千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

秋桜 Ⅰ

2012年09月30日 | 日記

 秋桜は咲いているのだろうか。
 車を駐車場に止め、
 遊歩道を歩く。
 日ざしが暑かった。

 一人、二人、歩いている人を見かけた。



 二年前の今頃、八色の森健康ウォーキングに参加した日を思い出す。
 あの日は九月後半の日曜日。
 あいにくの雨だった。
 雨除けの合羽を着込んだものの、ますます強まる雨足。びしょ濡れになってゴールインした。
 最後に等しかった。

 出発会場が近くなる。
 何くそと、心を持ち上げて歩いた。
 八色公園内に足を踏み入れたとき、涙が溢れた。
 冷たい雨だったのに、流れる涙は熱かった。

 会場では、勧められるままに熱い豚汁を口にした。
 いろんな飲食物が用意されていたが、それどころではなかった。ガタガタ震え、歯もカチカチ鳴る。携帯で家族を呼び出し、すぐに来てもらった。

 すぐに入浴。
 家族みんなの励ましを受けて、飲んだビールの味が忘れられない。

 筋力、体力をなくしていた私の健康法は歩くことだった。
 雪が降る朝も歩いた。
 滑らないように、
 転ばないように注意して、工夫して。
 昨年からは一時間歩けるようになった。
 当然、山歩きもするようになった。
 自然の中にとけ込んで、一日を過ごせたらどんなにいいだろう。

 友との語らい。
 友とのお酒。たまには。
 好きな本も読んで。
 眠くなったら、少しうたた寝をして。
 オシャレなどいらない生活。
 バンダナとストールとマフラーと帽子は必需品。

 リハビリを受けている理学療法士の問い。
 今の夢は何ですか。

 山歩きが出来るようになりたいです。

 今年はちょっとやめておきましょう。
 筋力をつけることから頑張りましょう。
 来年をめざして下さい。

 冬の入院は、
再々出発を意味した。
 少しずつ取り戻したかのように思えた体力、筋力だったが、猛暑の続く中、腰痛、膝痛が治らず、整形外科を受診。筋力が低下している。院内でのリハビリと、自宅での自身のリハビリに励むように言われた。
 太極拳を一ヶ月休んだが、大丈夫ということなので再開した。思うように身体は動かないのだが。

 八色の森公園の秋桜はもう終わりに近かった。

 コスモス(キク科)。
 花言葉。少女の純真。真心。
 なるほど。人々に愛される花。見る者の心を和ませる花だ。

     池田記念美術館。ここもよく訪れる場所。




 リハビリを終えて立ち寄った。少し歩いて駐車場まで。
 まだお昼前。お腹が空いている。
 この次は、公園内でウォーキングをして帰ろう。


 素朴なお家ご飯。

 車麩とコンニャクの煮しめ。



 水に戻した車麩。湯通ししたコンニャク、だし汁、醤油、味醂、輪切り唐辛子。落とし蓋をしてヒタヒタ煮しめる。これが美味しいのだ。

 中玉トマト、アイコ、ミョウガ。残り少なくなってきたトマトをワサビドレッシングで。



 青いトマトのチャツネ。



 これも畑に残った青いトマトを使用。
 トマトのへたを除去。薄皮をはぎ、ざく切りにして、砂糖を振りかけてしばらくおく。
 玉ネギ二個を刻む。
 最初は強火で、煮くずれてきたら弱火でトロトロ煮る。仕上げに塩と好みのスパイス類(唐辛子パウダー、クミン、コリアンダー、グローブ)を入れ、さっと火を通す。

 トマトの酸味と砂糖の甘さ、香辛料のスパイシーさが加わった複雑な味。ワインのつまみにしたり、肉料理や白身魚に添えたり、カレーにも合う。パンにつけても美味しい。砂糖はトマトの量に合わせて、糖分控えめを工夫。

