千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

はつ恋

2020年08月23日 | 日記



♪この想いが君を
苦しめてしまうとしても
傷つけてしまうとしても
君が欲しくて

 ラジオから、福山雅治の歌が流れていた。
 「龍馬伝」が始まる。
 タレント音痴の私だが、甘いマスクと声の持ち主が、誰かぐらいは知っている。
 日曜午後8時、娘共々、福山雅治が演じる「龍馬」を熱い眼差しで観る。

♪帰るべき場所がある
守るべき人がいる
愚かすぎる過ちと
知っているから・・・

 言うほどのことでもないが、お気に入りの俳優がいる。
 その人の名は、岩城滉一。
 「北の国から」の印象が強かったみたいで、多分その頃から。
 大ファンだとか、韓流熱とか、そういうものではない。
 せせらぎのように、ひたひたとしみ入る雰囲気を持つ人。
 現在、岩城滉一がどんな活動をしているのか、全く知らないのだが。

♪友達ではいられないことも
恋人には戻れないことも
わかっているよ でもこの真心を
永遠のはつ恋と呼ばせて

 「北の国から」で思い出したが、倉本総のドラマが好きな女性がいた。男性も参加していた私たちの会に、友だちを通して加わった。真っ赤なスーツと真っ赤な口紅で、会合に現れた彼女は妖艶で、女の私たちは、少なからずショックを受けた。ほどなく、家庭を持つ彼女と、リーダー役をしていた未婚の仲間が恋に落ちた。彼と彼女は真剣だった。恋を成就するために必死だった。今の夫も、前の夫も、価値観の相違で充たされていなかったという。彼のような人に始めて出会ったとも。彼もまた同じようなことを言った。離婚は成立したが、二人の恋愛は、いろいろ取り沙汰された。何度も繰り返す恋に、あきれたという意見が多かった。私は相談を受けた方だから、何も言わない。言ってはならない。周囲の反論も承知で、生活を共にするのだから、幸多かれと祝福した。二人は、恋愛中にキリストの前で懺悔をし、洗礼を受けた。教会でのささやかな挙式に、私も参列。現在、布教活動にあたっている。美しく華やかだった彼女は、化粧を落とし、シンプルな装いになった。街角でばったり出会ったのは、いつだったか。笑顔が清々しかった。
 二人の出会いは宿命だった。初めから決まっていたのだろう。神に導かれたのだ。



                    (オミナエシ)

♪時間はいつか
この恋に答えをくれるの?
もう一度あの日のように
人を愛することなど出来るの?

 『はつ恋』 ロシアの文豪ツルゲーネフの中編小説。
 多感な十代に読んでいるが、記憶の彼方に消えてゆく。
 少年のはつ恋と、隣家の娘が恋していた相手が、少年の父親だった、そんな話。

 まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり
 島崎藤村の『初恋』もある。

♪友達ではいられないことも
恋人には戻れないことも
わかっているよ でもこの真心を
永遠の はつ恋と呼ばせて
せめて はつ恋と呼ばせて
永遠の はつ恋と呼ばせて

 そうだ。
 「初恋」を歌う村下孝蔵がいた。
 この人の歌の方が、自然に受け入れられる。
「はつ恋」「初恋」
 すれ違っただけで、頬が紅潮し、動悸がおさまらなかった。
 あの先生、まだお元気かな。

               (過去日記 2010・1・27)


 連日の猛暑、コロナ禍。
 大変な夏となりましたね。

 孫たちにも会えません。
 おだやかな日常が、早く戻ってくることを祈っています。



 風にそよぐワレモコウ。
 植えて二年目。まだしっかりと地に立てないでいる。
 素朴なのに、なぜか好きな花。
 吾亦紅。我もこうありたい、ですか。

あの日に帰りたい

2020年08月09日 | 日記


(2010・11 霧の朝)


 ちょうどよい時間だったのだけど、
2人連れで来ていた友人の前に空いていた席は、予約済みだったようです。
 左に空席が一つ。
「ここ空いてますよ」
 声をかけてきた女性は、細身のすらっとした美女。しかもグレーの髪がよく似合います。
 どこかで見かけた記憶・・・
 どこだったかな・・・
 腰を下ろす前に、また声をかけられました。
「お店、やっていた方ですよね」
 品のよい笑顔に、記憶を取り戻した私です。
「Nです。お久しぶり」
 お金持ちの奥様だったこの方は、田舎町にはとても目立つ存在で、私の店にも時々訪れてくれたのです。
 20年以上の月日が経っています。



