千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

文化祭 2

2017年11月19日 | 日記

 文化の日、11月3日、
書店に出かける。
 文庫本2冊が先ず目に入る。
 山本周五郎       赤ひげ診療譚         新潮文庫
 カズオ・イシグロ    わたしを離さないで  ハヤカワepi文庫
 鉛筆ユニ6B、4B、鉛筆削り、それだけを買い求める。

 ちょっとごぶさただった友の店へ・・・
 何人かの顔なじみがいた。
 ミカン、お菓子、「食べて」と声がかかる。
 車が一台なので、土日を主に使う。
 まとめて用を済ませるのが今の私流・・・


 「赤ひげ診療譚」を読み終わったのが11月14日。

 ―なるほど赤髯だな、と登は思った。
 実際には白茶けた灰色なのだが、その逞しい顔つきが、「赤髯」という感じを与えるらしい。年は四十から六十の間で、四十代の精悍さと、六十代のおちつきが少しの不思議もなく一躰になっているようにみえた。
 登は辞儀をし、名をなのった。
 「新出去定だ」と赤髯が云った。
 そして登を凝視した。まるで錐でも揉み込むような、するどい無遠慮な眼つきで、じっと彼の顔をみつめ、それから、きめつけるように云った。
 「おまえは今日から見習いとしてここに詰める、荷物はこっちで取りにやるからいい」
 「しかし、私は」と登は吃る、「しかし待って下さい、私はただここによばれただけで」
 「用はそれだけだ」と去定は遮り、津川に向かって云った、「部屋へ伴れていってやれ」                        (文中より)

 幕府の御番医になるつもりで、長崎からの遊学から帰った安本登は、志に反して、小石川養成所の医長新出去定に呼び出され、医員見習いを命ぜられた。遊学中に、町医者である父、父の知人である幕府の表御番医が御目見医に推薦する約束をしてくれたのである。しかもその表御番医の娘とは許婚の間柄にあった。しかし、登の帰りを待たず娘は他者に嫁いだ。
 心に深い傷を持った登が、「赤髯」の診療所で目ざめ、生き生きと変わっていく様を描いている。

 山本周五郎全集を読んでいたので、内容は知っていたはずだがほとんど忘れかけていた。再読すると蘇ってくるからおもしろい。それも昭和40~50年代である。文字も小さく、読めたものではない。

 TVドラマ化を目にしたので、再度読んでみようかと思った。
 そこで、待てよと思い出すのである。
 虚空遍歴上下   新潮文庫
 あとのない仮名  新潮文庫
 人情裏長屋    新潮文庫
 これらも文庫本で読み直している。

 山本周五郎から始まって、藤沢周平の文庫本へと読書遍歴は続いた。

 昨今はやばい。視力が落ちてやばくなった。
 時たま、診察日に駅前の図書館に寄るのが楽しみである。買えない高価な本が書棚に並んでいる。もっぱら夢枕獏の山岳小説、バス待ちの暇つぶしだから、あんまり読めない。だが大きな本で文字も大きく、行間がゆったりしている。次の機会にまた続きを読もうと、ぶ厚い本を閉じる。今まで貸し出されていることはなかった。

 街角で撮った花。名前分からず。



 子供たちの「文化祭」の画像が届いた。

 あるの作品

 懐かしさを感じる夏の風景



 初めてのアクリル画だという。遠近法を考えて描いたようだ。筆の使い方を会得すればもっとうまくなるよ。

(指先筋力低下の私では助言は無理かも)

 るうの作品

 愛犬マギー



 マギーにそっくりだ。よく描けているね。


 昨日は大阪からの便り。
 小学校では文化祭はないらしい。
 授業参観が昨日、なごのクラスでは市の研究と発表をおこなった。

 なごの作品

 迷路



 繊細で丁寧によく描けているね。

 すいの作品

 オシャレな怪獣



 明るく、大胆で、楽しくなる絵だね。

 それぞれの、性格や個性が感じられて楽しく鑑賞した。




 朝方から雪が降りてきた。
 収穫していない畑も白くなった。
 寒~い!!