千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

うおぬまめぐりの旅

2012年10月28日 | 日記


 妹が帰国。
 母の墓参と、姉妹のミニ旅行も計画。
 妹も、体調を崩して検査入院。退院後も回復が遅れた。
 私も同じようなものである。
 一泊旅行も自信がなかった。

 元気な妹たちがプランを立てた。

 前々日は湯沢に行った。
 私は整形外科の予約日だったので、時間があまりなかった。
 妹の運転する車中での会話が弾んだ。

 大源太川?巨岩がゴロゴロしていた。水が少ない。



 湯沢大源太湖、ダムサイトの下。豊富な水が滝になって流れ落ちていたの
に・・・



 旅の初日は大雨。
 行楽を楽しむことも出来ず、やむなく宿に直行。
  谷間の温泉宿。
川を挟んで宿が連なる。
 情緒もあったのだが、期待は見事に外れた。
 ネットで申し込んだ妹が詫びた。
 宿の、客への対応にも問題があった。

大した客ではない。
 だが、おもてなしの心は大切である。
 古い宿でも、それなりのぬくもり、清潔感がなかったら・・・

正座がきつい私のために椅子を用意してくれた。
 接客のおばさんもニコニコしていた。
食べ始めようとしていた時、サイレンが鳴った。
 10月23日。17時56分、中越地震発生の時間だった。八年目である。

宿の料理。
 イワナの塩焼き、ニジマスの刺身、カレイの煮付け、車麩の煮物、カキノモト和え物、越後もち豚のシャブシャブ、ウドのキンピラ、等々。



何かが足りない。味つけだ。
 妹たちも同じことを言った。

八年前の、あの日、あの時を思い出して、語りながら食べた。
 八年前のあの前日、
母を祝って、大源太のビッチーニで食事をした。母と姉妹、大源太湖で写真を撮った。
 その夜は、ナスパニューオオタニホテルで温泉を楽しみ、みんなで食事をして、私だけ家に帰った。
 地震は翌日起きた。
 家にいた私共は勿論、大パニックが起きたのは言うまでもない。
ごう~っという地鳴りのような音が先に来た。後は恐ろしいほどの揺れ・・・
 妹たちも母も、ナスパニューオオタニホテルにいた。

東日本大震災時も、池袋の東武百貨店にいた妹が言う。
 地震災害の恐ろしさを。

母に、顕著な異変が起きたのは中越地震後からだった。
 八年・・・
 母との日々が走馬燈のように駆けめぐる。
 だが、思い出さなくてもよい。
 忘れることだ。そう決めていた。

 宿の家庭風呂。




 露天風呂。(翌朝撮影)



 写真だけ撮って、広い温泉に入った。
 少しぬるめであたたまる、いい湯だった。

翌日もぱっとしない天気。降ったり、止んだりの。


国指定重要文化財、佐藤家。中越地方の豪雪地に分布する中門造りの形式を持つ民家。(1738年建立)





 目黒邸にも行ったが、工事中だった。それにしても寒い日。

以前よく訪れた絵本の家も、留守のようだった。


山古志に向かう。

 アルパカがいた。人なっこい顔で寄ってくる。




 山古志の紅葉はこれからのようだ。



魚沼めぐりをして来たが、天候が悪くて残念だった。
 アグリコア越後ワイナリー・レストラン「葡萄の花」で遅い昼食を食べた。
 ピザもスパゲッティも美味しかった。
 ワイナリーで、ワインのお土産を買う。
 試飲コーナーで、何杯も試飲した。美味しかった。

 翌日の県境の写真。妹から届いた。紅葉が綺麗だ。




昨日から風が強かった。山々の赤みが増した。
 今は冷たい雨に変わった。





ドラゴンドラでたしろ高原へ

2012年10月21日 | 日記

  
苗場―田代ゴンドラ
(ドラゴンドラ)
全長:5481m (世界最長) 定員8名/所要時間:片道25分

苗場からたしろ高原をつなぐ“ドラゴンドラ”は日々刻々と表情豊かに姿を変える紅葉を眼下に、雄大な“平票山”や神秘的な“二居湖”を眺めながらの約5・5kmの空中散歩をお楽しみいただけます。
※ 季節・天候などによりご覧いただけない場合がございます。

田代ロープウエー (日本一の瞬間地上高230m)

全長:2175m 定員:91名:片道約10分

地上230mから見る景色は息をのむほどの絶景。山頂駅からはエメラルドグリーンの“田代湖”や“苗場山”など雄大な山々が見渡せます。国道17号線からも乗り口が近いのでアクセスに便利です。
※ 上に同じ

ドラゴンドラ&田代ロープウエー 乗り継ぎOK!


