金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

チョコレートの生る木

2007-01-13 19:13:04 | 鋼の錬金術師
逃亡者たち20

チョコレートの木は無い

カカオの種は、チョコの中にある。でも、水をやっても芽はださない。   
[すでに題名と合ってないのは気にしないでください。イメージだけです。]


兄さんは生まれたときから僕の兄さんだった。
いつも守ってくれた。
僕だけを。
兄さんが僕以外のものを守るようになったとき僕はどう思ったのか。
小さいころ迷子になったときのように、不安でどうしていいかわからなくて。
だから、やるべきことを見つけて必死で実行した。医者にもなった。研究者にもなった。[今でもシン医学の権威とはトリンガムをさす]。軍人にもなった。それが、兄の眼から見れば、弟が一人前に成った証拠に見えたのだ。兄は僕の選択を邪魔しないように、先に進むのを陰ながらバックアップする立場を選んだ。
だけど、僕はそれがさびしくて、兄さんに手を離されたような気がした。違う。手を離したのは私のほうだった。
兄に消えられて、僕は今も迷子のままで。

兄さんが見つけてくれた。小さいころは。
すっかり冷たくなった僕の手をもっと冷たい手をした兄が暖めようとして、握り締める。結局その後2人で迷って兄さんは僕をおぶって一晩中歩いた。
今になって思えばこれが僕の一番大事な記憶。
あのころの兄さんは完全に僕だけのものだったから。



高級品の手編みレースのカーテンがゆれる。お客同士のプライバシーを考慮して各座席は7メートル以上空けてあるし、飾られている花かごが互いの視線をさえぎる。
こういう超高級店は上流社会の社交場にもなっている。
かすかに聞こえた声にラッセルが反応した。
「少し挨拶してくる」
兄(エド)と弟(フレッチャー)と保護者代理(ハボック)に声をかけるとしゃらりと衣擦れの音を立てて立ち上がる。
ご挨拶の相手はマダムレーヌ。繊維業界のトップの正夫人でラッセルの美容練成のお得意様である。
つまりはマスタング指定の情報源である。
少しと言って行ったラッセルは10分たっても戻ってこない。
エドのご機嫌が急速に悪くなる。
エドの記憶はアルフォンスというキーワードで修正されている。忘れさせられたわけではない。そんなことをしたらエドの人生のすべての記憶が消えてしまう。ただ、アルがいた記憶の位置にトリンガム兄弟が当てはめられている。前後矛盾するはずだがその辺りは記憶をぼかしてあるようだ。エドの記憶は個々の事象としては思い出せるが全体のつながりとしては途切れている。
それを仕掛けていったのは当の弟のアルフォンス。
人ではなくなってしまった自分の代わりに最愛の兄に〈兄弟〉を与えていった。精神操作というべき行為。
その影響か、あるいはもともとアルに対してそうだったのか、エドは独占欲が強い。
自分は平気でロイに甘えまくるのに、ロイが少しでも『弟たち』に触れると怒る。ただこれはどちらへの怒りなのか微妙だ。
今も、ラッセルが自分を置いて、たかが女のところにいるのが気に入らない。その相手が産業界の大物で、マダムのご機嫌がいいとマスタングにとって有利に働くこともわかっている。でもそんなことは関係なく気に食わない。
(まずいよね)
エドの感情はわかりやすい。ココアのカップのふちを指がたたき出したのは数分前、そろそろ切れるころだ。フレッチャーは何かエドの気分を変えられるものを探す。
「そろそろ、新刊が出るころだね」
「う・・・ん」
返事が機械的な反射でしかない。
(兄さん、早く帰ってきてよ)
兄が女のところで鼻の下を伸ばしているとは思えない。大体あのマダムは50代。おばあさんと孫である。マスタングのために愛想のひとつも振りまいているのだろう。