 蒸しナスのあんかけ。



 ナスは皮を剥き、水に浸けてアクをとる。切ったナスを蒸す。醤油、味醂、鶏挽肉少々、片栗粉であんかけを作る。蒸したナスを入れる。あり合わせの野菜をトッピング。

 ズイキの酢の物。



 ズイキは八頭の葉茎部分。
 皮を剥き、切ってから水に浸けてアク抜きをする。熱湯でさっと茹でる。ザルに入れ、熱いうちにボールに移して、酢、砂糖、醤油で味を調える。ズイキに含まれる色素で、赤い色に変わる。ミョウガ、ウドの赤いところ、同じように酢の物が出来る。

 間引き大根と油揚げの味噌炒め。



 これも素朴な一品だが油揚げの油抜きを忘れないように。輪切り唐辛子も加えた。旨味が違う。

 今朝の花。

     マルバルコウソウ。風がないのでよく撮れた。



     庭のガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属)の実もすっかり秋色。



 彼岸花はやっと花芽が出て来たばかり。

 台風はどうなるのだろう。
 何事もなく通り過ぎてくれればいいのだが。





9月に降る雨は

2012年09月23日 | 日記


   
9月に降る雨は
やがて来る深い秋のプロローグ

夏の日に
かたすみに置き去りにしていた
あなたのほほえみを想い出す

9月に降る雨は
去りゆく人へのかなしみの心魂歌
心静かにときに身をゆだねる

心を寄せた人への
かすかなぬくもりを抱きしめて
旅立ちの秋を待っている

9月に降る雨は
季節の終わりのエピローグ

                          (Azumi)

 冷たい雨が降っている。

 遠路の運転で、身体を休めることもなく、前の職場の飲み会に参加した娘は、早々と帰って行った。
 お昼に今年の新米を食べて、美味しいねと言った。

 雨が降っている。
 娘との談笑も雨が消してしまうような、
そんな冷たい9月の雨。

 10月に、またみんなで来るという。
 子どもたちの笑顔を思い浮かべている。
 湯沢駅を、手をつないで歩いてくれた心を思い出している。

 冷たい雨。
 何かあたたかい夕飯にしようか。
 両親の仏前にも。

 暑さ寒さも彼岸まで。
 そんな、昨日、今日である。


 お家ご飯。

 鶏もも肉の塩麹蒸し。



 むね肉とはひと味違った旨味がある。塩麹スプーン3杯を、もも肉にすり込んで一晩置く。アルミホイルに包み、フライパンか鍋で蒸す。食べやすく切って、あり合わせの野菜をトッピング。

 ナス味噌。




 久しぶりにナス味噌。あるいは油味噌。
 秋ナスは美味しい。嫁に食わすな、という例えがある。美味しいから嫁には食べさせるな。嫁、姑のバトルみたいだが、秋ナスは身体を冷やすので、思いやりの説もある。
 切ったナスを10分ほど水に浸けアク抜き。油で炒め、赤シソ、ネギを加え、味噌をからめる。

 五目いなり。彼岸の中日に作った。




 新米ご飯。



 お昼に炊いた。
 艶があって、とても美味しい。
 ゴーヤーの佃煮と合う。
 ゴーヤー、ジャコ、ショウガ、塩昆布、カツオブシ入り。

 昨日の朝、散歩に出るとすぐに小雨が降ってきた。

 木の下のニラの花(ユリ科)



 雨に濡れるツユクサ(ツユクサ科)




 シリアで取材中、砲弾を受けて亡くなった山本美香さんが大好きだったという野の花。雨に濡れてはかなげであるが、その奥に強い意志を感じた。

 雨がやんだ。

湯沢町 神立、土樽方面行き

2012年09月18日 | 日記

 
 三連休。
 娘一家が来た。
 引っ越す前に住んでいた湯沢町。
 涼しい場所なら大源太に行こう、だった。
 湯沢駅構内の「雁木通り」に立ち寄った。
 凄い人である。

