俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

2014-09-06 10:10:04 | Weblog
 天気予報に降水確率が加わって便利になった。昔の「晴れ時々曇り、所により俄雨」では何の参考にもならなかったが、以前にも書いたように今では気象庁の発表する降水確率を6掛けにして判断材料の1つとして使っている。しかし最も重視するのは、今、目の前にある空だ。データよりも確かな現実がそこにある。
 それでもまだ大きな欠点がある。降るか降らないかだけが基準になり勝ちなことと時間区分が大雑把過ぎることだ。
 午前と午後に二分して予報する場合、丁度正午前後に掛けて1㎜の降雨がほぼ確実であれば、天気予報は「午前・午後とも降水確率100%」と表示されるだろう。この予報の表面だけを鵜呑みにすれば判断を誤る。
 これほど極端ではなくても「12時~18時100%」を更に調べれば「12時~15時0%」と「15時~18時100%」となっていることは決して珍しくない。もしかしたら17時~18時だけが100%なのかも知れない。
 日別の天気予報であれば「晴れ一時雨」が「降水確率100%」と表示されることもある。数学的には誤ってはいないが誤解を招き易い表現だ。
 改善のモデルとして台風情報が参考になる。意識している人は余り多くないが台風は「大型で強い」というふうに表現される。「大型」が面積を、「強い」が風速を表している。
 これと同じように単に「降る・降らない」のような○×式ではなく雨の強さを表現すれば利便性は格段に高まる。例えば「小雨・雨・豪雨」のようにランク付けすれば同じ降水確率50%であっても異なった対応を採れるだろう。
 あるいは降水時間シェアもあれば便利だ。その時間帯の大半が雨なのか短時間の雨なのかの区別だ。これは従来の「一時」と「時々」の焼き直しなのだから決して難しいことではなかろう。
 天気予報は最も身近で有益な科学情報なだけに正確で分かり易いものであって欲しいと思う。

煽動

2014-09-06 09:38:44 | Weblog
 煽動の多くは嘘に基づいている。事実に基づいても関心を持たれないから嘘を交えて人を怖がらせようとする。
 私が最も怖がっている物を多くの日本人は恐れない。薬こそ最も身近な危険物だ。それは人体に異常反応を起こさせることを目的として作られた劇物だ。異常反応を起こさせなければ毒にも薬にもならない。薬と同様に、危険ドラッグ類も人体に異常反応を起こさせることを目的にして作られている。こちらは何が使われているかさえ曖昧で動物実験さえ不充分なだけに一層危険だ。
 煙草やアルコールや紫外線の有害性など高が知れている。これらと比べて薬の有害性は際立っている。これまで散々騒がれたダイオキシンや環境ホルモンなど論外だ。
 環境ホルモン騒動は科学知識のある人にはすぐに嘘と分かる馬鹿騒ぎだった。オスが減って人類が滅ぶという話を真に受けた人は科学どころか常識さえ欠けている。オスが減っても困らない。総数が同じであればメスが多いほうが子孫は増える。オスの発生率を高めることによって「害虫」や「害獣」を駆除しようと研究している学者もいるぐらいだ。それどころかギンブナは殆んどメスしかいない。ギンブナのメスはコイなど他種の魚に求愛行動をして精子を放出させる。この精子による刺激で卵が発生を始めるが受精していないので雑種ではなくメスのクローンが生まれる。これを単為生殖と言い、ハチなど少なからぬ動物がメスだけで繁殖している。
 人は馴染みの薄いものを過度に怖がる。ダイオキシンにせよ環境ホルモンにせよ騒動になるまでは誰も知らなかった。訳の分からない物を利用して騒ぎを煽るのがデマゴーグの常套手段だ。
 オスプレイの危険性を過度に煽るのも、それが特異な形体をしているからだ。飛行機ともヘリコプターとも異なって馴染みが無くいかにも危険そうだ。開発実験中には「未亡人製造機」とまで酷評されていたが現時点では決して危険性は高くない。現在使っている旧式のヘリコプターよりも安全なくらいだ。
 朝日新聞のように嘘を利用して世論を操作すべきではない。我々は中国産食品や食品添加物などを必要以上に怖がっているが、これはマスコミが煽ったからだ。正しく怖がることこそ必要だ。