千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

泉盛寺

2013年07月28日 | 日記

 泉盛寺は800年以上続くお寺のようである。
 現住職は103代目とか。
 泉盛寺(せんじょうじ)と読む。
 泉盛寺という集落にあり、由緒ある真言宗のお寺のようであった。

 第八十七番札所 弘盛山 泉盛寺

 集落から石段で境内に登れるが、車の道路も整備されて本堂前の広い駐車場に着く。石段の古い山道が保持され、石段の続きは石畳の趣きよい道である。
 鎮守の鳥居が横に建ち、林の中を抜けて観音堂に出る。十一面観音を安置した本堂は大日如来を祀る。



 叔父の三十三回忌法要があった。

 私は、車の送迎をしただけだ。
 念のため、デジカメをバッグに入れた。
 送迎といっても、迎えは料亭美松まで。
 お寺の坂道が急勾配。
 こんな所をのぼって、降りる、ちょっと不安。
 いとこがなにやら合図をしている。
 いとこの妹の顔が見えた。
 東京から来たのだ。
 挨拶を交わした。
「Sちゃんもこの前来たんだけど、忙しいらしくアメリカに帰っちゃった。Yちゃんも来たんだけど、北海道に帰っちゃったの。私にお声がかかったのだけど、女性一人、あっちゃんに会えてよかったわ」 Sちゃん、Yちゃんは喪主の妹たち。
 一年ぶりの再会。
 法要までに間があったので、少しおしゃべりをした。
 以前から思うのだが、清楚な女性、清潔感が漂っている。
 原宿のMビルで古着屋を夫婦で営んでいたなんて、慎み深い和装の彼女、よく 似合っていただろうな。ビル立て直しで立ち退かざるを得なかった。
 現在、どこで店をやっているのか、聞こうと思ってまた忘れてしまった。
 お盆は帰れないという。

 三十三回忌の叔父の記憶はおぼろげだ。
 毎年、お盆になると母の実家に盆泊まりに行った。
 塩沢駅まで迎えに来てくれた叔父。
 小さかった私を負んぶしてくれた叔父。
 線路伝いの道。
 ガードを潜って、真っ直ぐ行けば泉盛寺、左手の坂をだらだら上っていくと天野沢。廻り道をしないで、線路のそばを上るどんどん坂、やはり急勾配だが近道だった。
 祖父に似て、やさしい顔立ちをしていたように思う。
 東京に出てから、めったに里帰りをしなくなった。
 空手で段持ち、道場で教えていたそうだ。
 最期は、アパートで倒れている姿を発見された。
 脳溢血か、心筋梗塞か、記憶もあいまいだ。

 泉盛寺本堂



 本堂から観音堂に通じる回廊




 四輪駆動車を減速して急勾配の坂道を下りた。
 右に曲がれば、天野沢、少し行くと上越国際スキー場だ。
 天野沢を走ってみたかったが断念。


 車を止めた。
 来るとき見た坂道はあそこしかない。
 少し歩いたら、家の前に少女がいた。
「あの坂はどんどん坂とは違うわよね」
 首を横にふって、分からないという仕草。



 あまんぞう、あまんざわ、
 天野沢を、そう言っていた大人たちが記憶の中に甦る。

 裕福な家の象徴であった土蔵、
 石垣の上に建てた家、
 村の中を何本もの坂道が通り、
 横の小道でつながっていた。

 どんどん坂がなくなる。
 母が老人文集に書いていたのだった。

 どんどん坂はすでになかった。

 送迎の迎え・・・
 国道を走行中に土砂降りになった。
 連日の雨、
農作物が危ぶまれる。



 油みそ



 トマトスープ







夏はなび

2013年07月21日 | 日記

夏はなび

くる
くる
くるる
ひゅるるる

夜空を焦がす
夏はなび

その一瞬を
目は捉え
心の中に引きずり込む

その一瞬は
誰のためでもない
私だけの夏はなび

遠い記憶と
思い出と
胸底の思いとが
重なりあい
ぶつかりあい
胸を焦がす

焦がして
はかなく散る
それは
夏はなび
                            (azumi)


 7月19日

 兼続公まつり
 大煙火大会    於 魚野川河畔

 例年そうだが、ジャスコ六日町店広場で煙火見物をした。
 夜風が冷たい。
 煙火見物というより、増えてくる人の群れを見ていた。目の前に陣取っている家族、とりわけ子供たちの動きに目がいく。親たちは、思いの外寒いので、子供たちに大人もののシャツを重ね着させていた。長い袖をひらひらさせて遊んでいる幼女。お兄ちゃんは椅子に座ってゲーム遊び。椅子の奪い取りが始まる。
 隣は友だち家族のようだ。4、5人いる子供たちもゲーム遊び。座卓と卓上ランプを持ち込んで、ミニ宴会が始まった。

 私たちの場所は、シートと折りたたみ椅子のみ。夫がクーラーボックスから缶ビールを取りだす。私はノンアルコール缶。裂きイカをつまみに呑んだ気分・・・にはなれなかった。焼き鳥の串刺しを買ってきたので、ようやくお腹が安定した。夕食の準備だけして出かけてきたのだった。

