千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

あきらめないで

2011年07月15日 | 日記


あきらめないで
なげださないで

あきらめないで
まえをむいて

私はなにもできないけれど
そっと
あなたに手をさしのべる

あきらめないで
なげださないで

いのちの無惨さに
こころをすくめて
はいあがることも忘れてしまいそうだけど

あきらめないで
なげださないで

人は生きるために生まれてきたのです
むじょうな現実に
こころをおきざりにしたまま
からだは粉々になりそうだったけど

気がついたのです
あなたの背に
そっと 手をふれようとしている自分に

あきらめないで
なげださないで
あしたを信じて 生きてほしいのです

         2011・3・22 azumi

 3月11日の朝、ブログを立ち上げたいと考えていた。線香花火のような、かすかな心の動揺。今年の目標だったのに、まだうろついている。
 午後になって風をはらんだ吹雪となる。
 母の病室で、雪の乱舞する様を見ていた。
 針金を吊しただけの、洗濯物のハンガーが揺れだした。
 何が起こったのか、ガタガタ、揺れはいっそう強くなる。
 まさか、地震?
 診療所内にどよめきが起きて、騒ぎは強まる。
 母は、安堵したような表情のまま眠っている。
 そばのホールに飛び出した。
 地震、地震が起きたみたいです。詳細は分かりません。介護士がテレビ画面を見ながら説明していた。
 あちこち揺れているテレビ局内部を映しているだけで、詳しい情報は入ってこなかった。
 東北で地震、季節はずれの吹雪、何かを連鎖するようで落ち着けなくなる。
 携帯も家電もつながらない。
 夕方、吹雪く中を家まで歩く。
 携帯メールが鳴る。
 池袋のデパートにいる。マネキンがあっちこっち移動している。悲鳴をあげている人もいる。電気はストップ。家には帰れそうもない。妹からだった。
 吹雪く中を返信。自宅にも送信しておいた。

 自宅に帰って、テレビ画面に驚愕した。この世のものとは思われない映像があった。
 自宅へのメールは、二時間後に届いた。
 妹は、板橋の娘宅まで歩き、深夜になって夫の迎えの車で所沢まで。渋滞で、夜が明けた頃自宅にたどりついた。

上の詩は、ようやく心を取り戻し、じっとしていられなくなった頃書いた。
 被災地で頑張っている方々に、声もかけてあげることもできないでいた私。
 時を同じくして、家族の不幸にうちのめされながら、日々奮闘している友人への心のメッセージも重ねた。

じりじりと暑い中、蝉が鳴いている。
 入退院を繰り返す母。6月29日からの入院だったが、退院も近い。生命力のある母。話をすることもなくなり、胃ろうで生きつづける母に、命の火を消さないでくれるのは神なのだろうか。

 山に出かけ、自然と対話したくなった私がいる。