 パンフレットにある謳い文句に誘われて、友人たちに誘われて、期間中割引のチラシにも誘われて、苗場まで出かけた。

 苗場プリンスホテルは、紅葉バイキングなど一部営業。
 ドラゴンドラも紅葉営業なので、10月6日(土)~11月4日(日)迄。

 11:15
 苗場・田代ゴンドラ(ドラゴンドラ)山嶺駅。



 11:26 
 眼下に見る清津川。谷間を流れる清らかな流れに、心を奪われた。チョロチョロから、少しずつ川幅を広げ流れ落ちていく。
「何という川だろうね。透き通るような川だけど」
 誰も思いつきもしない。勿論、私も。



 後で知った。
 清津川だということを。
 清津峡から、湯沢トレッキングコースから見た清冽な川・・・

 12:26
 たしろ高原。霧雨のような小雨が降ってきたので、レストラン「アルム」に入る。お弁当を持参したのだが、何か一つ食券を買えば弁当を広げてもいいと言われた。高原のレストランは寛大だ。
 おにぎり、あんぼ(餡や野沢菜入り)、漬物、ゼンマイ煮物、佃煮、ミョウガの酢漬けなどが並び、生ビールやコーヒーの食券を買った。
 雨が止むと、高原の谷間から次々と霧が昇る。外に出て、写真を撮っている人もいた。



 13:42
 田代ロープウエー、神楽ヶ峰登山道の道標。
 ロープウエーまでは、上ったり下ったりの歩道が片道20~30分。今の私にはきつい。時間もなく、取りやめた。



 13:52
 あたり一面霧が昇ってくる。田代湖からだ。



 14:23
 霧の田代湖。晴れあがったら、エメラルドグリーンの田代湖が一望できそう。 カッサ湖(ダム湖)ともいう。



 14:51
 帰りのドラゴンドラから見た二居湖。
 霧にけむって、神秘的な眺めである。



 14:52
 ドラゴンドラのアップダウンによって瞬時の風景が変わる。



 14:55
 ドラゴンドラ眼下の清津川。



 14:56
 清津川の上を、平行して、蛇行して、ドラゴンドラは山嶺駅へ。



 ドラゴンドラの名付け親は、
苗場プリンスホテルでのコンサートで有名な松任谷由実だそうだ。

 楽しい一日だった。
 が、疲れは、二日後にどっと来た。







秋の心

2012年10月14日 | 日記


全てが調和の中で
満たされるとしたら

私はむしろ
不調和の中に
やすらぎを求めたい

はかないもの
ほろびゆくものを
愛したい

歓喜のあとに訪れる
言いしれぬ寂寥

憩いのあとに
前ぶれもなくやってくる空漠

長い沈黙のあとにこみあげる
伝えられなかった言葉への私憤

心もはかなく
はかないものはいつかほろびゆく

つかのまの調和のあとに
やってくるものは
不調和の心

                 (Azumi)



 はっきりしない秋の天気。
 からっと晴れた日があったか、どうだったか。
 残念なことに、その気候に左右されてしまいがちな私の身体。
 昨日、今日と、冷たいほど冴えきった大気の中を歩いた。
 歩調がすこぶるよかった。

「寒くなりましたね」
「歩くと暖まりますね」

 時たま出会う女性とにこやかに会話。

 熊避けの鈴らしきものをぶら下げている女性にも出会った。
 用意周到な人だ。

 昨今は、いつ出会うか分からない。
 熊にも可愛そうな話。
 ブナの実がないのだ。
 冬眠も危うい。

 昨年の晩秋、湯沢トレッキングコースで、木から落とされたスズメバチの巣を見た。
 ハイカーが避けて通っていた。
 帰りは片づけられていたのを覚えている。

 空は雲ってきた。
 途中で、洗濯物を室内に。乾きが悪い。

 先日、病院のリハビリの帰りに八色の森公園に寄って、少し歩いて来た。保育園児たちが大勢いた。幼児の発する声は可愛い。デジカメ持参だが写真を撮るのはやめた。
 暑くもなく、さわやかな秋の陽気だった。









 整形外科医の問診で、手先のリハビリも依頼してあったので、コースとしては2時間である。
 絵筆やデッサンの鉛筆を持つ筋力がない。
 このまま安穏と過ごせないと思った。
 絵画教室も少し休ませてもらうことにした。

