独立の是非を多数決で決めることが正当とは思えない。55%の人がなぜ残りの45%の人を支配できるのだろうか。多数決とは様々な意見の共存を認める民主主義ではなく、多数者の横暴を認める権力主義だ。
独立運動の背景は様々なので一概には言えないが、今回のスコットランド独立運動には地域エゴが潜んでいる。北海油田の利権を独り占めすれば今よりも豊かになれるという思惑があったように思える。
通常は分裂しないほうが有利だ。アメリカの50の州(state)のように自主性を保ったままで連携をしたほうが得だ。もしアメリカが50の国に分裂すれば超大国から一挙に弱小国になるだろう。ユーロはアメリカに対抗するための連携だろう。アメリカの南北戦争は南部の独立を阻止するための戦争だったし、そのアメリカはイギリスとの独立戦争で勝つことによって生まれた。
もし多数決が正当であるなら、日本ではテロリスト集団としてしか報道されない「イスラム国」にも正当性がある。多数者でありながら虐げられているスンニ派が独立を主張することは妥当であり、むしろイラクとシリアの現政権こそ少数者による独裁だと言えよう。日本のマスコミは欧米側に偏り過ぎている。
地域の独立の是非はそれぞれの事情があるが、イギリスが独立の是非を多数決に委ねたことは困った前例になる。
独立問題を抱えた国は少なくない。ウクライナから独立してロシアに併合されたクリミアや今も戦闘中の東ウクライナだけではない。スペインのカタルーニャ州やカナダのケベック州なども以前から揉めている。これらの地域は歴史的・文化的に異質だからだ。これらの地域が住民投票を要求しても国は認めまい。独立派が勝つ可能性がかなり高いからだ。イギリスの場合、独立賛成派はせいぜい3割と予想されていたから住民投票が認められただけであり、明らかに独立支持派のほうが多ければ認める訳には行くまい。イギリスは内紛の火種を作ってしまった。
しかし特定の地域や民族が差別・迫害されているなら独立は肯定できる。具体的にはチベットやウィグルなどだ。チベットでは仏教徒、ウィグルではイスラム教徒(ムスリム)が多数者だ。中国の易姓革命の多くが宗教団体による反乱に端を発しているので中国共産党は宗教を敵視している。共存できる可能性は極めて低い。
もし沖縄が独立を求めたらどうなるだろうか。沖縄県はかつての琉球王国であり本土とは歴史も文化も異なる。しかし海以外に殆んど資源が無いだけに独立しても自立することは困難だ。沖縄の独立とは実は、海洋進出を目論む中国に併合されるということに過ぎず、こんなことを沖縄県民は望まないだろう。しかし政府との交渉カードに独立を使うことは有効だろう。これをチラ付かせて、たとえ決定権が無くても住民投票を実施して県民の怒りを表明することによって自治権を拡大することは可能なのではないだろうか。
独立運動の背景は様々なので一概には言えないが、今回のスコットランド独立運動には地域エゴが潜んでいる。北海油田の利権を独り占めすれば今よりも豊かになれるという思惑があったように思える。
通常は分裂しないほうが有利だ。アメリカの50の州(state)のように自主性を保ったままで連携をしたほうが得だ。もしアメリカが50の国に分裂すれば超大国から一挙に弱小国になるだろう。ユーロはアメリカに対抗するための連携だろう。アメリカの南北戦争は南部の独立を阻止するための戦争だったし、そのアメリカはイギリスとの独立戦争で勝つことによって生まれた。
もし多数決が正当であるなら、日本ではテロリスト集団としてしか報道されない「イスラム国」にも正当性がある。多数者でありながら虐げられているスンニ派が独立を主張することは妥当であり、むしろイラクとシリアの現政権こそ少数者による独裁だと言えよう。日本のマスコミは欧米側に偏り過ぎている。
地域の独立の是非はそれぞれの事情があるが、イギリスが独立の是非を多数決に委ねたことは困った前例になる。
独立問題を抱えた国は少なくない。ウクライナから独立してロシアに併合されたクリミアや今も戦闘中の東ウクライナだけではない。スペインのカタルーニャ州やカナダのケベック州なども以前から揉めている。これらの地域は歴史的・文化的に異質だからだ。これらの地域が住民投票を要求しても国は認めまい。独立派が勝つ可能性がかなり高いからだ。イギリスの場合、独立賛成派はせいぜい3割と予想されていたから住民投票が認められただけであり、明らかに独立支持派のほうが多ければ認める訳には行くまい。イギリスは内紛の火種を作ってしまった。
しかし特定の地域や民族が差別・迫害されているなら独立は肯定できる。具体的にはチベットやウィグルなどだ。チベットでは仏教徒、ウィグルではイスラム教徒(ムスリム)が多数者だ。中国の易姓革命の多くが宗教団体による反乱に端を発しているので中国共産党は宗教を敵視している。共存できる可能性は極めて低い。
もし沖縄が独立を求めたらどうなるだろうか。沖縄県はかつての琉球王国であり本土とは歴史も文化も異なる。しかし海以外に殆んど資源が無いだけに独立しても自立することは困難だ。沖縄の独立とは実は、海洋進出を目論む中国に併合されるということに過ぎず、こんなことを沖縄県民は望まないだろう。しかし政府との交渉カードに独立を使うことは有効だろう。これをチラ付かせて、たとえ決定権が無くても住民投票を実施して県民の怒りを表明することによって自治権を拡大することは可能なのではないだろうか。