相を見ると、兵六万収容可能と伝えられた名に叛かぬ一大要害化された名城であって、南北朝時代には両党の死闘が繰り返された所であり、長尾氏入国以来坂戸城の守りのためには無くてはならぬ山城の要害であったと推定される。(郷土史より)

 頂上に咲いていた野菊。




 11時には、昼食のおにぎりを食べる。

 撮る花もない。

 何の木だろう。










 田園地帯は秋の気配。
 田んぼの稲が刈り残されていたり、魚野川がゆるやかな曲線を引いて流れている。
 坂戸山の向こうは霞がかかっている。


 秋は、ゆるやかに、まったりと、私を包んでくれている。
 これからが秋本番。
 足ならし登山ができてよかった。