 太極拳は、できる範囲でこのまま続ける。


お家ご飯。

栗ご飯。



聖護院蕪(間引き)の浅漬け。



ナラ茸汁。



ミョウガの甘酢浸け。





今朝の花。

ミゾソバ(タデ科)



ノギク(キク科)



 明日は、友人たちとの約束で出かける。





ふれあいコンサート

2012年10月08日 | 日記



 第8回 ふれあいコンサート

 とき:10月7日(日)
 開演   13:30
 ところ:湯沢町公民館

 連休で娘親子が来ていた。
 前日から肌寒くなり、湯沢に向かう頃は雲行きも怪しくなった。
 天気予報は雨だった。
 午前中から湯沢の友人との約束があった娘に、私は電車に乗るからいいと伝えた。たまに電車に乗るのも悪くない。それに、歩いた方がいいのだ。
 駅での待ち時間を考慮して、斜めかけバッグに文庫本を忍ばせることを忘れなかった。駅までは夫に車で送ってもらう。魚野川の河川敷に凄い人の波と車、送迎のバス。駅に着くと閑散としている。どこかでイベントをやっているのか。
 駅での待ち時間は30分ほど。お古だがジャケットを羽織ってきてよかった。  ホームの風は冷たく、手作りの綿ストールを巻いてちょうどよかった。電車内はほどほどの乗客。と思ったのは間違いだった。隣の駅での乗降客が凄い。後で知ったのだが、
 B級グルメの祭典が、塩沢で開催されていたらしい。
 聞いたことはある。関心もないので、すぐに忘れる。

 私の目的は、湯沢公民館ホールである。

 湯沢駅も凄い人だった。
 軽食を摂る。
 時間がない。
 風も出て来た。
 私の歩きで、開演5分前だった。

 デジカメの電池が少ないかもしれない。
 充電器の点検を怠ってはいけなかった。
 出がけに40分の充電では、何枚撮れるだろう。


 ホールの入り口扉前で、Hide&Yoshiさんが笑顔で出迎えてくれた。

 オカリナのNさんも来ていますよ。

 ああ、よかった。


 ふれあい実行委員会の挨拶

 コーラス  「あすという日が」     チェリー会




大空を 見あげて ごらん
あの枝を 見あげて ごらん
青空に 手をのばす 細い枝
大きな 木の実を ささえている
いま 生きて いること
いっしょうけんめい 生きること
なんて なんて すばらしい
あすと いう日が あるかぎり
しあわせを 信じて
あすと いう日が あるかぎり
しあわせを 信じて

 3・11の復興への祈りを込めて歌い、広がっている歌。
 知人のSさんがいた。彼女と、もう一人の歌声が強く響いた。上手いなあ。

 津軽三味線は、写真が撮れなかった。

 ハーモニカ演奏         湯沢ハーモニカクラブ





 ギター&歌               Hide&Yoshi

 わたしたちのねがい (湯沢町町民憲章) 高橋英夫作曲


美しい自然につつまれた
雪のまち湯沢
きよらかな
愛情あふれるまち
すこやかな
活力みなぎるまち
さわやかな
誰もが訪れたいまち
みんなで明るく住みよい
文化の香り高い町を
つくりましょう



 Hideさんのギター、Yoshiさんの透明感あふれる歌声、Hideさんもギターを弾きながらハモる。うう~ん、なんて素晴らしい夫婦デュオのお二人。何度聴いてもうっとりする。
 作曲はHideさん。湯沢の住民なら誰でも知っている。昨年春先までいた孫も口ずさんだ。



 愛のよろこび  ジャン・ポール・アルティーニ作曲 

 ジョーン・バイズの歌をHideさんが力強く歌い、ギターを弾く。





 旅愁

更けゆく 秋の夜 旅の空の わびしき想いに ひとりなやむ



 Yoshiさんのソロ。澄み切ったなんていい声なんだろう。うっとりして、吸い込まれていきそうになった私である。



 コカリナ演奏                湯沢コカリナクラブ



 さわやかな音色がとてもよかった。

 これでデジカメは電池が切れたようだ。
 湯沢公民館、湯沢駅を撮れなくなった。

 空は、まだ雨を落とすことが出来ずにいた。
 あっち、こっち、黒雲が固まって会議中。
 どうか、いきなり土砂降りなどということはないように。
 コンサートの余韻を、どうかそのままに。

 Hideさんがにこやかに頭を下げる。

 わざわざお出でいただいて、本当にありがとうございました。

 私も笑顔のお裾分けをいただいて、湯沢駅に向かう心は充足感があふれていた。

 帰りの電車を降りた頃には、
空は暗雲に支配されていた。