 それにしても、子供たちが目にちらつく。あの子は、孫と同じくらいかな、とか。小学生の一団が通ると、孫もあんな風にオシャレを楽しむようになるのかなと。

 煙火が始まる。



 携帯ラジオも持ち込んだので、打ち上げの様子は逐一判る。だが、煙火に感動しているときは、デジカメのシャッターを切るのが遅れる。美しい!可愛い!素敵!そんなスターマインが多くあったのに。いつものことながら、よく撮れなかった。






 人々のどよめきと喚声と拍手・・・
 兼続公まつりは、煙火大会で幕を閉じた。

 夏本番。
 帰省する人たちでごった返す、魚沼の8月がやってくる。

 茄子の煮浸し



 参議院議員選挙投票日である。


半夏生

2013年07月16日 | 日記

 半夏生という言葉に何故か惹かれる。

 夏の雨の朝。
 半夏生は岩かげにそっとたたずんで、貴方様のお出でを心待ちしておりまする。
 なあんて、物語になりそうではないか。
 夢のような、
架空の貴方様を、お慕い申しているような言葉を綴るものだから、一部、顰蹙を買われたりもする。私を知る人は、言葉遊び、ロマンチシズムだと分かっているのだから、あえて肯定も否定もしない。
 少女期から、空想や夢想することが好きだった。

 半夏生を書いているのだった。
 雨に濡れた半夏生は、ほんのりと美しい。
 半分白くなっているのは葉である。花は美しいとは言い難い。




 半夏生(はんげしょう)は雑節の1つで、半夏(鳥柄杓)という雑草が生える頃。一説に、ハンゲショウ(カタシログサ)という草の葉が名前の通り半分白くなって化粧しているようになる頃とも言われる。
 七十二候の1つ「半夏生」(はんげしょうず)から作られた暦日で、かつては夏至から数えて11日目としていたが、現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日となっている。毎年7月2日頃にあたる。

 この頃に降る雨を「半夏雨」(はんげあめ)と言い、大雨になることが多い。 地域によっては「半夏水」(はんげみず)とも言う。
                         (ネット検索)

 雨が3日降った。おかげで涼しく過ごせた。
 昨日の朝は止んでいた。
 歩ける。
 喜んだのもつかのま、5分くらい歩いたら、ポツ、ポツ降り出した。
 降り出したら止まず、半袖が寒いくらい気温が下がった。



 雨が降ってきたので自宅に戻り、デジカメ片手に庭へ・・・
 ピンボケ写真となった。

 朝の川




 チシママンテマ(ナデシコ科)




 ヤマイモの花




 センニチコウ(千日紅 ヒユ科) お昼近く




 お昼近くの川




 雨あがりなので濁っている。


 ハンゲショウ(ドクダミ科) お昼近く



 地下茎が長く横走しているので、増えて困るのが実情。だが、雨の日に似合う半夏生ではある。


ミズのシーズン

2013年07月05日 | 日記

 10時過ぎに帰宅。
 男たちの談笑が聞こえる。

 画材を購入したので、何度も外階段を昇降。
 人物デッサンだったので、眼がやけに疲れた。
 腰にも気を配らないと腰痛がすぐにくるのだ。

「こんばんは。いらっしゃい」
「奥さん、ミズ美味しいですね。最高です。こんなシャキシャキ感のあるミズを初めて食べました」
 出かける前に炒め煮をつくった。大皿に盛った。
 食通の方から喜ばれるのはこの上なく嬉しい。
 ヤマブキも同様だった。
 夫人からの電話があり、すぐに帰って行った。
 お世辞ではなかったようだ。
 冷蔵庫のヤマブキが昨夜でなくなった。
 無性に食べたくなる山菜。
 ミズも何度か収穫した。
 ワラビは、探さないとないだろう。
 越後に育った者は、なぜか山菜を好むようになる。
 山菜がなつかしくなる。
 娘たちもそうだ。

 ミズを採りに山へ。
 私でも入れる、平坦な湿地帯に自生している。
 水害の後、復旧工事で入山禁止だったため、太くて長いミズが群生していた。
 薄暗いジメジメした山林、ウワバミの棲みそうな場所に多いことから、
名はウワバミソウ(イラクサ科)、別名ミズナ、ミズはみずみずしく食用になることからつけられたようだ。根の方が赤いのでアカミズともいう。
 アオミズもある。

 葉と皮を剥いて茹で、冷水に浸したミズ。



 大鍋で2回茹でた。湧いた湯に塩を入れ、再び沸騰した鍋に太くて長いミズを入れる。次第にしんなりと鍋の中に収まる。茹ですぎないのがコツ。これは、後の三分の一の鍋。
 近所にもお裾分けした。


 ミズの炒め煮



 サラダオイル少々、ミズとねりもの、料理酒、味醂、輪切り唐辛子、出汁、醤油で炒め煮。シャキシャキ感を保つため、炒め、煮すぎないように。塩分控えめの味付け。

 ミズ根の佃煮


 
 根の髭を除去し、よく洗い、水に浸けたあとで佃煮に。

 アオミズのお浸し




 葉も、茎も皮むきなしで食べられる。なかなか美味しい。


 朝の川



 朝の花
 ガクアジサイ(ユキノシタ科アジサイ属)




 花言葉 謙虚

 謙虚でつましく、おだやかに、生きたいものだ。