「まぁ、今日はご兄弟で来たのね。坊やの弟ならさぞきれいでしょう」
マダムは好奇心を刺激された。うわさに聞くマスタング家の〈輝きの兄弟〉を3人まとめて見られるなどめったにあることではない。何しろマスタングは宝物と公言するエドを秘蔵しほとんど誰にも見せていない。
「お会いしたいわ」
「弟はまだ礼儀を知りませんので」
やんわり断ろうとしたラッセルの声を咎めるように婦人の声が重なる。
「私が会いたいといっているのよ」
このマダムは機嫌を損ねてはいけない相手だった。だからこそエドたちと来ているにもかかわらず挨拶に赴いた。同じ店にいたのに無視したと後でばれればマスタングに不利になる。
(仕方ないな、なるべくフォローするか)
淡いレースの手袋をはめたマダムの手を取る。
(エドの機嫌が悪くなければいいが)
その頃、エドはラッセルが歩いていったほうをにらみつけていた。
(大将、マジで不機嫌、暴れる1分前だなこりゃ)
早いとこ店から出さんとまずい。そう考えたハボックは「タバコ吸ってくる」と言い訳して立ち上がる。ラッセルを捕まえて連れ戻すつもりだった。
大柄なハボックが立ち上がった視線の先にラッセルが見えた。ご夫人のエスコートをして歩いてくる。
(最悪だな、こりゃ)

にっこりと非の打ち所の無い笑顔を見せるラッセルを見ると、あの老婦人がマスタングにとって大事な相手あるいはその関係者なのはいくら鈍くてもわかる。
(お前なら高級ホストで食っていけるぜ)
揶揄してやりたくなるような、文句のつけようが無い紳士ぶり、さすがマスタングの直弟子である。
がたん
大きな音を立てて、エドが椅子から立ち上がる。
(うわ、)
「兄さん、どこにいくの。僕をおいていってはいやだよ」
(え、アル)
一瞬、高い少年の声にアルと信じてしまった。ハボックは一度だけ瞬きする。もちろんアルのはずは無い。フレッチャーがエドを見上げる。
必殺兵器、涙目。この瞳で下から見上げられて断れた『兄』はいない。
(たいした役者だよ。坊や)
今、ラッセルとエドの身長の差は3センチ、ラッセルとフレッチャーの身長の差は2センチ。
都合するところ、エドとフレッチャーの身長の差は5センチ。
5センチの身長差をまったく意識させない。それどころかエドのほうが大きいと錯覚さえ感じさせる。
エドをやんわりと取り押さえようと言うようにその右手にしがみつく。その腕で銀のリングが柔らかに光を跳ね散らす。
「闘気、殺気がある」
ふと、エドの声が変わった。
ほぼ同時にハボックも感じた。銃の気配。
おそらくは、と見ると、ラッセルが握る手に力を入れマダムの足を止めた。
次の音声はあまりにステレオタイプ。
「キャー!!」
女の高い声
銃の音、火薬のにおい。

「静かにしろ!!動くな!!!」
典型的な犯人タイプの男の声。
あまり頭のよくなさそうな6人の男が高級そうなドレス姿の婦人を縛り上げる。その手には大型の銃がある。
「6人組か、いや、外にもいそうだな」
口の中だけでハボックはつぶやく。
おそらく車を用意しているはずだ。
身代金目当てと見える。こういう店に来る婦人なら高官の妻か金持ちの女に決まっているからだ。
「あぁあ、よりによって子守中にかよ」
声にせずにハボックは文句を言った。
被害を気にしなければ、犯人を取り押さえるのは難しくは無い。しかし、この店には上流社会の者がごろごろいる。万が一、怪我でもさせたらマスタングが苦情を受ける。

