千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

キクザキイチゲ

2012年03月30日 | 日記


     
 昨日、今日と、小春日和。
 落ち葉や枯れ枝を押しのけて、芽を出し、葉を広げ、花が開いた。
 可憐な花、キクザキイチゲ。
 キンポウゲ科の多年草。山野草だが、我が家の庭に春を告げる花として咲く。
 オオイヌノフグリよりも早く咲いた。




 花言葉。静かな瞳・追憶。

 花言葉のやさしさに引き寄せられるように、外気のあたたかさに誘われるように、デジカメ片手にウォーキング開始。

 雪消えの早かった近所の庭のクロッカス。
 黄色は幸せ色そのもの。



 学校の庭。桜の枝に春陽が眩しい。





 学校の裏手は、田んぼも道も一面の雪原。そして八海山。



 通院する病院前で撮った八海山。昨日。
 西山丘陵地は雪が深い。三月も終わるのに、まだ雪の壁が厚い。


 木曜日は、院長の病室回診日だと思った。
 だから外来が空いているのか。
 すぐに呼ばれた。
 診察室は院長だった。
 あれ、と思ったがどうでもいい。
 退院してから二度目の診療である。
 心なしか、院長もゆったりと落ち着いている。
 退院後の身体の状態とか、スポーツセンターに通っていることなどを話すことが出来た。

 母が何度目かの入院・・・
 あれは平成十四年頃・・・
 院長が主治医だった頃・・・
 病室に回診にきた医師に、ベッドから手をさしのべて抱きついた母。
 先生、会いたかった。先生。
 よしよし、大丈夫ですよ。早く治しましょうね。
 その頃の医師は小太りで、患者受けするようには思えなかった。
 母は、入院中はむろん、退院後もしばらくは医師の名を口にしていた。
 あれから十年になるのに、少しも年齢を感じない。
 痩せて、スリムになって若くなったのだろう。
 ただそれだけのこと。
 会計待ち、薬待ちの合間に文庫本に眼を通し、心の奥では、途切れた記憶が甦ったりする。
 この病院の記憶ではない。
 背中に、痛みを伴うおできが出来て切開してもらった医師の記憶。
 私はまだ若かった。三十代だったか。
 その医師も熱血医師。四十歳ぐらいだった、と思う。
 切開した傷跡が治まらず、何度か通院した。
 受診最後だという日、なぜか看護士も誰もいなくて、医師は湧かしていたらしいコーヒーを飲ませてくれた。
 なんだか寂しくなるね。今日でお終いだと思うと。
 そんなことを云った。
 頭の中がかーっと熱くなったことだけ覚えている。
勿論、こんなことは他言しない。
 その後、その医師は見かけなくなった。
 どうでもいいこと。
 人生の、塵みたいな思い出。

 こんな、小さ点みたいな思い出、唐突に目の前をよぎったりする。

 春。

 キクザキイチゲ。

 追憶。

 お家ご飯。

 代わりばえのしない、豆腐を使った二品。

 塩麹木綿豆腐サラダ。



 木綿豆腐ステーキのあんかけ。




 塩麹仕込み鶏もも肉と野菜の炒め蒸し煮。







春彼岸

2012年03月23日 | 日記

大好き
簡単に誰にでも
云ってしまいそうな言葉だけれど

大好き
言葉には責任がある

だから
簡単に誰にでも
云ってはならない言葉でした
                       (azumi)


 やわらかな、踊るような書体で文字を書いたのは私・・・
 心をそっと包むように、書いた文字はこぼれそう・・・

 あんなときがあったんだ。
 飛びはねていた心を持っていたなんて・・・

 若い作家の本を読んでいる。
 文庫本。
 作家名も題名も伏せる。
 私の読み方。
 気に入ったら、何冊かまとめ買いをして読む。
 途中であきたらやめる。
 残雪あり。
 彼岸隠しの雪が降る。
 只今、静養中。

 じっと我慢している。
 じっと我慢している。

 雪解けの水が、音高く流れ出す春を待って、
 木々の芽が、やわらかなひざしの中で萌え出すのを待って、
 待って、待って、待って、
 倒れる前の自分に戻る日を待って・・・

 明け方、夢をみた。
 追いかけられている夢。逃げても、逃げても追いかけられる夢。
 まともに歩けなかった私。
 鮮明にくっきりと残る夢。

 じっと我慢の、
 日常にいる自分が、口惜しくもある。もどかしくもある。
 あせらずに、ゆっくりと、ゆっくりと・・・

 声を出して語りたい。
 声を出して笑いたい。

 切れそうになって抑えきれなくなった私に、
 メールが届いた。

 少し暖かい一日です。
 来週ですが、三人会をしませんか。

 わおっ!
 嬉しい春便り!