 酒人気ランキング一位。
 越後亀鶴 純米酒 やや辛口。



 猪口一杯を呑む。美味しい。もう一杯・・・久方ぶりの味。

 酒ランキング十位。
 越後麒麟 純米大吟醸 辛口。



 孫が猪口を持ってきたので、これも呑む。旨い。試飲はこれで終わり。
 少しほろ酔い。いい気分。

 孫たちを撮る。ブレた。日本酒のせいかも。いや、下手なのだ。
 大源太は混んでいるようだから、よく川遊びをした土樽に行くことになった。





 だが、あっちも、こっちも家族連れでいっぱいだった。魚野川の支流らしかった。
 結局、お昼を食べたのは毛渡沢橋梁そばの木の下である。
 沢からの涼風が心地よかった。
 車が次から次へと来ては写真を撮る。
 中高年ライダーたちが来て写真を撮る。

 日本の美しい鉄道橋。第二位とか。
 テレビで紹介されてから、一躍スポットを浴びたようだ。



 毛渡沢橋梁。
 湯沢町と清水トンネルの途中に架けられている。
 1931年完成。レンガ造り美しい橋。
 橋の長さ220m。
 土樽駅から徒歩10分。
 中里駅―土樽駅の間。  ネットで紹介していた。



 ついでに土樽駅に寄る。




 「雪国」文学散歩 信号所



 現在は土樽駅として、夏の登山者などに利用されるだけの無人駅であるが、上越線が単線のときは新潟県側のトンネル入り口の駅として、または信号所として重要な役目を果たしていた。

 信号所に汽車が止まった。
 向側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落とした。
 雪の冷気が流れ込んだ。
                            雪国より


 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

 すっかり有名になった、川端康成著「雪国」の冒頭部分である。

 信号所に汽車が止まって、向側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落とした。娘は窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように、
「駅長さあん、駅長さあん。」
 明かりをさげてゆっくり雪を踏んで来た男は、襟巻で鼻の上まで包み、耳に帽子の毛皮を垂れていた。

 娘は葉子。向側の席にいて気になっていた男女。男は葉子の弟だった。
ガラス窓を落とす。昔の汽車の窓の構造がそうなっていたのか、納得できなかった十代の自分を思い出した。

 駅前には登山帰りらしい男性たちがいた。
 「雪国」文学散歩の途中らしき男女もいた。


 清水トンネル近くに陸橋があった。
 下を流れるのは魚野川か、支流か。
 孫たちは、下着だけになり水遊びをした。



 小学校、保育園、元住んでいたアパート、ともだちの家の前を通り、孫たちは懐かしがった。

 昨日は敬老の日。
 孫がお手紙をくれた。
 小さな紙のポシェットのプレゼントもある。縦7㎝、横10㎝。ゴムはセロハンテープを丸めたボタンに止めるらしい。子供の発想に思わず笑みが出た。



 ばあば、ブログにのっけてね!

 ありがとう!!
 子供の心が嬉しい。



2012年09月15日 | 日記

      
足音も立てず
静かにやってくる
それは
風に乗ってきたり
鈴音にも似たかすかなささやきだったり
確かに近づいてくる

ほんのつかのま
全ての音が途絶えたほんの一瞬のこと
近づいた気配に
庭に咲く 小さな花たちが
唄っているような そんな気がした
                      (azumi)


 台風の影響を受けて、じっとしていると暑い。
 昨夜は熱帯夜だった。
 だが目覚めた朝は涼しかった。
 三時半。
 タオルケットをかけ直して、一寝入りした。
 毛布、タオルケット、夏掛けと、私の今の必需品。
四時二十分。起きる。
 窓を開けたら寒かったので、全開するのをやめた。
 玄関を開けると、空は白みかけたばかり。
 日毎に夜明けが遅くなるのを感じる。

 朝の散歩。
 ゆっくり、ゆっくり歩く。わずか三十分。あるいは四十分。
 夏の疲れもあり、早く歩を進められない。
 秋をめざした山トレッキング。
 今年はあきらめたほうがよさそうだ。