今にも飛び出していきそうなエドの腕にフレッチャーがしがみつく。
守るべきは、エド。
それが、ラッセル・フレッチャー・ハボックの共通認識。
「兄さん、怖いよ」
「大丈夫だ。俺の後ろにいろ」
役者の坊やが3分ぐらいは大将(エド)が飛び出すのを抑えていてくれそうだ。
その間に何とかせにゃなるまい。
ちらりとラッセルのほうを見ると、マダムレーヌを後ろにかばいじわじわと移動している。ハボックに視線を流す。
(おいおい、銀坊やる気だぜ。おとなしくしていてくれよ)
「マダム、あのテーブルに私の兄弟と護衛がいます。私が動いたらそこまで行って伏せていてください」
「坊やはどうするの」
「人質交換といきます」
「だめよ、危ないから。第一今夜うちに来てくれる約束よ」
今夜は、このマダムの全身美容の予約が入っている。
「お約束の時刻には参上します」
「忘れたら怒るわよ」
「はい」

「おい、そこの女」
犯人の一人が指差した。
「金を持ってこっちへ持って来い」
犯人は店にも金を要求していた。
それを持って来いという。
気丈にもマダムレーヌが1歩踏み出した。
「バーさんに用はねぇよ。その女だ」
「・」
1秒だけラッセルは硬直した。
その姿は、犯人の目からは怖がっているように見えた。
「そう震えるなよ。きれいなお嬢ちゃん、金を運んでくればあんたには何もしねぇよ」
「マダム、予定通りに」
ごく小さい声でささやくとラッセルはゆっくりと犯人のほうに向けて歩き出す。
(やべぇ!あいつも切れた。気の毒になぁ)
ハボックは犯人のために祈った。
そろそろ、エドの押さえも利かなくなっている。
「少尉、フレッチャーを頼む」
「兄さん、行かないで。(あなたが行くとトラブルがむやみに大きくなって余計に)危ないよ」
「大丈夫だ。あんな5流以下の犯人どもぐらい1分以内でのしてきてやる」
にやりと笑うエド。その笑顔は以前とまったく変わりない。傍にいるのがあの弟か、銀の瞳かの違いがあるだけだ。

ラッセルが店のオーナーから金を受け取り犯人のほうに歩いていく。
犯人の1人が待つテーブルの上にそれを置いた。
「よし、・・・(近くで見ると一段と美人じゃないか)あのバーさんの孫か。縛り上げろ」
リーダーの声に部下の一人がロープを持った。
部下の手がラッセルの細い手首を握る。
うっかり触ると折れそうな手が薄い絹の手袋に包まれている。
「悪いな、お嬢さん。おとなしくしてくれたらやさしくしてやるよ」
その犯人はむしろ善意で言った。
しかし、いや、この場で何を言ったかというよりも、マスタング家の兄弟のいる店を襲ったこと自体が彼にとってすべての不幸の原因であった。
げきぃ!
手首をつかんだままの犯人が擬音とともに床に伸びた。
犯人側は何がおきたかすらわからない。
エドとハボックには見えていた。
握られた手をそのまま利用して、あごを蹴り上げられた不幸な犯人の姿を。まだ、若そうな男なのに総入れ歯決定である。
「バカ!人質が」
言うと同時にハボックは闇市で仕入れた大型銃を犯人たちのリーダーに向けた。
(ちくしょう、お前らが切れるなら俺が先に撃ち殺したほうがましだ)
一応、民間人の武器所有は禁止されている。守られたことの無い法律ではあるが。
ハボックは退役していても、マスタングのシモベ(幕僚)であったことは調べればすぐわかる。
たかが武器不法所持程度の罪状でマスタングに面倒をかけたくない(そんなことをしたらこれからどれほどこき使われることかわかったものではない)。
だから、女の叫び声が聞こえたときも銃を出さなかった。たかが、金目当てなら無理に撃ち殺すことも無い。目の前の稀有な金の瞳、今はほんの少し霧に守られて光を弱めているように見える、この瞳に血なまぐさいワンシーンを映すことは無い。
なんだかんだ思いつつも、ハボックもエドを盲愛する男の一人だった。
犯人たちは仲間を倒した相手を探して視線を交差させた。
縛り上げようとした〈女〉が蹴り上げたと言う事実は、彼らの認識には無い。
その視線が交差した頂点にエドワードが立った。
「なんだ、くそチビ!てめぇか!?」
犯人たちは自分たちの死刑執行書に舌でサインを入れた。
「だ!!!だれが!足が届かないほどのミジンコチビかー!!!」

