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天子様のお勉強をのぞき見する

2010-03-22 22:59:46 | コードギアス
天子様のお勉強をのぞき見する

人類の進化の中で中華は常に先を行っていた。農業の始まり、磁針、火薬、印刷術、航海技術。すべて中華が起源である。
 さらに15世紀の初めにはアフリカまでにも大船団(鄭和の大航海)を送っている。しかし、中華が世界のトップを走れたのはこの頃までである。この後、中華はヨーロッパにリードを奪われる。
 「中華が世界から脱落した理由は宦官でした」
星刻はテキストを机の上に置いたままゆっくりと続けた。
「宦官がお船を壊してしまったの?」
「いいえ、大船団の艦長は宦官でした」
「宦官が?」
天子の瞳にびっくりマークがうかぶ。
天子の知っている宦官は国の財産を私利私欲のためにむさぼるばかりであった。
ぶよぶよと太り甲高い声でしゃべる。
天子の知る宦官と海の男のイメージは重ならない。そもそも天子は船をあまり知らない。
天子の知る船は空飛ぶ船、斑鳩である。斑鳩と思いだしたとたんに天子の心はあの日を思い出す。

斑鳩で、星刻は。
天子の心はあの結婚式の日に戻る。
つらかった。こわかった。でも星刻が来てくれた。

天子の手は無意識に約束のかたちをとる。
重なり合った指先。
思い出しただけで天子のほほはくれないに染まる。
でも、今は天子の指先に星刻はふれない。

「天子様」
ふわりと柔らかくて暖かいものが天子の肩にかけられる。
「冷えてまいりましたので」
天子を包むのは星刻の上着。
わずかな金属臭を天子は感じる。

「天子様、お部屋にお戻りください」
バルコニーの二人に女官長が声をかける。

歴史の授業中、神虎の降下音を聞いた天子は「どうしても会いたいの」と女官長にわがままを言い、星刻を呼ばせた。
以前のような2人きりは許されない。30人もの女官兵に見張られてのお茶の時間。
天子の心は満足していない。もっと会いたい。話したい。
抱かれたい。
でも、星刻は今の状態に何も思っていないように見える。


不満なのは私だけ?好きなのもわたしだけなの?
星刻の胸を叩いて彼の思いを訊きたい。

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