 ちゃんと血圧を測って、筋力トレーニングに出かけた。

 本日、春の彼岸が明けたようだ。
ぼたもちを作らなかった。小豆は煮ようと買っておいたのに。
両親よ、ごめんなさい。
秋は必ず作ってあげるから。おはぎを楽しみにしていてね。

 春彼岸。
供え物もした。
全部写真を撮った訳ではない。


 いなり寿司。



 五目ご飯。



 ワカメと芽かぶとろろ。



 五目煮。



 ちらし寿司と芽かぶの佃煮(薄味)。




春のいざない

2012年03月16日 | 日記

表現しがたい ふしぎな色あい
雪原は光をはらみ
影おちた池は
シャーベットが溶けやらぬ
浅い池なのに ふしぎな錯覚
すくいあげたい 強い衝動
衝動は 魂を貫き
眠りこけていた
もう一人の自分を 揺さぶる

おいで おいで 
何をしているの

やわらかな感触
唐突に抱きあげ
やわらかな春の接吻
やわらかな春のいざない

                         (azumi)




 池田記念美術館。
180度パノラマのエントランスホール。
明るく開放的な空間と景観の美しさに息をのむ。
四季のうつろいを楽しめる。








 「吉田 明 作陶展」開催中。
○ 陶工吉田明が遺したもの
○ やきものの本源を問う

 しょせん人間として生まれてきたら一生あくせくと働くのが宿命。同じ働くなら、自分の好きな仕事をして生きて行くのが幸せ。
冬が長い所は 春を待つ力が・・・
ここで生きてくには覚悟がいる。雪でもなく金でもない覚悟。

 吉田 明

1948年 東京青梅に生まれ、独学でやきものを始める。
      八王子、青梅、日の出町にて活動。
2005年 十日町市に移住。「妻有焼」としての作品作りを始める。
2006年 「大地の芸術祭」に参加。
2008年 12月5日 死去

 ビデオ紹介もあった。七輪陶芸、ミニ窯、紙窯など独創的な技法でやきものの常識を破った。それは活気的であると同時にやきものの本源を探索する行為であった・・・

 夫の知人のお誘いで出かけたのだが、冬眠、春眠からたたき起こされた感がした。
自分勝手な鑑賞を楽しむことは好きなのだが・・・




 お天気がよかったので、足ならしをしてみた。
トレーニングマシーンで歩くのとは違う。
デジカメ持って、山がよく見える場所まで10分、15分・・・
山が真ん中に入る位置まではあと5分。だが、引き返した。
無理をしないことにした。
明日晴れたら歩こう。
歩くことが、こんなにも大変なことだったとは。
気長に行こう。
自分に負けてしまいたくないから。



 お家ごはん。
 豚ロースの塩麹ソテー。
 豚ロース2枚を塩麹をスプーン2杯混ぜて30分おく。残り野菜、豚ロースはオリーブオイルで野菜を炒め、肉も蓋をしてじっくり焼く。作り置きの味醂ダレを少々かける。豚肉のソテーもたまにはいいものだ。

 ここのところ、塩麹のメニューが多い。
昨日も豆腐ハンバーグだし、今朝も野菜の蒸し煮だった。
 さてさて・・・彼岸メニューを考えなくては。



呟き

2012年03月09日 | 日記

何が云いたいの
何を呟きたいの
黙ってないで
心を洗いざらい
呟いてしまったら・・・

かなしかった
さみしかった
涙・・・
そう 少し 泣いた日もありました
思いっきり泣けないなんて
かえって苦しいだけ・・・

たのしかった
嬉しかった
心・・・
そう 心を大切にしようと思いました

私が
吐いた言葉は
戯言です
自分勝手な一人言です
無責任な呟きです


身近な愛を
大切に 大切にしようと思いました
人は愛から出発するのです・・・
                         (azumi)

「こんにちは」
「あら~azumiさん!」
 三ヶ月ぶり、
そう三ヶ月ぶりだった。
 友人たちのあたたかな笑顔に出会ったのは。
 コンサートの打ち合わせをそろそろ・・・と、友人。
 山行きは当分おあずけね。これは、山仲間。
 分かっているわよ。その辺をまず歩いてから。
 あせらずに、ゆっくりとね。
 誰かの声が聞こえる。
 そっと入ってきて、私の背中を窺っている。
 ガラスケースに映った、ぼやけた顔に手を振った。
「は~い!私よ!」
 笑顔が近づく。
「元気そうじゃない。よかった~」
「はい!初めて遊びに来たの」
「歩いて?」
「まだちょっと無理ね。車です」
 久しぶりの語らい。またたくまに時間は過ぎた。

 この前、届け物を持って店に来たのは一月だった。
 瞳が違う。光がある。
 とても元気そう。
 友人が云った。

 みんなに会えたから・・・
 そうなのだ。
 瞳は嘘をつかない。
 瞳は正直・・・



 八海醸造((株))前にある八海醸造直営店「車屋」。
 贈答品の詰め合わせを買いに出かけた。
 姉妹店「千年こうじや」麻布十番店三月三日オープンの話を小耳にはさんだ。
 越後魚沼の食と文化を紹介する店だとか。
 折しも塩麹ブームである。
 車屋に塩麹もあったが、
酒粕でつくる酒麹もつくってみたい。