「やれやれ
助けられる程度にしてくれよ」
エドの怒りとこれから数秒で殴り倒される犯人へのわずかな同情とその後『やりすぎだ』と自分に怒ってくるだろうマスタングの声と、すべてを予測したラッセルはただため息をついて声にせずつぶやいた。
自分が蹴り上げた男のことは、ラッセルの認識外である。

ぐうしゃり、べきぃ、どす、がきっ
いくつかの擬音とともに犯人たちが床に伸びた。

「65秒」
フレッチャーの甘いテノールの声が時間を告げた。エドが最初の1発を打ってから最後の一人を殴り倒すまでに要した時間である。
「5秒遅刻だよ、エド兄さん」
さらりとした声には、ぼこぼこにされた犯人への同情などひとかけらも無い。自分たちをこんな面倒に巻き込んだ犯人たちにはうらみつらみしかない。そういう点フレッチャーはクールであった。
「このごろ、運動不足だな。修行しなおしたほうがいいか」
このときには何気なく出たエドの言葉だが、数日後とんでもないことを言い出すのだ。
「お前らそこでゴミ(犯人達)を縛り上げていろ」
「ハボック少尉、どうするの?」
「毒を食らわば皿もテーブルもだ。外にいる仲間も捕まえる」
やってしまったからには逆に徹底したほうがいい。犯人たちにリボンをかけてマスタング家の兄弟のお手柄として憲兵隊にプレゼントしてやるべきだ。
「俺も行く♪」
「大将は十分暴れただろ。これ以上はだめだ」

外に出るためドアに向かおうとしたハボックの視線を、窓から飛び出していくラッセルが掠めていった。
「先走るな!」
不自然なまでに弱い犯人たちにハボックは不信感を感じていた。
さっき感じた殺気、あれはこの程度の男たちが発する気配ではない。
では本当のリーダーは外にいるのでは?
勘のにぶったエドや、体力の乏しい銀坊(ラッセル)で対応できるレベルか?
ハボックの勘は悪い形で当たった。
5秒後、重いドアを蹴飛ばして外に出たハボックは一気に加速して走り去る車を見た。後部座席で銀色の光が揺れる。
「銀坊!あの馬鹿!!捕まりやがった」
走り去る車のタイヤをめがけて銃を打つ。
貫通したはずだった。
しかし、飛び込んできたもう一台の車に銃弾は阻まれた。
「邪魔だ!!ぼやぼやしてると打ち殺すぞ!」
怒鳴ったときにはもう撃っている。
だが、当然敵もただ打たれてはいない。
3人がかりで撃ってくる。
外の銃声に人質にされていた女が悲鳴を上げる。
恐怖心を思い出したのだ。
「兄さん!」
銃声に外で何か起きたのだとフレッチャーが飛び出しかけた。
「馬鹿 !!子供はおとなしくしてろ!!」
5センチはあるドアを遮蔽物にして打ち合いを続けるハボックに怒鳴られる。
打ち合いは遮蔽物がある分ハボックが有利のようだが、相手は3人。しかも車である。
射殺していいなら簡単だ。
しかし、
(銀坊をとられている)
ラッセルが捕らえられている。
ハボックは運転手の腕を狙って撃った。
しかし、移動する車のスピードとバウンドに妨害されてなかなか当たらない。
(こういうとき、昔の大将なら練成して車ごとひっくり返して捕らえてくれるんだが)
思っても仕方ないことをハボックは考えた。
あの奇跡の夜以来、エドは一度も練成をしていない。
ひとつにはマスタングが厳しく禁止しているため。だが、おそらくもっとも大きな理由は
精神操作で思い出せなくなっていても『練成した結果、弟を手の中から失った』、そのことへの恐怖心がエドを縛っているのだろう。
今のエドに練成は期待できない。
バシィ!!!
金属音。
がしぁやぁ!!
金属がひしゃげる音。
ハボックの見ている前で、車は子供がおもちゃのミニカーを放り出すかのようにひっくり返った。
(何だ!?)
車がさっき通過しかけた場所にハボックの腕ぐらいはありそうな太い蔓が3本あった。くるくると巻き毛状態にカールしている。本来のサイズならきっとかわいい草なのだろう。
(こいつが車をはじいたのか。フレッチャーが?)
あの弟のほうに現場での勘があっただろうか?
走っている車にいきなりひっくり返られて、当然中の犯人たちは気絶していた。
首の骨を折って即死しなかっただけ幸運といえた。
「金坊(フレッチャー)やったのか?」
ひっくり返った車と用事は終わったとばかりにぼろぼろと崩れていく太い蔓をハボックは指差した。
フレッチャーは大きく首を振る。
(練成したのは銀坊か、だとしたらつかまったのは確信犯だな)
背後関係を調べるため意識的につかまったらしい。
人質がほかにいるならともかく自分ひとりならいつでも脱出できると自信を持っているのだろう。
(自信たっぷりの鼻っぱしを折られなきゃいいんだが)
つかまったのは意識的でも逃げ切るほどの体力があるかどうか?大いに疑問である。

