俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ウミヘビ

2014-09-18 10:18:14 | Weblog
 私は海が大好きだが苦手な海洋動物が3種ある。サメとウミヘビとクラゲだ。
 サメに出合ったのは1度だけ、グアムでのことだ。リーフの外側で泳いでいたら小さなサメを見掛けた。一瞬近寄ろうかと思ったがすぐに思い直した。水中では彼らのほうが圧倒的に早いし近くにお母さんがいるかも知れない。慌てて逃げた。
 ウミヘビには沖縄本島と宮古島で出会った。本島のムーンビーチでのことは以前に書いたが、宮古島での出会いのほうがショッキングだった。勢いを付けて潜ったら真正面から向かって来るウミヘビと鉢合わせになった。パニック状態で逃げた。
 クラゲには長く悩まされた。長時間泳ぐので刺される数が半端ではない。特に両腕は傷だらけになるし痒い。ホームセンターでゴム製のロング手袋を見つけてようやく自由に泳げるようになった。
 沖縄にはイラブー汁という郷土料理がある。何とエラブウミヘビをブツ切りにした料理だ。日本有数のゲテモノ料理だろう。
 回転寿司のアナゴはウミヘビだと悪口を言う人がいる。本当であれば史上最大級の食品偽装事件としてもっと大騒ぎになる筈だ。これは間違った主張ではないが悪意のある誤解を招く表現だ。なぜなら実に奇妙なことだがウミヘビは2種類あるからだ。
 我々が通常考えるウミヘビは爬虫類有鱗目コブラ科に属する。コブラ科であるだけに毒を持つ物が多い。エラブウミヘビもこちらに属する。
 もう1つは魚類ウナギ目ウミヘビ科に属する魚だ。英語ではsnske eel(ヘビウナギ)と呼ばれている。なぜこれがウミヘビと呼ばれるのかその経緯は知らないが、多分、図鑑を見た人による誤訳だろう。一部の回転寿司店で使われているマルアナゴはウナギ目ウミヘビ科に属する。当たり前の話だが魚類であって爬虫類ではない。これをウミヘビと中傷するのはウミヘビが2種類あるのを知らないか、他人の無知に付け込んで回転寿司を貶めたいだけだろう。ややこしい「ウミヘビ」という名称を「ヘビウナギ」に改めればこんな誤解は生じない。
 生物の分類では時々こんな変なことが起こる。タラバガニは実はヤドカリの仲間に分類されるがカニとして通用している。ウミヘビという動物が2種類あるから誤解を招くのであり、魚のほうのウミヘビは「ヘビウナギ」など別の呼称に改めるべきだろう。

怖い薬

2014-09-18 09:41:43 | Weblog
 私が最も日本人らしくない点は薬が大嫌いだということだろう。正直な話、怖いとさえ思っている。薬害に会って懲りている訳ではない。薬が効くメカニズムを理解したからだ。
 細菌に対して有効な薬は沢山あるから細菌による病気であれば私も迷わず薬で治療することを考える。ところがウィルスに効く薬は殆んど無い。だから医学はウィルスを倒すことを諦めて対症療法に特化している。この対症療法は殆んどが的外れだ。根本原因(ウィルス)と闘えないのならウィルスが標的とする場所を守るべきだろう。もしウィルスが肝機能を狂わせるのなら肝機能を助けるか免疫力を高めることが有効だ。結果として現れる症状に幾ら対処しても殆んど無意味だ。
 何度も書いたことだが風邪をひけば様々な症状が現れる。しかしこれらの大半が免疫反応だ。体温を上げることによって病原体の活動を抑えようとしている時に体温を下げれば利敵行為になる。これは鎮火するために駆け付けた消防車の邪魔をするような愚行だ。デング熱で解熱剤を使えば却って重症化することがあるそうだが、元々、解熱剤は有害なことが多く、他の病気でも悪化させていることが少なくない。
 下痢止めはもっと悪い。体内の有害物を排泄しようと体が反応しているのにその邪魔をする。病原性大腸菌O-157による食中毒の場合、下痢止めを使えば死亡率が有意に高まる。
 生活習慣病の薬も、原因を無視した対症療法であり多くは有害だ。歳を取れば動脈は固く細くなる。そんな状況で脳に充分な栄養を補給する方法は2つある。1つは血圧を高めて血流を早めることであり、もう1つは脳のエネルギー源である血糖値を高めることだ。動脈の状態を放置したままで、薬によって血圧や血糖値を下げれば脳に充分な栄養が届かなくなる。これが譫妄と呼ばれる知的障害を招き、ヤブ医者はこれを認知症と誤診して変な薬を処方するから更に悪化する。これは二重の医原病だ。降圧剤などをやめさえすれば全快するのに、薬の副作用を病気と思い込んでやってはならない治療を重ねる。
 薬はどこの家庭にもある劇物だ。正しく使わねば重大な結果を招く。厚生労働省が薬の危険性を知らしめるべきなのだが天下り先の製薬会社との癒着のせいだろうか、義務を放棄している。薬は人体に異常な反応を起こさせる危険物であることが周知されるべきだ。