「お客様だったんだね」
 友人も微笑んでいます。



 フォーク・コンサートは、12時30分から。
 20人ほどが揃ったところで、食事が運ばれてきました。
 オーナーとスタッフ2名による、会心の「五穀米ビーフカレー」、味噌汁、オードブル式の漬物、切り干し大根の酢の物でした。五穀米には、七穀も入っているそうです。食べるのが遅いのですが、とても美味しくいただきました。



 高校生の時グループを結成した、「トレッド・ノース」の歌が始まりました。
 大学、学園祭と、ギターから離れられなかった3人は、故里に帰って後に再結成。リーダーのトークによって、48歳と分かりました。

  風の街          山田パンダ
  黄色い船         山田パンダ
  酒と涙と男と女      河島 英五
  赤ちょうちん        かぐや姫
  秋風の頃                オリジナル曲

 リーダーがオリジナル曲を歌い終わった頃、思わず感嘆の声が出てしまいました。
「詩も素敵!声も素敵!」
 あ~あ、またやっちゃいました。
  私らしからぬ声に、自分でも驚いています。真弓(私と双子で生まれた妹)の仕業かな(^^)。

 秋風の吹く頃、魚野川べりを自転車を走らせながら、少女を想う少年の心が見えて来るのです。ひたひたと心に染みいる歌でした。

 私はすっかり、かつての自分に回帰していました。

   あの日に帰りたい      荒井由美


 ここで休憩に入りました。

「フォークを聴いていると、自分もその時代に戻っているからおもしろいよね」
 友人とそんな事を話していました。

 でも、
あの日に帰りた~ い。
 あの日に帰れないことは、誰でも心に深く?刻み込んでいます(^^;)。

 過激なフォークが遠ざかって、かぐや姫の「神田川」が大ヒットしました。
 身近なフォークは、誰でも、どこでも気軽に口ずさめます。

   雨の物語          伊勢正三(イルカ)
   ある雨の日の情景      吉田拓郎
   君に寄せて         ふきのとう
   北国列車              風
   終止符              アリス



 またここで休憩です。
 店のスタッフも一段落して、私たちとおしゃべりを始めました。
 裏巻機トレッキングは残念だったけど、来春は必ず行こう、と固い約束もしました。
 この店は、元々酒店で、酒店時代のつながりがオーナーの夢を継続させました。
 ギャラリーでの展示、フリーマーケット、催し物の取り組みは彼女の得意とするところです。店のスタッフに支えられてもいるのです。応援隊もいます。

 目の前の友人と私は、
この日、コンサートチケット2000円を支払った客でした(^o^)☆。

 いちご白書をもう一度(バンバン)、学生街の喫茶店(ガロ)、
神田川(かぐや姫)が終わった頃、時間切れの私はおはぎ2個をいただいて、こっそり退散しました。



 歌のタイトルは、私がメモしたものです。間違えていたら、ごめんなさい。

                   (過去日記2010・11・14)



 8月6日は診察予約日でした。
 いつも早めに病院に入ります。血液検査が済んで、受付窓口に向かったのです。レストラン等がある奥の方まで並んでいるので、内心驚きました。何かあったのかな。窓口はテキパキと受理している様子です。担当医の診察室も、スムーズでした。こんなに早く対応して下さるなんて、いつもより2時間も早く帰れました。
 夕方の県内ニュースで知ることになるのです。首都圏から来ていた若い医師が新型コロナウイルスに感染したと・・・
50人の病院関係者、看護士、患者などにPCR検査をしたところ、陰性でした。残りの方は順次検査を行う、ということでした。
 翌日の県内ニュースでも病院院長の会見があったようです。テキパキと受理していた病院の対応が蘇ってきました。どなたかが、コロナ患者の、誹謗、中傷を避けて下さい、と言っているのが聞こえてきました。



 誹謗、中傷、この言葉を耳にすると悲しくなります。

 置き薬屋さんが、誹謗、中傷で、引っ越しを余儀なくされた家族がいることを言っていました。
 何故?どうしてなの?悲しいです。さみしいです。おろかなことです。

 娘の家族は帰省しません。
自分たちが運ばなくても、空気感染が怖いと言います。

 東大児玉教授は、エピセンター化して南下を続けるコロナウイルスの広がりを食い止めなければと訴えていました。

 国にも、何故なの、どうしてなのと、問いたい。

 8月6日 ヒロシマ
 8月9日  長崎 原爆投下

    原爆許すまじ。

 (コスモス ニラ ヤブラン ルドベキヤ・タカオ エキナセヤ ヤブカラシ マルバルコウソウ)