マスタングは軍の高官である。机の上には重要書類が30センチも積み上げられている。
ペンを片手にため息をつく。
この状態では今夜も帰れそうに無い。
『ロイのベッドならいい夢を見れるんだ』
ふわふわの枕を抱えるエドの姿。ごく普通の空色のパジャマが輝くように見える。
かわいい息子(エド)をもう何日まともに見ていないことか。
ため息をついて、ペンを止めるマスタングを第3秘書がにらむ。
まだ統合補佐官(リザ・ホークアイ)の域には到底達していない彼女の視線ぐらいではマスタングは動かない。
「閣下。コーヒーにされますか」
机の上にでんと置かれたエドの写真にやにさがっているマスタングに第3秘書はせいぜい嫌味をこめる。
「ショコラ・ケーキ3個付けてくれ」
「閣下!」
『このごろデスクワークが増えているせいか幾分太り気味ですね』とホークアイに言われたばかりなのにマスタングはまったく反省していない。
(本当にこの人があのイシュヴァールの英雄なの!!?)
密かにあこがれていた東方の英雄の第3秘書に任命され、歓喜にあふれたのは数ヶ月前。
人生には知らないほうが幸福なこともあると思い知らされた。
憧れの英雄が男の子の写真を見てにやけまくっているところなど見たくは無かった。
その男の子が輝くばかりにきれいであったとしてもだ。
まして、寝相が悪いだの歯軋りしただの蹴飛ばされて目を覚ましただのだの、のろけとしか思えないトークを持ち掛けないで欲しい。第一それはいつも一緒に寝ていると言うことではないのか。それは、養子(猶子)とはいえ親子なのだからそういう時間があってもいい。しかし、エドは子供といっても数年すれば20歳になろうという年だ。果たしてそういう関係でいいのだろうか?
そういうのは仲良し親子ではなくて、別の分類に入るのではないだろうか。

「大変です!」
飛び込んできたのは短い黒髪がりりしい第2秘書。
「大変です!閣下のお子さんが誘拐されました!!!」
勢いよく開かれた扉が巻き起こした風に、ふわりと舞い上がる書類を押さえるロイと、そういうのは別の分類に入るのではと言いかけた第3秘書の2人は運ばれてきたどこかで聞いたような話題にしばし固まっていた。


失踪19誘拐

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