 朝霧が山の上へと昇っていく。



 今が刈り入れ時期。今日、明日で終わるかも知れない。



 ボタンヅル(キンポウゲ科)



 ノギク(キク科)



 ヌスビトハギ(マメ科)



 野の花が少ない。
 こんなところで今朝の散歩は終わる。
 大気が澄んで、さわやかな朝だった。


 お家ご飯。

 ナスの塩麹焼。




 オクラ、辛子南蛮味噌、刻みネギを添えて。

 カボチャと油揚げの煮付け。



 醤油、味醂、ジャコ、輪切り唐辛子入り。

 ゴーヤーとエビの酢の物。



 スライサーで薄切りにしたゴーヤーに塩小さじ一杯くらいをふって五分置く。手でもんで、ギュッと絞り、熱湯を回しかけ、水をかけて冷ましてから、もう一度手で絞る。酢、砂糖、醤油、カツオブシで味を調える。エビ、タコ、どちらでもいい。

 庭のゴーヤーがまた採れだした。秋なんだな、と思う。




9月に似合う径は

2012年09月10日 | 日記

   
9月に似合う径は
できれば秋を感じさせる小径がいい
しっとりと露を含んだ
路傍の枯れ草が
カサコソと音をたてる
色落ちはじめた木々の葉の切れ切れに
のぞく空は水色
はるかに遠く
手は届きそうもない
葉を揺らす風の音が
秋を伝えてくれる

9月に似合う小径に
あなたからの贈りものを抱えて


                  (Azumi)

 フォークコンサート。
 「野に咲く花のように」
 私が自分勝手につけたタイトルだ。
 実際は、「第2回 歌声喫茶」だった。

 夫婦デュオの歌唱力が抜群なのだ。
 野に咲く花のように・・・
 ダ・カーポの歌声と、広々とした草原を思い浮かべながら聴くといい。

 Hide&Yoshi  歌とギター。



 きっかけは1枚のCDだった。
 娘が働いていた職場で、定年退職する上司からCDをいただいた。
 それを聴かせるために、母の私に持って来た。

 透き通るような透明感ある歌声とギターの音色。
 感動で胸が震えた。
 早速、友の元に持参。
 友から、ギターをやっている友人、ハーモニカとコカリナをやっているというそのまた友人が聴いたようだ。
 ここでコンサートが出来るといいね。
 そんな話をした。

 家族とジャスコにいるときに初めての出会い。
 ご夫婦と娘さん、抱っこしたお孫さんも一緒だった。
 娘さんはアメリカから里帰り中だったらしい。
 留学が縁で結婚とか。

 その年の秋、「湯沢ふれあいコンサート」にお2人が出演するから行ってみないかと娘に声をかけられた。
 「大源太 森の恵み 感謝祭」と重なったため、娘に車で送ってもらい、お2人の歌声&ギター演奏を聴いた。すばらしかった。
 偶然だったが、湯沢駅に向かうため途中で会場を出たHideさんと出会うことになる。
 そんなご縁があった。

 そして、
2011年3月11日 東日本大震災が起きた。



 人と人とは、何かのご縁でつながっている。
 そのことに感謝。
 回復したことを喜こんで下さった。そのことにも感謝。

 もっと、もっと、元気にならなくちゃ、と思ったことである。


 お家ご飯。

 野菜サラダ。



 キュウリ、ミョウガ、シソの穂、梅干し、ジャコ。
 切り刻んだ野菜と梅干し、ジャコを混ぜただけ。さっぱりとした一品。



 オクラのチヂミ風。



 オクラは塩ずりをしてからさっと茹で、5㍉幅に切っておく。
 卵1個、小麦粉大さじ2、水大さじ2。ボールに左記の材料を入れてよく混ぜる。切ったオクラも入れて混ぜる。
 フライパンにサラダオイルをちょっと多めに熟して、ボールの材料を流し入れる。中、弱火で両面をこんがり焼く。
 餃子やチヂミタレをつけていただくといい。ポン酢なども合う。