 娘に塩麹を送った。塩麹のカブ漬けも入れた。
 カブが美味しかったようだ。
 野菜をオリーブオイルで炒め、塩麹だけで煮込んだら美味しく出来て感激の電話。昨日の朝は、塩麹入りのパンが出来たと写メールが届く。



 その後、パンがふわふわでとっても美味しかったとまたメールが来た。
 麹はすでに買ってある。これからケーフサレをつくるのだとか・・・
 そしてまたメールである。
 豆やら野菜をごっそり入れてつくるフランスの塩味のケーキは、結構上手く出来たから写メールと思っていたのに、友だちが来て全部食べちゃったので、里帰りしたときつくってあげるね、とのこと。

 私とは違い、娘たちは料理上手。お菓子やケーキなども上手い。
 誰に似たんだか・・・
 写真に収めたお家ごはんは、本日取りやめ。

 呟き・・・

 そうそう、最近思うこと。
 あいさつに欠けているような気がする。

 おはようございます。
 こんにちは。

 人と人とのつながりの基本は、あいさつからだと思っている。
 あいさつなしに、いきなり会話に入る。
 ネット社会のせいか。
 つぶやき、
 ツイッター、
 時代の流れか。
 句読点を入れない。などなど。

 単に、私の呟きに過ぎないが・・・



早春

2012年03月02日 | 日記


     
今日まで
生きてきたの・・・

今まで
眼を瞑って
生きた訳じゃないの

何も
見えなかった訳じゃないの

心はいつも
何かをみつめていたわ

眼を覆いたくなるようなことも
あったけど・・・

心が捕らえてくれたわ
心が抑えてくれたわ

とにかく
生きてきたの・・・

心の持ち方で
人は生きられるわ

心は
人を信ずることもできるわ

だから
生きているの・・・

今日も
明日も
明後日も

ずっとずっと
自然に還らなければならない
その日まで・・・
                        (azumi)


 早春・・・
 雨が降りそうで暗くなってきた。
 だがザワザワと気配がする
 春のざわめき・・・
 お下げ髪にした女か、少女が、暗い空の彼方を見ている。
 少女ではない。
 女でもない。
 あなたはどなた?
 振り向いた顔は、にかっと笑い、足早に姿を消した。
 つまり私の、想像上の分身・・・


 最近、若手女性作家の作品を読んでいる。
 中軸となるものをしっかり置いて、テンポが速く、主人公は何を言いたいのだろう、などと考えさせてはくれない。途中では投げ出せない魅力があることにも気がついた。
 作品の魔力・・・吸い込まれて読んでいる自分に年齢など介在せず、主人公の傍らに自分がいるから不思議である。

 早春・・・

 寒かったので、サンルームで囲っていた植木鉢のことをすっかり忘れていた。枯れかかったものもある。花芽がでていたカランコイ・・・
 慌てて、水やりをした。

 昨年もこんなことがあった。
 だが、全ての鉢はちゃんと芽生えた。

 春なのだ。



 昨日、浦佐の病院に出かけた。
 まわりは除雪で高く積まれた雪の山。
 越後駒ヶ岳がずいぶん遠くに見える。
 あの山と除雪の山との間にKさんは住んでいた。
 瞬時に、
Kさんが不治の病でこの病院に入院したこと、お見舞いに行くべきかどうか、付き添っているのは恋人だったこと、一昨年コンサート会場で再会したこと、雑草が生え茂った工房、作品になれなかった茶碗の数々が乱雑に捨てられていた。
 Kさんの葬儀は12月1日だったこと。
 友人の車で、初めて訪れた工房。仲間と作り上げた工房。素朴でアジアンティストな装飾が施されて、そのたたずまいに魅了されたこと・・・歳月は、暮らしを変え、Kさんが恋人と生きてきたことを聞いたのも昨年の晩秋・・・
 看取った女性のことも、豪雪の中で忘れてしまっていた。

 お家ご飯。
 鶏胸肉塩麹ソテー。




 鶏胸肉386㌘。薄くそぎ、半日塩麹スプーン2杯に混ぜ合わせる。フライパンにオリーブオイル少々、中火でじっくり焼く。柔らかくて、とても美味しい。


 里芋の含め煮。




 暮れからいろんなことありで、里芋を食べきってしまわないと傷む。
 それで、含め煮に。一度塩茹でをし、ぬめりをよくとってから弱火で煮た。
 酒、味醂、醤油、あるいは塩麹でも試してみた。
 これは、塩麹なしの方。柔らかな薄口の旨味がとても美味。

 もやしと豚バラ肉の塩麹和え。




 もやしはサッと茹でる。豚バラ肉は食べやすいように切り茹でる。
 用意しておいたドレッシング(塩麹大さじ2 酢大さじ1 ごま油少々 ブラックペッパー少々、刻みネギ少々を混ぜる)をかける。色はよくなかったが、さっぱりとしてイケる。

 早春。
 明日は女の子のお節句だ。