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プロポーズ小作戦126

2010-03-23 10:37:39 | コードギアス
プロポーズ小作戦126
この頃生きていた人のそれなりのやり方。

ここでまた少し寄り道する。計画性とは縁が無いサイトである。


天帝八十八陵の戦いの後、さらに色々あった後、中華と黒の騎士団は同盟を結んだ。
黒の騎士団は中華を舞台に世界を同盟者としブリタニアと対抗したい。中華は腐れた自国の改革の為に黒の騎士団を利用したい。さらにはブリタニアとの対抗の為に、世界同盟は中華の為にも必要だ。
 だが、そんな理由よりも星刻を決意させたのは(黒の騎士団は天子様の味方である)という一事であった。
それが無ければこの男にとっては何もないのと同じなのだ。
天子は黒の騎士団の女性陣に懐いた。
その中でも特に近しい存在になったのはラクシャータである。

天子にとってラクシャータは物知りの学者さんである。わからないことはなんでも訊いてくる。
例えば、「よーろっぱはここが昼のとき、暗いのでしょう。星刻は危なくないかしら」
星刻は根回しのためにヨーロッパに飛んだ。その星刻が危なくないかと天子は心配している。
「暗くてもできることはあるし、昔取ったなんとかっていうじゃない」
ラクシャータはこう答えた。
天子はこの返答に満足した。実のところ「(具体的に)どうするの?」と訊かれたら答えに困るラクシャータであった。
なにしろ星刻は根回しのためとはいえ、古なじみの女達を抱きに行ったのだから。
今のところ天子は返事をもらえるだけで満足している。逆にいえば大宦官達がいかに天子に何も教えなかったかである。

大宦官の筆頭であった高亥はヨーロッパに行く時は必ず星刻を同行させた。
名目は護衛である。実は護衛以上に大事な任務があった。
それは各界の大物やそのご婦人方の相手をすること。
何の相手かは16歳未満の読者を配慮して単語にはしない。
本場の後宮で教え込まれた星刻の技はヨーロッパのご婦人達をとろかした。
一晩に三ヵ所もまわることもあったらしい。10代にしかできない体力技である。
そのおかげで星刻はヨーロッパ園の制財界に強力なパイプを持つことができた。
ルルーシュはそのあたりの事情を知らなかった。知っていたら、何かが違っていたかどうかはわからない。

この頃ヨーロッパはすでにブリタニアの攻撃を受けていた。政府関係者や財界人は地下にもぐり、まともなルートでは接触すらできない。星刻は自分の個人的ルートを利用して世界同盟を実現した。



黒の騎士団と中華の間に同盟が結ばれた夜、ラクシャータは星刻と寝室を共にしている。星刻の夜の腕前であるが、ラクシャータの手記には具体的な単語は無い。
書いてあるのは神虎と星刻に偶然では済まない“縁”を感じたこと。原語の英文ではリンクと表現されている
一方の星刻はラクシャータの寝室で祖国インドに対する彼女の思いを見た。
ラクシャータの寝室の天井はオレンジ色。壁は白。床は碧色。白い壁には珍しいタイプの時計があった。一見ただのアナログ時計なのだが、よく見ると文字盤が24個ある。つまり24時間タイプのアナログ時計である。

たいていの男はこの時計を見ても珍しがるだけだ。
それからすぐ寝台に直行する。それでなければ酒になる。
今までこの時計のこの部屋の意味に気が付いた男は誰もいなかった。
ラクシャータは星刻にも期待していなかった。しかし、星刻は気が付いた。この部屋の床と天井の色の意味と時計の意味を。それは古のインドの国旗のデザインであった。
オレンジはヒンズー教、緑はイスラム教の色。白は両者の調和や和解を示す。壁に掛けられた時計は実は車輪のデザインで24本の軸は1日の時間を表す。
この国旗が使われなくなって久しい。インドの完全独立を目指す過激派の統一インド戦線でさえもこの国旗を使っていない。過激派によればこの国旗は妥協の産物であるからだ。

すでに過去のものとなった国旗は、国が自国のあり方を受け入れてその中で最善の道を探ろうとした時代の墓標である。

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